2020年にデビューした新型N-ONE(2代目)には、RS(レーシングスポーツ)というグレードが用意されています。
とはいえ、オリジナルやプレミアムツアラーとくらべてRSがスポーティな走りをするかといえば、答えはノーです。
新型N-ONE RSはトランスミッションに6速MTを選べるくらいで、動力性能はほかのグレードと大差ありません。
早い話が、新型N-ONE全グレード中でRSがもっとも速いわけではない、ということです。
RSは足回りが若干締められているくらい。
この記事では、
- エクステリアの違い
- インテリアの違い
など、「新型N-ONE RSと他グレードの違い4つ」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
新型N-ONE RSと他グレードの違い4つ
RS(レーシングスポーツ)とは名ばかりで、新型N-ONE RSは、おなじく64馬力のターボエンジンを積んでいるプレミアムツアラーとほぼ変わりません。
たとえばRSの、
- エンジン性能(馬力やトルク)
- ブレーキ
- サスペンション
- シート
- タイヤ
といった部品やパーツは、ほかのグレードとおなじものを使っています。
ゆえに、「RSだけスポーティな仕上げになっている」と考えるのは誤りです。
新型N-ONE RSがほかのグレードと異なるのは、
- エクステリア
- ボディカラー
- インテリア
- トランスミッション
これらの4点です。
トランスミッション(MT)を除き、ほぼ「見た目だけの違い」だといって良いでしょう。
足回りのセッティングは若干違う。
1. エクステリアの違い
新型N-ONE RSだけの専用装備としては、
- 大型リアスポイラー
- ブラックのホイール
- フロントとリアに「RS」エンブレム
などが挙げられます。
これらRS限定のパーツや装飾が、(オリジナルやプレミアムとくらべた)エクステリアの違いです。
リアスポイラーというのは、「ダウンフォース(車体を下に押さえつける空気の力)」を生み出すためのパーツです。
レースに出るようなマシンには必須ですが、RSのそれは、飾りに過ぎません。
というのも、N-ONEのボディ形状自体が、空力を考えて「速く走る」ために設計されたものではないからです。
室内空間を広くとり、実用性を重視しているクルマにスポイラーをつけるのは、たとえるなら、ラーメンを「化学調味料は使っていません」と喧伝するようなもので、ナンセンスです。
クルマにたいしてスピードや走りを求める人は新型N-ONE RSを買いませんし、健康を求める人は、ラーメンを食べません。
2. ボディカラーの違い
新型N-ONE RSには全5種類のボディカラーが用意されています。
5種類のうち、
- 黒のモノトーン
- 黒と白の2トーン
これら2つは、オリジナルやプレミアムでも選べます。
ゆえに、RSだけの限定カラーではありません。
RSでしか選べないボディカラーは、
- 白と緑の2トーン
- 黒と黄色の2トーン
- 黒とオレンジの2トーン
これらの3種類です。
「RSだぞ」とアピールしたい方は、上の3つからボディカラーを選ぶのが良いでしょう。
ただしいずれも特別塗装色で、それぞれ60,500円もしくは82,500円の追加費用が生じます。
RSで選べる無償カラーは「黒のモノトーン」だけです。
3. インテリア
新型N-ONE RSの内装は、ブラックを基調とし、アクセントカラーとしてところどころにオレンジを使っています。
たとえば、
- ステアリング下部
- エアコン吹き出し口
- シフトノブのまわり
- シートの縁(ふち)
などが、メタリックオレンジに染め上げられています。
あなたがオレンジ色を好きかどうかは関係ありません。
新型N-ONE RSを選ぶと、嫌でもインテリアにオレンジの差し色が入ります。
回転寿司であればサビ抜き、サビ入り好きなほうを選べますが、新型N-ONE RSの内装で「オレンジの差し色抜き」はオーダーできません。
ご注意ください。
4. トランスミッション
RSがオリジナルやプレミアム、プレミアムツアラーともっとも異なっているのは、トランスミッションに6速MTの設定があることです。
RSのトランスミッションは、
- CVT
- MT
好きなほうを選べます。
ただしいずれもFFのみの展開で、RSに4WDは存在しません。
ちなみに、先代(初代)N-ONEにはマニュアルの設定がありませんでした。
現行型の、
- N-BOX
- N-WGN
いずれにおいてもMTは選べません。
ホンダが販売する軽自動車のなかでは、
- N-ONE RS
- N-VAN
- S660
これら3車種でMTが選択できます。
「MTが選べて実用性もある軽自動車」という括りで考えたとき、新型N-ONE RSは貴重な存在です。
というのも、
- ホンダS660
- ダイハツコペン
といった他のマニュアル車は2シーターで、実用性に欠けているからです(ただし両車ともN-ONE RSよりスポーツ性能は高い)。
おなじくMTが選べるN-VANはほぼ商用車であり、自家用車として乗るような車ではありません。
その証拠にN-VANは、運転席以外のシートが「チープな作り」になっています。
なぜならホンダN-VANは、人ではなく荷物を載せて運ぶことを想定しているからです。
N-VANはドライバーのシートだけがまともで、助手席、後部座席ともにベンチのような「快適でない」シートが取り付けられています。
ゆえに、新型N-ONE RSのライバルにはなり得ません。
まとめ
新型N-ONE RSと他のグレードとの差異をお伝えしてきました。
RSのみ6速MTのトランスミッションが選べることを除けば、残りの違いは「見た目だけ」だといえます。
- リアスポイラーがついてる
- ホイールが黒い
- RSのエンブレムがついてる
- 3パターンの限定カラーが選べる
- インテリアにオレンジの差し色
などが、新型N-ONE RSが他のグレードと異なっている点です。
RSの動力性能は、おなじターボエンジンを搭載しているプレミアムツアラーとおなじです。
ですのでRSは、レーシングでもなければ、スポーツでもないといえます。
MTではなくCVTを買う予定であれば、RSに限らず、プレミアムツアラーも検討してはいかがでしょうか。
内装の高級感(黒で統一)やボディカラーのバリエーション(RSの2倍)では、プレミアムツアラーのほうが優れています。
以上、新型N-ONE RSと他グレードの違い4つについてでした。
結論。最大の違いは6速MTが選べること。あとはエクステリア、ボディカラー、インテリアなど、走りとは関係ないところがチョコチョコ異なっているだけ。RSだけ速いわけでも、コーナリングがスムーズなわけでもない。
新型N-ONE RSのボディ色に関して、当サイトにはこんな記事もあります。