ダイハツの軽自動車ミラ トコットは、2018年6月に販売をスタートしています。
発売してからそれなりの月日が経っているにもかかわらず、街中でミラ トコットを見かけることはほとんどありません。
まるで輸入車なのかと思ってしまうくらいレアな存在です。
では、どうしてトコットとすれ違わないのでしょうか。
理由はシンプルで、トコットがさほど売れていないからです。
事実、新車登録/販売台数ランキングの軽自動車カテゴリー(よく雑誌に掲載されている)で、トコットは上位15番にも入っていません。
ランキングの上位にいるのは、N-BOXやスペーシア、ムーブといった「街中でよく見かける軽自動車たち」です。
人気がないからトコットとすれ違わないのはわかったとして、ではそもそも、どうしてトコットは売れていないのでしょうか?
この記事では、
- トコットはノンターボ
- トコットの顔は不気味
など、「ミラ トコットを見かけない理由」をわかりやすく解説します。
不人気の理由を探るため、ぜひ参考にしてみてください。
街中でトコットを見かけない2つの理由
トコットはべつに、コペンのように2人しか乗れない"趣味車"ではありませんし、フェラーリのように3千万円近くする超高級車でもありません。
いたってふつうの軽自動車です。
だからもっと売れても良さそうなものですが、 街中でほとんど見かけないあたり、人気がないことが伺えます。
すでにお伝えした通り、トコットを見かけない理由は、トコットが売れていないからです。
たとえるなら、アディダスのジャージを着ている人はチラホラいても、ルコックスポルティフのジャージを着ている人はほとんどいないのとおなじです。
売れていないければ、それだけ遭遇率が下がるのは当然の結果でしょう。
トコットがユーザーの支持を集められていない原因は、
- ターボエンジンの設定がない
- フロントマスクが不気味
この2点にあります。
一言でいえば「トコットは走りもデザインもイマイチだ」ということです。
具体的に誰々がそう思っている、といった話ではなく、マーケット全体がミラ トコットをやんわり拒否しているのです。
1. NAエンジンのみ
たいていの軽自動車には、
- NAエンジン
- ターボエンジン
それぞれの搭載モデルが用意されていて、ユーザーが好きなほうを選べるようになっています。
ところが、ミラ トコットにターボエンジンの設定はありません。
味噌ラーメンしか出さない頑固なラーメン屋のように、トコットは、自然吸気(NA)エンジン仕様のみの販売です。
NAエンジンのメリットは、部品が少ないぶん、ターボよりも価格を抑えられる点にあります。
たとえばダイハツのタントを見てみると、
- タントX:149万円
- タントX ターボ:164万円
このように「ターボエンジンかどうか」で15万円の価格差が生じています。
NAエンジンはリーズナブルですが、ターボにくらべてパワーが劣ります。
近ごろは軽自動車でもターボ車両が増えていて、ターボを指名買いするユーザーも多いので、トコットにターボの設定がないのは「欠点」だといえるでしょう。
たとえるなら、天ぷらそばがメニューにない蕎麦屋みたいなものです。
揚げ物はなし、「ざるそば」だけで勝負をかけたとして、天ぷらそばを提供しているライバル点と競うのは難しいでしょう。
「天ざるが無いなら他の蕎麦屋にしよう」と考える客がいるように、「ターボがないならトコットはやめて他の軽自動車にしよう」と心移りするユーザーがいても不思議ではありません。
ちなみに、街中でよく見かける軽自動車、
- ダイハツ タント/タントカスタム
- ホンダ N-BOX/N-BOXカスタム
- 日産 デイズ
- スズキ ハスラー
これらには、すべてラインナップに「ターボ仕様」があります。
スマートフォンを買うとき「なるべくストレージ容量が大きいモデル」を選びたくなるように、軽自動車を買うときにも、「なるべくパワーがあるモデル」を買いたくなるのが人の心でしょう。
そのほうが余裕があり、安心できるからです。
事実、世の中には、NAエンジンのN-BOXを買って、「非力でイヤだ」とすぐ手放し、おなじN-BOXの、今度はターボ仕様を買い直す人もいるくらいです。
後悔しないよう最初からターボを選ぶユーザーも大勢いるはずで、こうしたお客にとって、ノンターボのトコットは眼中にありません。
なるほど、街中でトコットとすれ違わないわけです。
2. 不気味なフロントマスク
2018年6月に登場したミラ トコットは、同年3月に販売を終了したミラ ココアの、実質的な後継車です。
ところが、「かわいさ」全面に押し出していたミラ ココアのデザインと違い、ミラ トコットは「カワイイ」から距離を置きました。
「女子ってこんなデザインが好きでしょ?」という男性目線の提案をやめて、代わりに、若手の女性チームがトコットを企画しています。
結果としてトコットは、かわいくもなければかっこ良くもない、どこか不気味なデザインに仕上がってしまいました。
まるで瞳孔が開いているかのようなギョロっとしたヘッドライトの"目つき"は、ただならぬ不穏な空気を漂わせています。
トコットのデザインは軽自動車のなかでも異質だといえるでしょう。
オラオラ系の威圧的な顔をした軽自動車に乗りたいユーザーはたいてい、タントカスタムかN-BOXカスタムを選びます。
かわいい顔の軽自動車に乗りたければスズキのラパンを、ゴツゴツとした直線的なデザインが好みなら、スズキのハスラーやジムニー、ダイハツのウェイクやタフトを買います。
ではミラ トコットは、いったいどこの誰が購入するのでしょう?
どこの誰にも刺さらないデザインだからこそ、トコットは売れず、ゆえに街中でも見かけることがほとんどありません。
トコットのヘッドライトはまるで、太陽のように"直視したらまずい"と、あるいは野生のサルのように"目を合わせてはいけない"と、本能的直感的にそう感じさせる不穏なデザインです。
ところで、オカルトや都市伝説の類を信じるタイプですか?
外国で、聴いた人が次々と自殺してしまったことから放送が禁止された『暗い日曜日』という洋楽があるのをご存知でしょうか。
"聴いてはいけない"だとか、"検索してはいけない"だとかいわれている、曰く付きの曲です。
これとおなじように、トコットの顔は、見ている私たちの心を不安で頼りないものにさせます。
気味が悪く、生理的に受けつけないデザインだ、ということです。
誰も呪いのCDを買わないように、誰も、好き好んで不気味顔のトコットを買ったりしません。
だから、街中でほとんど見かけません。
まとめ
トコットを見かけない理由は、さほど売れていないからです。
ルコックのジャージを着ている人が滅多にいないのとおなじです。
トコットが売れていない原因は、
- ターボ車両がない
- デザインが微妙
このあたりにあると考えて良いでしょう。
詳細はそれぞれお伝えした通りです。
もちろん世の中には、「持ち物が人と被るのは嫌だ」という"ユニクロやGUの服を嫌うタイプ"の消費者もいるので、個性的でありたいユーザーにとって、街中で見かけないトコットはむしろ好都合だったりします。
売れていないことが、必ずしも悪いわけではない、ということです。
ダイハツにとっては悩ましい問題でしょうが、消費者にとっては、"輸入車並みに人と被らないクルマ"に低予算で乗れるわけでラッキーです。
以上、街中でミラ トコットを見かけない理由2選でした。
【結論】スペックもデザインもイマイチ。だから売れない。売れないから見かけない。単純なカラクリ。
トコットの動力性能に関して、当サイトにはこんな記事があります。
車のカタログの入手方法について、当サイトにはこんな記事があります。