フィアット500チンクエチェントは4人乗りの普通車です。
一般的なコンパクトカー、たとえば、
- 日産 ノート
- ホンダ フィット
- トヨタ ヤリス、アクア
- スズキ スイフト
- マツダ MAZDA2
これらは5人乗りですが、フィアット500の後部座席には2人しか座れません。
したがって、もし5人で車に乗って移動するシチュエーションがあるなら、フィアット500では「足りていない」といえるでしょう。
もちろん、
「いや、フィアット500に5人も乗せる予定はない。だから乗車定員は4人でも大丈夫」
という方もいるはずです。
では、フィアット500のリアシートはどれくらい実用的なのでしょうか。
背もたれのリクライニングは可能なのでしょうか、後席に大人が座っても窮屈ではないのでしょうか。
この記事では、
- 後席にリクライニング機能はない
- ロングドライブには適さない
など、「フィアット500の後部座席」についてわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
フィアット500の後部座席
フィアット500は2列シートを持つ乗車定員4名のコンパクトカーですが、このクルマで快適に移動できるのは、実質2人までです。
3人以上の乗車は厳しいかもしれません。
どうしてかというと、
- 後席の頭上スペースは狭いから
- 後席の足元スペースは狭いから
- 後席にはリクライニング機能がないから
- 3ドアで乗降性が悪いから
フィアット500のリアシートにはこのような特徴があるからです。
フィアット500は見た目のキュートさを売りにしており、車内の広さや使い勝手の良さは二の次になっているといえるでしょう。
もし後部座席の実用性を重視するなら、国産コンパクトカーないし軽自動車を買ったほうが満足できます。
後席にリクライニング機能はない
フィアット500の後部座席にリクライニング機能はついていません。
したがって、私たちが背もたれを倒したり起こしたりすることはできず、角度は常に一定です。
では、リクライニング機能がなくて困るシチュエーションとはいったいどんなものでしょう。
たとえば、
- 乗員が疲れたとき
- 乗員が眠たくなったとき
- 乗員が体調を崩したとき
- 乗員が車に酔ったとき
こんなとき、背もたれのリクライニング機能が重宝します。
がしかし、お伝えしたとおりフィアット500の後部座席にはリクライニング機能がないため、もし後ろの席に座る乗員が「横になって休みたい」と訴えてきたとしても、座ったまま我慢してもらうしかありません。
3〜4人で車に乗って旅行に出かけたり、近隣の県までロングドライブに出かけたりする機会が多いなら、フィアット500ではない自動車を検討したほうが良いでしょう。
後席に座る乗員(家族など)のために、です。
後席のスペースは広くない
ルイヴィトンやGUCCIのバッグは、実用性よりも見た目の美しさを重視しています。
ですので、使い勝手の良さではOUTDOORのバッグに劣ります。
もちろん、高級ブランドのバッグを買う人は「使い勝手や収納力」を第一に考えたりはしないでしょう。
フィアット500も似たようなものです。
事実、公式ウェブサイトでもアピールしているとおりフィアット500は「デザインと走り」にこだわっている車であり、すなわちデザインや走りに惹かれたユーザーが買う車です。
だから、後部座席のスペースが狭いのは仕方ありません。
フィアット500のルーフはなだらかに傾斜しており、そのぶん後席の頭上スペースが犠牲になっています。
つまりフィアット500は、居住性を犠牲にしてでもデザイン性を優先している、ということです。
同様に、後席は足元のスペースもさほど広くありません。
むしろ「狭い」といって良いでしょう。
身長170cm程度の大人が座れないことはありませんが、近所を移動するのがせいぜいです。
フィアット500の後部座席に大人を乗せてロングドライブに出かけるのは無理があるでしょう。
もしそれでもフィアットにこだわるとしたら、500ではなくフィアット500X(SUV・乗車定員5名)を検討することをおすすめします。
後席に限らず、クルマそのものがフィアット500より大きくて広い作りになっているため、余裕をもって乗車できます。
3ドアだから乗降性が悪い
フィアット500の後部座席が使いにくい理由は、
- リクライニング不可
- 頭上と足元の空間が狭い
これだけではありません。
そもそも、後部座席に乗り込むまでに一苦労します。
どうしてかというと、フィアット500は3ドアの自動車だからです。
つまり、後席用のドアがありません。
したがってフィアット500のリアシートに座るためには、まず左右いずれかのドアを開け、前席の背もたれを前に倒し、シートを前へスライドさせ、空間を作ってから乗りこむ必要があります。
もちろん、目的地に着いてクルマから降りるときも同様です。
このような仕様からも、「フィアット500がおもに1〜2人で使われると想定している」ことが伺えます。
つまり、ファミリーカーとしての使用には適さない、ということです。
事実、たいていのフィアット500オーナーはこのクルマに1人ないし2人で乗ることがほとんどで、後部座席は「荷物置き場」として利用しています。
フィアット500には4名まで乗車できますが、後部座席は"高速バスの補助席"のように考え、年に数回だけやむを得ない状況のときに使うのが良いのではないでしょうか。
後席にも人を乗せたいユーザーは、フィアット500Xを買うのが正解です。
まとめ
フィアット500は4人乗りのコンパクトカーで、後部座席には2人まで乗車できます。
ちなみに、後席にチャイルドシートを取り付けることも可能です(留め具がある)。
ただし、
- リクライニング不可
- 頭上と足元のスペースが狭い
- 乗降性が悪い3ドア
このような点から、フィアット500の後席は「いざというときに例外的に使う」くらいがちょうど良いといえるでしょう。
もしリアシートに人を乗せる機会が多いなら、ホンダのフィットやN-BOXを買ったほうが無難です。
というのも、そのほうが後ろの席に座る乗員が快適に過ごせるからです。
「そうかもしれないけど、やっぱりデザインはフィアット500がダントツで好きだから……」
このように、フィアット500を諦めきれない方もいるでしょう。
そこでひとまず、FIATのディーラーを訪れて、フィアット500の展示車に実際に乗り込んでみてください。
いざ体験してみたら「案外悪くないかも」と前向きに考えられるかもしれません。
もちろんフィアット500の試乗車を運転することもできますし、SUVタイプのフィアット500Xがディーラーにあれば、室内空間や走りをくらべることもできます。
「どんな広さかな……」と想像するだけではこれ以上先に話が進まないため、ぜひディーラーで実車をご確認ください。
百聞は一見に如かず、というやつです。
もしフィアット500の試乗を希望する場合には、あらかじめFIATのウェブサイトから試乗予約を入れておきましょう。
当日スムーズに対応してもらえます。
ちょうど、事前に歯医者や美容院の予約を取るようなものです。
以上、フィアット500チンクエチェントの後部座席についてでした。
【結論】ファミリーユースには向かない。頭上と足元のスペースがタイトで、リクライニング機能は無く、おまけに3ドアで乗降性が悪いから。ただし感じ方は人それぞれなので、ディーラーを訪れて、自らの感覚で展示車や試乗車をチェックするのがおすすめ。
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もし紙媒体が売り切れている場合、Kindle版(電子書籍)もご購入いただけます。
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玄関やリビングにインテリアとして飾ってはいかがでしょう。
フィアット500の燃費と維持費に関して、当サイトにはこんな記事があります。
フィアット500の故障リスクについて、当サイトにはこんな記事があります。