『不倫のリーガル・レッスン』の要約と感想

不倫のリスクについて弁護士が解説している本です。

「不倫のハウツー本」ではなく、不倫にともなう法的なリスクを読者に知ってもらうことが、本書の目的だといいます。

 

もしあなたが不倫を目論んでいるとしたら、実行する前に「法的リスク」を知っておいて損はないはずです。

 

この記事では、日野いつみ著『不倫のリーガル・レッスン』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『不倫のリーガル・レッスン』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

不倫は芸能人だけの問題ではない。

大学では教授と学生が、会社では上司と部下が、不倫関係にあることも珍しくない。

そんな不倫関係は時として、別居、離婚、失職、恐喝、自殺、果てには殺人をも引き起こすきっかけになり得る。

 

どこからが不倫か。

不貞行為とは何なのか。

不倫のせいで会社をクビになることはあるか

不倫による恐喝とはどんなものがあるのかなど、不倫にまつわる法的な知識を紹介する。

 

以上がおもな内容です。

 

本書を読むメリットは「不倫をする気が失せること」だといえるでしょう。 

なぜなら、不倫の代償は大きく、とてもコストパフォーマンスに優れている行為だとはいえないからです。 

 

「不倫を我慢したい。自制心が効かないから誰かに止めてほしい」と考えている方は、ぜひ本書を読んでみてください。

不倫にたいする執着や衝動が、消え失せるに違いありません。

 

不倫に関する法的知識

著者は弁護士であり、本書を通じて「不倫の法的リスク」を人々に知ってもらおうとしています。

とはいえ著者は、不倫はダメだと説教をしているわけではありません。

 

あくまでも中立的立場から、日野氏は、不倫に関する法的知識を(淡々と)述べています。

 

たとえば現在の民法下の裁判では、判例として、不倫相手にも慰謝料の支払義務を認めているといいます。

A太郎がC子と不倫した場合、A太郎の妻であるB子は、C子にたいして慰謝料請求ができるというわけです。

不倫相手(C子)が支払う慰謝料の金額は、一般に300万円未満だそうです。

 

たとえC子が独身だとしても、既婚者の男性と不倫関係を築いてしまった時点でアウトです。

裁判沙汰になったら厄介ですので、既婚者には手出ししないほうが良いでしょう。

 

もちろん、不倫をした張本人であるA太郎にも、妻にたいする慰謝料の支払義務が生じます。

不倫相手の支払額(300万円未満)を上回る傾向があると本書では紹介されていました。

 

つまり不倫には、国産車一台を買えるだけのお金が吹っ飛ぶリスクがある、ということです。

民事裁判になれば、の話。ようは配偶者しだい。

 

ただし、肉体関係のないプラトニック・ラブであれば、法律上の不貞行為にはあたらないといいます。

 

異性と食事をしても(法的には)セーフですし、公園で手繋ぎデートをしても(法的には)セーフです。 

別れ際にハグをするのも(法的には)セーフです。 

いずれも不貞行為には該当しません。

 

このように、法律は不倫をどのように扱っているのか、どのように定義しているのかを知れるのが、本書の面白さだといえるでしょう。

 

 

平成14年4月の事件「浮気の事実が確認された」

あなたが不倫をする気など毛頭ないとしても、たとえあなたが独身であっても、本書を楽しめることでしょう。

読み物として本書は面白い、ということです。 

 

とりわけ興味深かったのが、平成14年4月に明るみに出た事件です。

浮気の事実が確認された」とする手紙を送りつけて現金を騙し取ろうとした恐喝犯が逮捕された、というのが事件の概要です。

 

この事件のポイントは、手紙を送りつけられた人物、つまり詐欺のターゲットとなった人物です。

犯人から狙われたのは、首都圏の一部上場企業を含めた会社役員200人以上だそうです。

 

  • 民間信用調査機関の役員名簿
  • 高額納税者リスト

などをもとに、犯人はターゲットを絞りました。

早い話が「お金持ち」が狙われたわけです。

 

犯人が送りつけた手紙には、

「身辺調査で浮気の事実を確認した。証拠物件の廃棄手数料として現金50万円を振り込め。振り込まないと家族や職場に浮気の事実をバラす」

といった内容が書かれていたといいます。

 

もちろん、デタラメです。

犯人はターゲットの身辺調査など行っていません。 

 

ところがこの事件では、結果として約60人近くが、計2000万円以上を犯人の口座に振り込んでしまったといいます。

少なくともこの60人に関しては「浮気について身に覚えがある」ことを意味しています。

後ろめたいことがなければ支払わない。

 

犯人も犯人ですが、役員も役員です。

この世の中では、浮気をしている人はけっして珍しくないのでしょうか。 

それとも、お金持ちは浮気をしやすい傾向にあるのでしょうか。 

 

こんな「考えさせられる事件」も本書では取り上げられていました。

 

まとめ

不倫について法的な側面から学べる本です。 

  • 既婚者
  • 不倫を考えている人
  • 既婚者と不倫関係にある人
  • 好奇心が旺盛な人

などに本書はおすすめです。

 

ただ事実が述べられているだけではなく、

  • 不倫の魅力とは何か
  • 不倫のコストパフォーマンス

など、本書には著者の考察が記されています。

 

  • 不倫の歴史
  • 不倫がバレるきっかけ

なども知っておいて損はないでしょう。

とりわけ、不倫の歴史は衝撃的です。

 

江戸時代では、密通した妻と男を、夫が殺すことが許容されていたといいます。

幕府の法である公事方御定書にて。

 

15世紀フランスでは、浮気相手の男性の性器を切断していたそうです。

10世紀イギリスでは、姦通をした妻は耳と鼻を切り落とされていたそうです。

 

それにくらべて21世紀の日本に生きる私たちは、マシ、なのかもしれません。

不倫にたいする罰が軽いからです。

 

こうした事実や法的リスクを踏まえた上で、不倫をするかしないかは、あなた次第です。

 

不倫のリーガル・レッスン (新潮新書)

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以上、日野いつみ著『不倫のリーガル・レッスン』の要約と感想でした。

結論。不倫をするとどうなちゃうのか、がわかる本。不倫をすると、だいぶ悲惨なことになっちゃう。不倫はやめておくのが吉。本書が不倫の抑止力になる。