パン、ラーメン、うどん、パスタ、クッキー、シリアル、ドーナツなど、小麦粉からできている食べ物を口にしていませんか?
長生きをしたい人は、それら小麦食品を食べないほうが良いといいます。
ちなみに本書の著者は、副腎疲労・グルテンフリー外来を開設している医師です。
この記事では、本間良子著『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』の要約と感想
まずは本書の要約から。
小麦は食べないほうが良い。
なぜなら、小麦は体に悪い食べ物だからだ。
小麦に含まれているタンパク質「グルテン」は人体のあらゆるところで炎症を起こすため、さまざまな不調の原因となる。
たとえば、慢性疲労、だるさ、頭痛、肩こり、集中力の低下などの症状を小麦は引き起こす。
小麦が人体に及ぼす悪影響、小麦をやめる方法などを解説する。
以上がおもな内容です。
私たち人間にとって、小麦がどれだけ体に悪い食材なのかは良くわかりました。
がしかし、小麦からできてる食べ物(パンやうどん等)を絶つ方法は精神論に終始していて、役に立つとはいえません。
本書から小麦のデメリットを学ぶことはできますが、読後に小麦を絶てるかどうかは、読者の意思力しだいです。
脱小麦のアドバイスが役に立たない
「小麦は体に悪い」と説き、パンや麺などを食生活から排除するよう呼びかけている本です。
ただし、本書には欠点がありました。
小麦でできている食品を絶つ方法が、精神論・根性論だ、ということです。
たとえば著者は、ふだんの生活から3週間だけ小麦を抜いてみよう、とアドバイスしています。
やり方そのものはシンプルで問題ありません。
ただ小麦でできている食べ物を3週間ガマンするだけです。
がしかし、ほとんどの読者は、3週間におよぶ小麦抜き生活に耐えることができないでしょう。
途中で挫折してうどんやラーメン、パンを食べてしまう可能性が高いといえます。
なぜなら、小麦には中毒性があるからです。
小麦には"グルテオモルフィン"という中毒性のある物質が含まれている、と著者は述べていました。
グルテオモルフィンはモルヒネに似ており、私たちの脳に「もっと小麦が食べたい」と感じさせるのだといいます。
こうした「小麦中毒」と呼べる状態になっている場合、生活から小麦を抜くのは難しい、と本書に記されていました。
中毒物質ニコチンのせいで喫煙者がタバコをやめられないように、小麦が好きな人もまた、中毒物質グルテオモルフィンのせいでパンやうどんをやめられないわけです。
小麦に中毒性があるとしたら、もはや気合いや根性でどうにかできる問題ではありません。
「小麦を3週間ガマンしよう」という著者のアドバイスに、いったいどれだけの価値があるのでしょうか。
もし小麦を食べてしまっても、自分を責めることなく、「明日からまた頑張ろう」と気持ちを切り替えると良いそうです。
気休めのメッセージに過ぎません。
小麦が体に悪い理由
小麦が体に悪いのは、副腎疲労を引き起こす原因になるからだといいます。
副腎というのは腎臓の上にある小さな臓器で、さまざまなホルモンを分泌し、体の炎症を抑える働きをもっています。
がしかし、小麦(グルテン)が体のあちこちに炎症を起こすせいで副腎がハードワークに陥り、疲弊し、結果としてさまざまな不調を招くのだそうです。
つまり、
- 小麦を食べる
- 身体中で炎症が起こる
- 炎症を抑えるために副腎が働き続ける
- 過労で副腎が疲れる(副腎疲労)
- 慢性疲労や肩こりなど不調が起こる
- だから小麦をやめよう
このような論理です。
小麦をやめるのは「副腎をいたわるため」だといえるでしょう。
イメージとしては、ふだんお酒を飲む人が「休肝日」などといってアルコールを飲まない日を設け、肝臓をいたわるようなものです。
副腎の重要性について、当サイトではこちらの本を紹介しています。
副腎というのは大切な臓器で、この臓器が疲弊するとロクなことになりません。
- 慢性疲労
- だるさ
- 頭痛
- 肩こり
- 下痢
- 便秘
- アトピー
- 肌荒れ
- 集中力低下
- 生理不順
といった不調を「副腎疲労」が招くといいます。
小麦を食べて全身のあちこちで炎症が起こっている状態は、たとえるなら、街のあちこちで火災が起こっているようなものです。
火を消すために消防が稼働するのとおなじで、我々の体内では副腎が稼働します。
街のいたるところで毎日のように火災が生じていたら、消防隊員は過労で倒れ、火消しが間に合わなくなります。
この「火消しが間に合わなくなった状態」が、小麦を食べ続けている人間の体です。
ゆえに、頭痛や慢性疲労、体の凝りや痛みといった不調が全身のあちこちで生じます。
長生きを望めないのは間違いないでしょう。
まとめ
小麦がなぜ体に悪いのか、副腎疲労はどんな悪影響を及ぼすのか、などの知識を得られる本です。
ただし、もっとも肝心な「小麦のやめ方」が参考になりませんでした。
- 3週間やめよう
- 米粉パンで代用してみよう
- 小麦を食べたら気持ちを切り替えよう
といった方法が載っていますが、いずれも小麦に含まれる中毒物質「グルテオモルフィン」の前では無力なのではないでしょうか。
- 化粧
- 入浴剤
- 夜更かし
- 冷たい飲み物
これらの習慣や使用を3週間やめるのとは、小麦はワケが違います。
なぜなら小麦には、冷たい飲み物とちがい、中毒性(依存性)があるからです。
肌の調子を整えるために化粧を3週間ガマンするのと、副腎を休ませるために小麦を3週間ガマンするのは、別次元の話です。
もちろん、本書を読んで小麦の恐ろしさを理解し、脱小麦にチャレンジしてみる価値はあるでしょう。
ただし、脱小麦が成功するかどうかは、読者の意志力や小麦中毒の度合いに依ります。
本書を読んだからといって、生活から小麦をスッパリ絶てる保証はありません。
以上、本間良子著『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』の要約と感想でした。
結論。小麦(グルテン)がなぜ体に悪いか。副腎がどれだけ重要な臓器かが学べる。脱小麦のアドバイスも載っているが、中毒性を持つ小麦にたいして、万人に有効かどうかはわからない。
グルテンフリー(脱小麦)に関して、当サイトではこんな本も紹介しています。
小麦に含まれる「グルテン」だけでなく、野菜に含まれている「レクチン」の危険性も説いているのが本書の特徴です。
小麦の不健康さについて、当サイトではこんな本も紹介しています。
これらの書籍からいえるのは、小麦は相当悪いヤツだ、ということです。