某女性用下着メーカーは、古い下着を捨てるようチラシで顧客に呼びかけています。
なぜなら、風水では「古いものは陰の気を帯びやすくなる」とされているから、だそうです。
下着(ブラジャーやパンティー)の買い換えをすすめる根拠が「風水」とは、驚きです。
販促に効果的でさえあれば、主張が科学的かどうかは関係ないのでしょうか。
この記事では、
- 古いものはダメ?
- じゃあクラシックカーもダメ?
など、「運気を上げるには古い下着を捨てるべしと謳う下着メーカーの胡散臭さ」について書きました。
ぜひ参考にしてみてください。
「運気を上げるには古い下着を捨てるべし」と謳う下着メーカーの胡散臭さ
「古いものは陰の気を帯びやすくなる」というのが風水の考えなのだそうです。
だからこそ、毎日身につける下着は運勢を左右する、と某下着メーカーは主張します。
これをポジショントークという。
問題は、
- 古いものは陰の気を帯びやすいのか
- 私たちの運気を下げるのか
という点です。
なぜなら、もし持ち物が古くても新しくても私たちの運勢に影響しないのだとしたら、まだ使える下着をわざわざ捨て、新しく買いなおす必要はないからです。
古いものは陰の気を帯びやすい?
ひとまず、古いものが陰の気を帯びやすく、所有者の運気を下げるものと仮定します。
とすると心配なのは、クラシックカーに乗っているオジサンたちです。
1970年代、80年代に生産されたクラシックカーの古さたるや、下着の古さの比ではありません。
いくらなんでも、1970年に買った下着を、50年後の現在も使っている人はいないでしょう。
そんな耐久性、下着にはない。
ですが、50年前に作られた自動車に乗っているオジサンは存在します。
風水的にいえば、古い自動車であるクラシックカーは陰の気を帯びており、運転しているドライバーの運勢を下げるはずです。
風水的に考えたら、クラシックカーを運転しているオジサンは、不慮の事故で死ぬリスクが高いといえるでしょう。
あるいは、クラシックカーを所有していたせいで謎の奇病を発症し、命を落とすかもしれません。
というのも、風水の考えに従えば、クラシックカーは陰の気を帯びまくっているはずだからです。
法隆寺に行ったらどうなる?
「古いものは陰の気を帯びやすくなる」というのが風水の考えなのだそうです。
とすれば、世界最古の木造建築である法隆寺は、陰の気を帯びた逆パワースポットだといえます。
もし私たちが、古い下着を身につけて法隆寺を訪れようものなら大変です。
陰の気と陰の気がぶつかり合い、巨大な陰の気を生み出し、われわれの運気をどん底まで下げることでしょう。
法隆寺を観光中に、運気が悪すぎてコケるかもしれません。
しかも運気が悪すぎて、脚を石にぶつけるかもしれません。
運気も当たりどころも悪すぎて、脚を骨折してしまうかもしれません。
身につける下着でさえ古いものがダメだとしたら、体内にいれる飲食物、たとえば100年モノのワインなどは、言語道断でしょう。
陰の気を帯びまくったワインを飲めば、腹を下すか、死にます。
なぜなら、風水では「古いものは陰の気を帯びやすくなる」とされているからです。
ホール全体に陰の気を響き渡らせるストラディバリウス(17〜18世紀に制作)の演奏など、風水としては、もってのほかでしょう。
まとめ
ストラディバリウスの演奏を聞いたお客全員が、帰りにホールの階段でつまづいてコケたりはしません。
法隆寺を訪れた観光客全員が、頭痛に襲われることもありません。
クラシックカーを運転しているオジサンが、もれなく大動脈解離でこの世を去ったりもしません。
上の事実からいえるのは、
- 古いものは運気を下げない
- 仮に運気が下がるとしてもごく僅か
これらの結論です。
私たちが異性にモテないのも、収入がアップしないのも、宝くじに当選しないのも、古い下着とは関係ありません。
「古いものは陰の気を帯びやすくなる」とする風水の教えにしたがって下着を買い換えても、運気が上がる保証はないといえます。
ただし、下着メーカーの売上高はアップします。
胡散臭い販売戦略にダマされないようご注意ください。
「古いものは陰の気を帯びやすくなる」とする風水の教えを信じた瞬間から、私たちは、お金がいくらあっても足りなくなります。
冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ダイニングテーブル、スニーカー、そして下着などなど、買い換えるべきものだらけになってしまうからです。
以上、運気を上げるには古い下着を捨てるべしと謳う下着メーカーの胡散臭さ、でした。
結論。2年前に買った下着が運気を下げるというのなら、法隆寺界隈は、きっといまごろ地獄絵図。クラシックカーのオーナーは、きっともれなく不慮の事故。
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