2021年に登場した新型GR86/BRZは、
- 6速マニュアル
- 6速オートマ
2種類のトランスミッションから好きなほうが選べるようになっています。
スポーツカーゆえにMTが人気ですが、なかにはATの購入を考えている人もいるでしょう。
数は多くないものの、実際にATのGR86/BRZを注文するオーナーもいます。
では、これからGR86あるいはBRZのオートマをオーダーしたとして、何か困ることはあるのでしょうか。
「マニュアルにしておけば……」と後悔するとしたら、何が原因となるのでしょう。
この記事では、
- 購入価格と売却価格で損
- ドライビングを楽しむならMT?
など、「新型GR86/BRZでATを選んで後悔するリスク」をわかりやすく解説します。
トランスミッション選びで後悔しないよう、ぜひ参考にしてみてください。
新型GR86/BRZでATを選んで後悔する3つのリスク
新型GR86/BRZは、多くのユーザーがマニュアルで乗ることを前提に作られています。
その証拠に、マニュアルとオートマでは車両価格が16万円ほど異なっています。
GR86/BRZともに安いのはMTです。
「値段が高くてもATが良いんだ」
そう考える方もいるでしょう。
あるいは、運転免許証がAT限定、というパターンもあります。
いずれにせよ気をつけたいのは、
- 金銭的損失
- 周りの反応
- 運転の楽しさ
これら3つの「やっぱりATが嫌になっちゃう要素」です。
1つずつ順番にチェックして、ほんとうにATをオーダーしても大丈夫なのかどうかを考えていきましょう。
ちなみに、MTとATで最高出力や最大トルクに差はありません。
先代の86/BRZは、2016年に登場した後期型に限り、ATよりもMTのほうが7馬力上でした。
が、新型GR86/BRZは平等です。
1. 金銭的損失に後悔
まず、オートマを選ぶ金銭的なデメリットから見ていきます。
GR86/BRZともに、リーズナブルなのはMTのほうで、ATを選ぶといくらか余分にお金を払うことになります。
それも5千円や1万円といった額ではなく、
- GR86のAT:プラス16万3千円
- BRZのAT:プラス16万5千円
このように"高級ソファや大型テレビ"が買えるくらいの金額を多く払うわけです。
ただし、BRZのATにはアイサイト(運転支援システム)が標準装備されるけどMTにはない、といった事情もあるため、16万円という価格差は、トランスミッションだけで生じるものではありません。
つまり、もともと高いATに運転支援機構が加わってさらに高くなっている、ということです。
スポーツカーを購入するユーザーは「自分で運転すること」を好むため、運転支援システムのサポートや介入に必要性を感じていないことがほとんどです。
そんなオーナーにとって"使わないし要らないアイサイト"に追加費用を払うのは癪でしょう。
16万円の予算があれば、エアロパーツやレザーシフトノブなどさまざまなオプションを追加できるため、これをトランスミッションに費やすことに抵抗を覚えるかもしれません。
「MTだったらアレもコレもつけれるのに……」という具合です。
金銭的なデメリットは購入時だけでなく、クルマを手放すとき、売却時にも発生します。
なぜなら、中古車として価値が高いのは「MTのGR86、MTのBRZ」だからです。
これはちょうど赤いフェラーリほど人気があるようなもので、
- Ferrariのボディカラーは赤
- スポーツカーのトランスミッションはMT
といった強いこだわりが存在しているからです。
ですので、5年後、10年後にATのGR86/BRZを中古車買取店へ持って行ったとき、査定したスタッフから「MTならもっと高かったんですけどね。ATだと、どうしてもね……」と"足元を見られる"こと必須です。
このようにスポーツカーのATは、
- 買うときに高い
- 売るときに安い
という損なトランスミッションですので、この理不尽さが後悔へつながる恐れがあります。
後悔とはいわないまでも、少なからず残念な気持ちにはなることでしょう。
「みんな揃ってマニュアル、マニュアルってなんだよ!」ってなもんです。
2. 周りの反応で後悔
これまでにスポーツカーを所有したことはありますか?
少しでも車に興味がある人は、スポーツカーのオーナーをつかまえて「マニュアルかどうか」を確認したがります。
- MTの場合:だよね、さすが!
- ATの場合:え、スポーツカーなのに?
たいていこんな反応を示します。
つまり、
- MTかATか質問される
- ATだとガッカリされる
こういう厄介なことになる、ということです。
1人だけならともかく、会う人会う人に「なんでマニュアルにしなかったの?」と聞かれては、なんだか悪いことをしたみたいで、それに説明するのも面倒で、だんだん鬱陶しくなってきます。
というのも、世間には「スポーツカーはマニュアルで乗るものだ」という偏見が存在するからです。
- MT:運転が上手
- AT:運転が下手
こんなふうに、ATのスポーツカーをまるで"補助輪つきの自転車"のように見下す人もいます。
もちろんそんな決まりはなく、「目玉焼きには醤油だ」という主張と大して変わらないのですが、それでも「オートマかよ」と小馬鹿にされたら良い気はしないでしょう。
この点に関しては「周りの意見を気にしないタイプかどうか」がポイントだといえます。
- ATなんてダサい
- ATじゃ運転がつまらない
- ATにするなんてもったいない
- ATじゃスポーツカー好きとは言えない
こうした"外野の騒音"に気持ちが揺らいでしまうとしたら、オートマの選択を後悔するかもしれません。
顔の整形とおなじで、重要なのは、周りの意見を気にしないことです。
もし新型GR86/BRZのオートマを選ぶのであれば、自ら下した決定に自信を持ちましょう。
誰がなんと言おうと、クルマを運転するのは私たち自身です。
私たちの代わりにクラッチ操作をしてくれる人も、2速から3速へ入れてくれる人もいません。
つまり、他人にはなんの関係もない、ということです。
「スポーツカーはMTだ」と先入観に囚われ、見栄やプライドが邪魔をし、ほんとうは苦手なマニュアル車を買って後悔するオーナーもいます。
「シフト操作ダルい……やっぱりATにしておけば良かった……」という具合です。
MT/ATどちらを選ぶにせよ、自分が心から納得していれば問題ありません。
3. 運転の楽しさで後悔
ところで、スポーツカー好きがATではなくMTを支持する理由とはなんでしょう。
それは、運転が楽しいからです。
「1トン近い鉄の塊を動かしている感覚」はマニュアルのほうが強く、これがそのまま運転の喜びに直結します。
たとえば、MT車でシフトアップ、シフトダウンする際には、エンジンの回転数をうまく合わせてやる必要があります。
シフトチェンジがスッと決まると嬉しかったり、ギクシャクすると「もっと練習して上達しよう」と向上心が芽生えたりします。
この「成長が実感できるところ」もマニュアル車が持つ楽しい要素だといえるでしょう。
ゲームのキャラクターが着実にレベルアップしていくような、そんな感覚を味わえます。
オートマ車はプログラムに沿って自動でシフトチェンジを行うので、私たちドライバーが介入する余地はありません。
最初からパーフェクトな変速ゆえ、われわれが成長することはないのです。
そんな「テクニックを磨いた者だけが味わえる意のままに操れる感覚」がMT車の魅力だといえます。
ところで、運転免許はAT限定ですか?
それとも制限がないMTも運転できる免許ですか?
後悔しやすいのは、AT限定のドライバーです。
なぜなら、マニュアル車を運転したことがないからです。
オートマの新型GR86/BRZが納車され、周囲から「スポーツカーはマニュアルのほうが楽しいよ」と吹き込まれているうちに、だんだんMTに興味を持つことも考えられます。
教習所に通えば「限定解除」してMTも運転できるようになるので、MTも経験してからトランスミッションを選んでも遅くはないでしょう。
限定解除にかかる費用は5万円前後で、GR86/BRZでATを選んだときの差額16万円以内で済みます。
- 普通免許を限定解除する
- 新型GR86/BRZのMTを買う
こっちのほうが安い、ということです。
それにたいし、マニュアル車の運転経験(MT車を所有していたなど)があって今回ATを選ぶのであれば、それなりの理由があるはずなので、後悔することはないでしょう。
もしマニュアル車の運転が「後にも先にも教習所のクルマだけ」だとしたら、MTのレンタカーを借りることをおすすめします。
久しぶりに(隣に教官なしで)運転してみると、案外楽しめるかもしれません。
近くでMTのレンタカーが見つからなければ、トヨタやスバルのディーラーへ行き、新型GR86/BRZの試乗車を運転させてもらいましょう。
試乗車はたいていマニュアル車です。
ちなみに、MT/ATどちらの試乗車が置いてあるかはWebサイトで確認できます。
マニュアルの運転経験がある上でオートマを選ぶのと、マニュアルを知らずにオートマを選ぶのは、雲泥の差です。
後者はまるで「1回も映画館へ行ったことがなく自宅のテレビでレンタルDVDを見ている」ようなものです。
まとめ
マニュアルとオートマに優劣はありません。
ATを選んで後悔する人もいれば、反対に、MTを選んで後悔する人もいます。
もし新型GR86/BRZのATをオーダーして後悔するとしたら、
- 金銭的損失
- 周りの反応
- 運転の楽しさ
このあたりが要因となるでしょう。
ATを買って後悔するリスクが低いのは、
- カネは問題じゃない
- 周りの声は気にならない
- マニュアルは好きじゃない
こんなユーザーです。
「自分がまさにそうだ」という人は、GR86/BRZのオートマを注文しても問題ないのではないでしょうか。
購入前にディーラーで試乗するはずなので、ひとまず、ATとMT両方を運転してみてください。
試乗車の情報はトヨタやスバルのWebサイトで確認できます。
ATがある店舗、MTがある店舗をそれぞれ訪れて、違いを確かめてみてください。
300万円オーバーの高い買い物です、遠慮や妥協は要りません。
GR86の購入を考えているとしても、初めから限定せず、BRZを試乗してみるのも良いでしょう。
それぞれ走りのセッティングが異なっています。
どちらの運転感覚が気に入るかは、乗ってみなければわかりません。
たとえば、
- GR86のMTに試乗
- BRZのMTに試乗
- GR86のATに試乗
こんな感じです。
クルマの下取り・売却で損をしないためのポイント
クルマの下取りや売却で損をしないために大切なのは、一社ではなく、複数の買取業者に査定してもらうことです。
実際、私がコペンローブを売却した際には、業者によって査定額に31万円の差がありました。
想定を超える査定額が出たら、
- グレードを上げる
- 高価なオプションを付ける
など、つぎのクルマ選びで贅沢ができるかもしれません。
査定=売却確定ではないので、気軽に愛車の価値をチェックしてみてはいかがでしょう。
一括査定:電話ラッシュを避けるには?
クルマを1万円でも高く売るなら一括査定がおすすめです。
たとえるなら、複数の企業から内定をもらい、条件が良いところに就職を決めるようなものだとお考えください。
比較して選べることに価値があります(安く買い叩かれずに済む)。
「一括査定はたくさん電話がかかってくるのでは?」
と不安な方がいるかもしれません。
たしかに一括査定に営業電話はつきものですが、イカプラは違います。
複数の買取店とのやり取りをイカプラが行うため、われわれは最高額を出した一社とだけ連絡を取ればOKです。
一括査定にありがりな"電話ラッシュ"とは無縁です。
- 煩わしい電話対応ナシ
- 比較して最高額で売却
ぜひ一括査定のいいとこ取りをしてみてください。
イカプラの無料一括査定はこちらです。
カーネクスト:現車確認ナシ
なかには、
「一括査定ではなく、気になる買取業社の査定額だけが知りたい」
という方がいるかもしれません。
カーネクストなら、来店不要、電話1本で契約まで行えます。
店舗へクルマを持ち込む必要はなく、実車査定のスタッフが自宅までやってくることもありません(本当に電話だけで完結する。申告と大きな相違がなければ減額ナシ)。
査定コストをカットして買取額に上乗せする、それがカーネクストの特徴です。
売却に手間や時間をかけたくない方におすすめです。
ちなみにカーネクストは、
- 10年以上前の車
- 走行距離が10万kmを超えた車
こうしたクルマも歓迎しています。
事故車や廃車にも強いカーネクストへの査定依頼はこちらです。
ガリバー:最短35秒カンタン入力
ガリバー無料査定の特徴は、
- 車種
- 年式
- 走行距離
など、カンタンな情報を入力するだけで買取金額の概算を知れる点にあります。
今後ほかの買取業社に査定してもらう際、「ガリバーの提示金額はこれですが……」と交渉材料に使うこともできます(手ぶらで挑むより交渉しやすい)。
愛車の買取相場を押さえておきたい方におすすめです。
ガリバーの査定額に興味がある方はこちらです。
- 一括査定のイカプラ
- 手軽に売却できるカーネクスト
- カンタン入力のガリバー
ぜひご自身に合ったサービスを選んでみてください。
迷ったら一括査定を選んでおけば間違いありません。
以上、新型GR86/BRZでATを選んで後悔するリスクでした。
【結論】購入時の高さ。売却時の安さ。周りの冷たい反応。突如芽生えるマニュアルへの憧れ。このあたりに要注意。「マニュアル車は苦手。不器用だし慣れないし緊張する。オートマのほうが気楽に乗れて好き」こんなドライバーはきっとATで大満足できる。AT限定免許なら、限定解除を考えてみては。
新型のトヨタGR86/スバルBRZに興味を持つユーザーに、Amazonでこちらのムック本が売れています。
もし紙媒体が売り切れている場合、Kindle版(電子書籍)もご購入いただけます。
新型GR86/BRZのMT車に搭載されているヒルスタートアシストコントロールについて、当サイトにはこんな記事があります。
新型GR86/BRZのリアシートに関して、当サイトにはこんな記事があります。
新型GR86/BRZのナビ・オーディオ事情について、当サイトにはこんな記事があります。
新型GR86/BRZの燃費と維持費に関して、当サイトにはこんな記事があります。
新型GR86/BRZの走行性能について、当サイトにはこんな記事があります。