電気自動車のフィアット500eは、サブスクリプションおよびカーリースのみの販売となっています。
- リース:賃貸
- サブスクリプション:月額課金
つまり、クルマを買うのではなく「借りる」ということです。
「気に入ったクルマに長く乗りたい」
という方がいるかもしれませんが、フィアット500eを購入して自分のものにすることはできません。
契約期間の5年が経ったら、FIATへ返却しなければならないのです。
では、サブスクおよびリースと購入は何が違うのでしょうか?
もし契約期間中にフィアット500eが不要になったら、5年を待たずに解約することは可能なのでしょうか。
この記事では、
- サブスクとリースのデメリット
- 中途解約には違約金がかかる
- 月間走行距離が決まっている
- ボーナス支払いありが前提
- 借り物なので改造できない
など、「フィアット500eのサブスクとリース」についてわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
フィアット500eはサブスクとリースのみ
フィアット500eを「買う」ことはできません。
私たちにできるのは、FIATから「借りる」ことだけです。
イメージとしては、大家からアパートを借りて住むようなものです。
自分の所有物ではないため、
- 契約期間の縛り
- 走行距離の縛り
- 原状回復という縛り
など、フィアット500eの利用には何かと不自由な点があります。
「サブスクとリースは何が違うの?」
そう疑問に思っている方もいるでしょう。
フィアット500eを借りる点はどちらもおなじです。
両者のもっとも大きな違いは、任意自動車保険の料金が含まれているかどうかです。
- サブスク:任意自動車保険込み
- リース:任意自動車保険なし
ご覧のとおりで、「任意自動車保険の等級が進んでいる方」にたいしてFIATはリースを推奨しています。
では、ローンを組んで購入する「一般的なクルマの買い方」と、サブスクおよびカーリースの違いを見ていきましょう。
1. 契約期間は5年
フィアット500eの契約期間は5年です。
サブスクリプション、カーリースどちらを選択しても変わりません。
ガソリン車のフィアット500や500Xなら3年間の契約も選べますが、電気自動車の500eは5年のみとなっています。
「長いぶんには良いのでは?」
と思うかもしれませんが、問題は、中途解約にたいして違約金が発生する点です。
- 飽きた
- 支払いが難しくなった
- クルマが必要なくなった
- 充電時間の長さが嫌になった
- ガソリン車に乗りたくなった
- もっと欲しい車が見つかった
5年の間にどのような事情が生じたとしても、原則として解約はできません。
たとえるなら、何があっても5年間は別れられない恋人のようなもので、不自由だといえます。
5年契約の途中でフィアット500eを解約するには「違約金」を払う必要があります(解約できるのはサブスクのみ。リースは不可)。
たとえば、サブスク開始から6ヶ月後の末日まで(つまり半年以内)に解約したくなった場合、毎月のリース料12ヶ月分が追加金として請求されます。
月々6万円を払っているなら、72万円が違約金となります。
自分のクルマを手放すときには買取額が入ってくるのが普通ですが、サブスクやリースの場合には、むしろお金が出ていきます(中途解約の場合には)。
したがって、フィアット500eに乗るなら「5年間乗り続ける覚悟」が必要です。
ただし、どんなに気に入っても5年経ったら返却しなければなりません。
カラオケボックスのように延長はできませんし、車両の買取も不可です。
フィアット500eにベタ惚れしても、途中で嫌になっても、5年間だけのお付き合い……このように期限に縛りがあるのがサブスク/リースの欠点だといえます。
自分が所有するクルマのように、フィアット500eを2年で手放したり、10年以上乗ったりすることはできません。
2. 走行距離の上限
フィアット500eのサブスクおよびリース契約には、走行距離の縛りも存在します。
借り物であって自分のクルマではないので、好き勝手に走り回ることはできません。
FIATのWebサイトには、
- サブスク:年間走行距離10,000km
- リース:月間走行距離1,000km
これらを「予定走行距離」としてリース料を設定していると記載されています。
つまり、オーバーしたら追加費用の請求もあり得る、ということです。
年間走行距離1万kmというのは一般的かつ常識的な数字ですし、EVはロングドライブに向かないため、とくに問題ないでしょう。
ただし、
- 旅行が好き
- 趣味がドライブ
- 通勤距離が長い
このような方は、走行距離の縛りにストレスを感じるかもしれません。
「今月は走り過ぎたから、来月はセーブしなきゃ……」という具合です。
FIATに乗って全国あちこちに出かけたい方は、リースしかない500eではなく、ガソリン車の500(チンクエチェント)を購入したほうが良さそうです。
自分が所有するクルマに「走行距離の上限」は存在しません。
3. ボーナス支払いありが基本
フィアット500eのサブスクおよびリース料は、「ボーナス支払いあり」が基本です。
たとえば500e POP(5年契約)のサブスクの場合、
- ボーナス無し、月々72,800円
- ボーナス55,000円、月々63,800円
- ボーナス110,000円、月々53,900円
これら3つの支払いプランが用意されており、サイトで宣伝しているのは3番目のプラン(夏と冬に毎年11万円ずつ)です。
5万円という月額料金だけ見れば安く思えますが、年に2回そこそこの金額を払わなければなりません。
とはいえ、なかには会社のボーナスに頼れない方もいるでしょう。
自営業だったり、ボーナスがない零細企業に勤めていたり、会社の業績が不安定だったりしたら、ボーナス支払いを設定するのはリスキーです。
あるいは5年の間に転職をして、ボーナス事情が変わるかもしれません。
がしかし、ボーナス無しの支払いプランを選ぶと月々の料金がグッと上がります。
早い話が、サブスクやリースの費用はそれなりに高い、ということです。
そもそもフィアット500eの価格が450万円オーバーと高額ですので、当然といえば当然でしょう。
家計が苦しくなって「払えない……」なんて事態に陥らないようご注意ください。
クルマを手放すショックを味わうだけでなく、同時に違約金まで生じるのがサブスク/リースの恐ろしい点です(泣きっ面に蜂)。
病気やケガもなく無事に働きつづけ、5年間の支払いを全うしたとしましょう。
がしかし、手元には何も残りません。
満期になったらフィアット500eを返却して契約終了です(リースの場合には残価を精算)。
それどころか、ボディの状態(キズなど)によっては追加費用が生じる場合があります。
この先5年間、会社のボーナスは「盤石」だといえそうですか?
それとも、ボーナスなしの高額な月額料金を払いつづける自信がありますか?
まとめ
電気自動車のフィアット500eは購入できず、乗るにはサブスクかリースいずれかを選択しなければなりません。
購入との違いは、縛りがある不自由さです。
というのも、私たちは所有者ではなくクルマを借りている身だからです。
フィアット500eを改造することも、2年で手放すことも、年間3万km走らせることもできません。
売って次のクルマの頭金にすることもできませんし、「中古で安く買う」といったこともできません。
したがって、
- 飽き性
- 長く乗りたい
- 年間2万km以上走る
- 返済能力に不安がある
- 電気自動車を所有したことがない
このような方はフィアット500eのサブスク/リースには向かないといえます。
向かないとは、我慢やストレス、後悔の念が生じる恐れがある、ということです。
フィアット500eに興味がある方は、ぜひFIATのWebサイトで詳細をご確認ください。
- ローンとの違い
- 中途解約したい場合
- ボーナス支払いは必須か
- リース料金以外の費用
- リース料金に含まれる費用
- メンテナンスの内容
など、サブスク/リース契約について詳しく知れます。
500eはちょっとハードルが高いな……と感じたなら、ガソリン車の500チンクエチェントを検討してみてはいかがでしょう。
唯一無二のキュートなルックスはおなじで、パワートレインが異なるだけです。
フィアット500は購入可能ですので、リースやサブスクのような煩わしい縛りはありません。
それとも、あくまでEVにこだわりますか?
以上、フィアット500eのサブスクリプションとカーリースについてでした。
【結論】5年間限定の割り切った付き合い。延長も中途解約もなし(違約金が発生)。年間2万km走ることはできず、ボディに傷がついたら返却時に費用を請求される恐れがある。それもこれも自分の所有物ではなく借り物だから。プランの詳細はFIAT公式サイトでチェック。
フィアット500の購入を後悔するリスクについて、当サイトにはこんな記事があります。