ビジネスパーソンを対象とした、食に関する本です。
ハイパフォーマンスで仕事に取り組むためには、健康に投資すべきだと著者はいいます。
本書にあるように「口にするものはすべて自分への投資だ」といった意識を持てば、ふだんの食生活がガラッと変わることでしょう。
この記事では、満尾正著『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』の要約と感想
まずは本書の要約から。
人生100年時代である。
お金の心配をする人は大勢いるが、もっとも必要なのは健康だ。
健康でなければ幸福にはなれないからだ。
とりわけ現代人には「栄養」という投資が足りていない。
疲れにくく、太らず、若々しさをキープし、頭が冴え渡り、クリアな思考で物事を考えられるようになる正しい食事について、医師が解説する。
以上がおもな内容です。
全力で仕事に取り組みたいと考えているビジネスパーソンに本書はおすすめです。
お腹が満たされていれば大丈夫?
あなたは食事をする際に「栄養」を考えているでしょうか。
栄養と満腹はまったくの別物です。
大盛のカップ麺を食べればお腹は満たされますが、カップ麺だけでは、体にとって必要な栄養素は補給できません。
栄養素のなかでも、ビタミンやミネラルは健康の基礎だと著者はいいます。
本書において著者は、食事によるビタミンやミネラルの摂取について説明しつつ、不足する場合にはサプリメントを利用するよう推奨していました。
たとえば、仕事をすれば頭を使います。
脳や神経の働きに欠かせないのが、ビタミンB群です。
ビタミンB群には、
- 脳からの情報伝達を正常化
- 情報伝達物質の合成をサポート
といった働きがあります。
頭脳労働後のぐったりとした重苦しい疲労感は、ビタミンB群が脳内で大量に消費され、脳が疲れている状態なのだと著者は述べていました。
だとしたら、脳の疲れをとるためには「ビタミンB群が多く含まれている食材」を食べれば良いわけです。
このように栄養という視点を持てば、食事が変わるに違いありません。
ただの空腹を満たす(あるいは快楽を得る)行為から、健康への投資へと、食事の意義が変わるわけです。
ビタミンDがうつ病をはじめとした精神疾患の改善・予防に有効だと知ったら、ビタミンDを多く含む食材やサプリメントを摂取したくなるのではないでしょうか。
バリバリと働く上では、身体だけでなくメンタルの健康も欠かせないからです。
摂るべき・避けるべき食べ物が明確
本書の良いところは、
- 摂るべき食品
- 避けるべき食品
をわかりやすく分けて紹介してある点です。
つまり、読者が食生活に反映させやすい、ということです。
たとえば、避けるべき食品として「揚げ物など高温調理された食べ物」が挙げられていました。
フライドポテトやから揚げなどの揚げ物には、AGEという物質が多く含まれており、AGEは体内で炎症を起こす原因になります。
AGE(終末糖化産物)は、アンチエイジングの世界において「最強の老化促進物質」と呼ばれており、進んで摂るべきものではありません。
老化とは、すなわち体の機能の衰えだからです。
全身の細胞を若々しくキープするためには、揚げ物など、高温調理された食品を控えたほうが良さそうです。
本書にはほかにも、
- 甘い飲料
- 白い主食(精製されたもの)
- トランス脂肪酸
などの避けるべきものが挙げられていました。
いっぽうで、
- 納豆
- 食物繊維
- ビタミンB
- ビタミンD
など、摂るべきものも紹介されています。
いずれも根拠が明確で、わかりやすいのが特徴です。
まとめ
本書のなかで著者は、何度も「食べ物はメンタルにも影響している」と述べています。
気分というのは性格や環境によるものだと思いがちですが、実際のところ、食べた物も私たちの気分に大きく関係しているのです。
「なんとなくやる気が出ない」というとき、それは食事内容に問題があるのかもしれません。
前向きな気分に関わっている、
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
といった神経伝達物質の生成に必要な材料が、体内で足りていない恐れがある、ということです。
食事をただ腹を満たす行為ととらえるか、健康への投資ととらえるかによって、ビジネスシーンをはじめ、人生のあらゆる場面が変わってくることでしょう。
株や不動産へ投資をする前に、まずはご自身に投資をしてみてはいかがでしょうか。
以上、満尾正著『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』の要約と感想でした。
結論。食べたほうが良いもの、避けるべきものが明確でわかりやすい。自分の能力を信じ、自分に投資したい方へおすすめ。正しい食事をすれば、最高のパフォーマンスを発揮できるだろう。