やる気が出ない、気分が落ち込むなどといったメンタルの不調を抱え、病院の精神科を受診したとします。
あなたを診察した精神科医が「うつっぽいですね」といい、抗うつ薬や睡眠導入剤を処方した場合、これはすなわち「うつ病」と解釈して良いのでしょうか。
それとも、「うつっぽい」状態は、うつ病ではないのでしょうか。
この記事では、
- うつ病とうつ状態の違い
- うつ病に見られる身体症状
など、「精神科でうつっぽいと医師に言われたらうつ病と解釈すべきか」についてわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
精神科でうつっぽいと医師に言われたらうつ病と解釈すべきか
まず一言で「うつ」といっても、
- 抑うつ状態
- うつ病
これら2種類が存在します。
抑うつ状態とうつ病、両者はまったくの別物です。
ですので、
- うつっぽいですね
- うつ状態ですね
などと精神科医にいわれても、イコールうつ病ではありません。
たとえ抗うつ薬を処方されたとしても、です。
気分の落ち込みを改善するため。患者がうつ病でも抑うつ状態でも処方する。
うつ病患者はメンタルの落ち込みだけでなく、身体症状にも苦しめられます。
もしあなたがうつ病であれば、
- 食欲がない
- 眠れない
といった身体症状が出ているはずです。
身体症状がなければうつ病ではない
世の中には、「身体症状がなければうつ病ではない」と主張する精神科医がいます。
うつ病かどうかを見極めるうえで身体症状が重要だ、ということです。
うつ病の身体症状としては、
- 食欲低下
- 不眠
これら2つが挙げられます。
もし元気はないけれど食欲が旺盛だったり、気分は晴れないけれど夜はぐっすり眠れているのだとしたら、医師が発した「うつっぽい」は「抑うつ状態」だと解釈して良いのではないでしょうか。
そもそも、うつ病だと診断したなら、「うつっぽい」などという曖昧な言葉ではなく、「うつ病です」と医師はハッキリ患者に伝えるはずです。
抑うつ状態だとしたら
うつ病ではなく、抑うつ状態である場合、おもな症状は気分の落ち込みです。
ただし、
- 心理的葛藤
- 状況反応
などが原因で起こると考えられる抑うつ状態には、抗うつ薬が効かないとされています。
もし会社で大きなストレスを抱えているなら、医師に診断書を書いてもらい、会社を1〜3ヶ月ほど休職する手もあります。
診断書には「抑うつ状態」と記されることでしょう。
どうじに医師が認めれば「就労不可」と診断書に書いてくれますので、会社を休むための材料としてはじゅうぶんです。
会社を休職しても、傷病手当金などの保証制度を使えば、休んでいながらお金を得ることができます(給与の3分の2程度の額)。
ゆえに、金銭的を心配し、ムリをすることはありません。
少なくとも休職したとたんに収入がゼロになる、などということはないはずです。
まとめ
精神科で「うつっぽい」と医師に言われたときの解釈についてお伝えしてきました。
ポイントは、うつイコールうつ病ではない、という点です。
「うつ」といっても
- 抑うつ状態
- うつ病
これら2種類があります。
抑うつ状態は心理的葛藤や状況反応などが原因で発症するとされていますが、うつ病が発症する原因に関しては、いまだハッキリしていません。
- 栄養不足
- 遺伝子の問題
など、うつ病の原因に関してはさまざまな考えがあります。
ご自身が抑うつ状態なのか、うつ病なのかを知りたい場合には、担当医師に尋ねるのがもっとも確実です。
本記事の内容よりも、精神科医の診断を信頼してください。
以上、精神科でうつっぽいと医師に言われたらうつ病と解釈すべきか、でした。
結論。抑うつ状態とうつ病は別物。食欲低下と不眠があれば、うつ病の可能性もある。もちろん、担当医に聞くのがベスト。
【参考文献】
森下茂『確実に治るうつ、治らないうつ 57の実例で見つかる、うつ病の抜け出し方』誠文堂新光社、2016年
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