やりたくないことにNOといい、自分がやりたいことをやるよう著者は推奨しています。
あなたは他人のルールに縛られて生きていませんか?
この記事では、鈴木祐介著『NOを言える人になる 他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『NOを言える人になる 他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は内科医・心療内科医。
幸せを感じられない現代人が増えているのは、「競争的な価値観」にしたがって人々が生きているからだと著者は指摘する。
幸せな人生を送るためには、誰にも遠慮することのない、自分だけの「好き」を見つけて追求することが重要である。
人間関係、時間とエネルギーの使い方、NOをいう勇気、自己肯定感の高め方など、他人に縛られず、自分の人生を生きる術について解説する。
以上がおもな内容です。
自分の人生に満足できていない方にとって本書は参考になるかもしれません。
自ら意思決定し、自ら人生の進む方向を決めている実感はありますか?
【気になった点】口調(文体)が急変する
「はじめに」において、丁寧なですます口調で著者は語っています。
ところが本文に入った途端、著者の口調は一変します。
いきなり文体が「だ・である」口調にシフトするのです。
著者の意図するところは不明ですが、読んでいて違和感を覚えました。
著者が「だ・である」口調に変えたのは、説得力を強めたかったのかもしれませんし、あるいは力強さを演出したかったのかもしれません。
ただし、人間関係や人生に悩んでいる人にむけた本であること、「心療内科医」という肩書であることから、「です・ます」口調のほうがマッチしているといえます。
優しかった人がいきなり怖くなったかのようで、口調の変化は不自然でした。
ホリエモンの本に似ている
堀江貴文の出している本に本書は似ています。
たとえば本書にある、「我慢スキルでお金をもらってもつまらないだけ」といった主張に関して、ホリエモンもおなじことを述べています。
主語が「僕」である点も、ホリエモンといっしょです。
「苦痛でしかない人間関係」といった言い回しもホリエモンのそれに似ています。
「〜でしかない」という強調表現。
つまるところ本書は、ありきたりな自己啓発書のような本だ、ということです。
ホリエモンを支持する医師が書いた本、といった感じ。
- 他人と比べるな
- 自分の好きなことをやれ
- 競争的な価値観とは距離をとれ
- やりたいことがなくたって良い
- 他人に時間を奪われないようにしろ
このような主張が本書ではなされていました。
これら著者の考えやアドバイスは「はじめに」にすべて凝縮されています。
したがって本書については、「はじめに」だけ読めばじゅうぶんです。
まとめ
自分のルールで生きるための「心構え」が本書には書かれていました。
具体的な行動は示されておらず、こう考えるといい、といった精神論がメインです。
もちろん、精神論が悪いわけではありません。
捉え方が変わるだけでストレスが減ったり、悩みが軽くなったりすることがあるからです。
「はじめに」では優しく丁寧だった著者は、本文に入った途端、急変します。
「だ・である」口調にシフトし、自らの主張を読者にグイグイ押し付けてきます。
まるで交際した翌日に冷たくなる恋人のような著者の態度には、読んでいて違和感しかありませんでした。
以上、鈴木祐介著『NOを言える人になる 他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法』の要約と感想でした。
結論。本書にNOを言いたい。本書のおかげで、今ならいえそう。
人間関係や自由な生き方について学ぶには、『嫌われる勇気』がおすすめです。
ありきたりな自己啓発書とは一線を画す名著です。
他人にNOを言えるようになりたい方には、 こちらの本もおすすめです。
女性にむけて書かれた本ですが、男性が読んでも参考になります。