2021年に入ってから、高級車メルセデス・ベンツの内装があらぬ方向へ行ってしまい、迷子になっています。
iPadのようなタブレット端末2枚を運転席に立て掛けて「出来上がり」の、まるでカップ麺みたいなインスタント・インテリアに成り下がってしまいました。
新型となってデビューしたSクラスやCクラスの内装には、高級感も、優雅さも、深みも、それから見る影もありません。
あるのは、今にもずり落ちそうな2枚の液晶パネルだけです。
もちろん、運転席に据えつけられた液晶パネルは、なんの自慢にもなりません。
たとえるなら、童貞が自慢にならないのとおなじです。
この記事では、
- アナログアレルギー?
- テスラに影響された?
- 今のインテリアが長続きしない理由
など、「メルセデス・ベンツの内装」について、どこがどうダサいのかわかりやすく解説します。
"あのベンツがやってるんだから間違いない"と盲信しないよう、ぜひ参考にしてみてください。
メルセデス・ベンツの内装がダサい
世にも殺風景な"タブレット立て掛けインテリア"を最初に発明したのは、メルセデス・ベンツではなく、アメリカのテスラ社です。
閉鎖的だった自動車業界にEVで革命を起こしたテスラは、そのインテリアも固定観念にとらわれていませんでした。
車内からスイッチ類をとことん排し、スピードメーターや諸々の情報をすべて、液晶画面に集約します。
このあまりに殺風景で、あまりに既存の自動車からかけ離れていたインテリアデザインには、
- 家電みたい
- 違和感だらけ
- クルマじゃない
- 計器類はアナログでなくちゃ
などの否定的な声が少なくありませんでした。
テスラはまさに異端だったのです。
ところが今、自動車業界をリードし続けてきたメルセデス・ベンツが、自ら育ててきた従来のクルマを離れ、異端デザインへとグイグイ近づいています。
たとえるなら、高級寿司屋がコーン軍艦やらハンバーグ寿司やらを恥も外聞もなく提供し始めるようなもので、見ていられません。
アナログ計器類は有害物質なのか
メルセデス・ベンツの方向転換には、従来のオーナーもさぞがっかりしたことでしょう。
「ベンツにそれは求めてない。それはテスラの仕事だ。計器類をアナログでデザイン・配置してきた知識の蓄積をなぜ捨てる? どうしてパソコンメーカーのマネ事をおっ始めるんだ?」
そう戸惑い、憤慨し、落胆した少なくないオーナーは、メルセデス・ベンツから去っていくに違いありません。
たとえば、食品に含まれている無機ヒ素、それからタバコの煙などは人体に害を及ぼす有害物質です。
できる限り避けたほうが良いでしょう。
それにたいしてアナログのスイッチやメーター類は、われわれに害を及ぼしたりしません。
アナログのスピードメーターばかり見ていると視力が低下する、なんて被害はないのです。
にもかかわらず、なぜ魔女狩りのように、躍起になってインテリアの"アナログ狩り"を断行しているのでしょう。
いわゆる"中二病"に罹患している
もしかしてメルセデスは、「何でもかんでもデジタル化するのが最先端でスマートでお洒落だ」と認識しているのでしょうか。
そうだとしたら、「ファッションは赤と黒の組み合わせが一番カッコいい」と思い込んでいる男子中学生と大差ありません。
したがって、ベンツの現状に見出しをつけるとしたら、「メルセデス中二病に罹患」といったところです。
男子中学生が高校へ進学してハッとするように、ベンツもきっと"タブレット端末2枚接着インテリア"のお粗末さに気づき、消し去りたい過去として、現在のSクラスやCクラスを恥じる日がやってくるでしょう。
ところで、腕時計はお好きですか?
1本3,000万円以上する高級腕時計は今も決まってアナログで、デジタル腕時計は、ほとんどチープな玩具も同然です。
価値に差が生じるのは、本物であるアナログと違い、デジタルは実体のない偽物(映像)だからです。
目の前の札束(アナログ)には価値がありますが、YouTubeの動画に映る100万円(映像)にはなんの価値もありません。
高級腕時計の常識であるアナログとデジタルの序列、ヒエラルキーは、そのまま自動車のメーター類にもいえるはずです。
どういうわけかメルセデス・ベンツはスマートウォッチにひた走っていますが、世の中には、機械式腕時計の愛好家が少なくありません。
機械式腕時計を好むカネ持ち(カネ持ちはベンツの顧客層)が、ほんとうに無機質な"タブレット立て掛けインテリア"を好むのでしょうか。
まとめ
物事を変えるとき、気合が入るせいなのか、私たちは大抵やり過ぎます。
たとえば、自分で前髪をカットすれば短く切り過ぎます。
シャワーの温度を下げようとすれば冷たくし過ぎ、朝の時間を有効活用しようと思えば早起きし過ぎます。
よほどの賢者でない限り、中庸へたどり着くまでに右へ左へと大きく振れます。
これはトヨタのハイブリッドカーも例外ではありません。
モーター走行時、静か過ぎて歩行者が気づかず危ない(やり過ぎた)ということで、プリウスから人工的な音を出すよう変えています。
ロールス・ロイス ゴーストは、この上ない静粛性を求めた結果「車内が静かすぎて気味悪い」ということで、あえて室内へエンジン音を取りこむよう設計変更しています。
このように"うっかりやり過ぎてしまう"私たちの性質を考えれば、現状のデジタル一辺倒のメルセデス・ベンツはやり過ぎであり、いずれアナログへ回帰することは明白でしょう。
つまり、あえて内装がダサい時期ベンツを買うことはない、ということです。
メルセデスの中学卒業を待ちましょう。
画像は、上がメルセデス、下がBMWの2021年モデルの内装です。
どちらも液晶画面を使ったデジタルメーターおよびセンターディスプレイですが、デザインとして違和感のない(溶け込んでいる)BMWにたいして、ベンツのそれは立て掛けてあるだけ、美しさがありません。
何より、"タブレット端末"の裏側とダッシュボードの間にホコリが溜まるのは疑いようがなく、掃除はしにくく、不潔です。
以上、メルセデス・ベンツのダサい内装についてでした。
【結論】タブレット接着インテリアは、新たに参入してきた(ロクにノウハウを持たない)メーカーの自動車みたいでかっこ悪い。威厳も貫禄もなく、こだわりも感じられない。早い話が手抜き。2015〜2020年あたりのSクラスの内装(長方形のディスプレイ)もダサかったが、2021年以降のSクラスおよびCクラスに採用されている"デュアル立て掛けタブレット"は、まるで20世紀のSF映画に出てくるショボい近未来カーのソレ。
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