スタジアムでサッカー観戦をするなら、選手がよく見えるように「双眼鏡」があったほうが良いのでしょうか。
双眼鏡を持っていくとして、倍率は何倍のものを選べば良いのでしょうか。
まず、重要なお知らせです。
スタジアムで試合中に双眼鏡を覗いているサポーターは、ほとんどいません。
というのも、双眼鏡で選手やボールの素早い動きを追うのは難しいからです。
たとるなら、ズームにした状態のカメラで試合を撮影しつづけるようなもので、目が疲れるだけです(そんなテレビ中継があったら見にくい。引いたほうが見やすい)。
双眼鏡を握りしめてバードウォッチングのようにサッカー観戦をしたら、客席にいるほかのサポーターから浮くかも知れません。
この記事では、
- 双眼鏡は必要ない?
- 双眼鏡が役立つタイミング
- 倍率は一般的な6〜10倍を推奨
など、「スタジアムでのサッカー観戦に双眼鏡は必要なのか」をわかりやすく解説します。
試合観戦を存分に楽しむため、ぜひ参考にしてみてください。
スタジアムでのサッカー観戦に双眼鏡は必要?
双眼鏡を使って試合を観ているサポーターは、ほとんどいません。
それは日本代表やJリーグの試合中継に映る「観客席のサポーター」を見てもわかるとおりです(双眼鏡を使っている人を見たことがないはず)。
理由は単純で、双眼鏡を使うと観戦しにくいから、です。
オペラや演劇と違って、サッカーの試合は選手やボールの動きが速いため、(肉眼よりも)視野が狭くなる双眼鏡で追うのは一苦労です。
たとえば、ロングパスが出た途端、ボールの行方を見失ってしまうかもしれません。
仕方なく双眼鏡をズラし、肉眼でボールの位置を確認したら、ふたたび双眼鏡でズームにして眺めます。
こんなことを繰りかえすうちに「双眼鏡がないほうが観やすい」と気づくことでしょう。
まるで虫眼鏡を使って本を読むようなもので、途中でジャマになる恐れがあります。
「わかった。じゃあ双眼鏡は要らないんだね?」
と思うかもしれませんが、状況次第では双眼鏡が役立つこともあるため、一概に「不要」だとはいえません。
双眼鏡が必要な人とは?
よほど視力が悪くない限り、サッカーの試合は肉眼で楽しめます。
どの選手がボールを保持していて、誰がパスを受け、誰がシュートを決めたのかがわかる、ということです。
とはいえ、
- 身長
- 体型
- 背番号
- 髪型や髪色
- スパイクの色
などを手がかりに「どの選手がプレーしているか」を判別できるだけであって、選手一人ひとりの表情までは確認できません。
したがって、
- 選手の表情まで見たい
- 憧れの選手を生でじっくり眺めたい
という方は、スタジアムに双眼鏡を持参したほうが良いでしょう。
ただし試合中に双眼鏡を使うのではなく、
- 試合開始前の練習時
- 試合前後の整列時
これらのタイミングでレンズを覗くのがおすすめです。
なぜかというと、試合中にくらべて、練習時や整列時には選手の動きが激しくないからです。
双眼鏡の狭い視野でもじゅうぶん「目当ての選手」を追えることでしょう。
それから、スタジアムの造りや座席位置も重要です。
たとえば、
- サッカー専用スタジアムではない
- かなり後方の席で試合を観戦する
こんな場合には、双眼鏡があっても良いかもしれません。
というのも、選手までの距離が遠く、誰が誰なのか肉眼では把握しにくいからです。
ちなみに「サッカー専用スタジアムではない」というのは、具体的に、「陸上競技場とサッカー場が一体になっているスタジアム」を指します(陸上トラックがあるぶん客席とコートが離れている)。
事実、陸上競技場が併設されたスタジアムで観戦したサポーターからは、
- 遠くて見づらい
- 陸上トラックが邪魔でいらない
といったネガティブな声が上がっています。
どこのスタジアムで試合観戦するのか(サッカー専用か否か)、どのあたりの座席で観戦するのか(かなり後方ではないか)、をあらかじめご確認ください。
もし「遠いかも……」と不安に感じるなら、試合中はともかく、練習時や整列時に「双眼鏡」が役立つかもしれません。
それにたいして双眼鏡が必要ないのは、
- 視力には自信がある
- 選手の表情には興味がない
- フィールドに近い席で観戦できる
- サッカー専用スタジアムで観戦できる
これらに該当する方です。
双眼鏡の倍率は6〜10倍でOK
双眼鏡の倍率は、6〜10倍が一般的です。
「倍率は高いほど良いのでは? たとえば20倍とか……」
と思った方がいるかもしれませんが、タワーマンションの居住階ではないので、高ければ高いほど良い、という単純な話ではありません。
たとえばクルマは馬力が大きいほどパワーがあって楽々走れますが、スーパーカー並みの強大なパワーになると、かえって事故を招いたりします(スピンしたり、コントロールを失って壁に激突したり)。
双眼鏡の場合は、倍率が高くなるほど視野が狭くなり、対象物を捉えにくくなります。
「見たいもの」が動かないオペラや演劇なら問題ありませんが、動きが激しいサッカー観戦に双眼鏡は適していません。
それから、倍率が高いほど「手ブレ」の影響を受けやすくなります。
ユラユラと揺れるレンズを覗いていたら、酔って具合が悪くなるかもしれません。
「せっかくだから」と張り切って高倍率の双眼鏡を買うのではなく、一般的な6〜10倍のモノを買うのが良いでしょう。
たとえば選手までの距離が100m離れていると仮定して、倍率10倍の双眼鏡を使えば、「10mの距離で見ている」のとおなじ映像が楽しめます。
これが倍率8倍の双眼鏡であれば、100÷8=12.5、すなわち「12.5m離れたところから見ている」のと同等の映像が見れます。
これだけ拡大して見られればじゅうぶんではないでしょうか。
まとめ
サッカースタジアムで双眼鏡を使って試合を観る人はほとんどいません(ゼロではない)。
なぜなら、双眼鏡を使うとかえって見にくいからです。
双眼鏡で拡大すると、ボールや選手の素早い動きを追うのが大変ですし、手ブレするせいで具合が悪くなるかもしれません(顕微鏡を見つづけて頭痛に襲われるようなもの)。
それから、大多数の観客は双眼鏡を使っていないため、周囲のサポーターから浮く恐れがあります。
双眼鏡を持っていくとしても、使用するのは「試合前の練習時」と、「試合前後の整列時」くらいにとどめておくのが良いでしょう。
もちろん、試合中に「あの敵チームのフォワードは誰だ?」などと気になる選手を確かめたいときに、双眼鏡をパッと出して背番号をチェックしても構いません。
「そんなちょっとしか出番がないなら双眼鏡は必要ないかも……」
と思うかもしれませんが、肉眼では捉えられない選手の表情などを確認できるため、双眼鏡を持参して損はありません。
なければないでどうにかなるが、あったらあったで便利、それが双眼鏡です。
お掃除ロボットのようなモノだとお考えください。
双眼鏡の倍率は、一般的な6〜10倍でじゅうぶんです。
天体観測をするわけではないので、300倍も600倍も拡大できる望遠鏡みたいな性能は必要ありません。
ネット通販サイトAmazonでは、PENTAXの双眼鏡(8倍)が高く評価されています。
レンズ、プリズム表面のフルマルチコーティングにより、「明るくてクッキリした映像」を楽しめるのが特徴です。
上の商品には倍率10倍のモデルもあります。
10倍を希望する方は商品ページでそちらをご選択ください。
Amazonでは、UncleHuの双眼鏡も売れています。
たとえば、お手頃な価格でそれなりの双眼鏡を手に入れたい、といったコスパを重視する方におすすめです。
双眼鏡をもっと見てみたい方はこちらです。
以上、スタジアムでのサッカー観戦に双眼鏡は必要なのか、でした。
【結論】試合中は不要だが、試合前後なら双眼鏡が役立つシーンがある。練習時や整列時のほか、ベンチにいる控え選手や監督の表情を見たいときなど。バードウォッチングのように、憧れの選手を生でハッキリ見たいなら、双眼鏡は必須。倍率は6〜10倍でじゅうぶん。試合観戦にも用いるなら、視野が広い6〜8倍くらいが適している。安物だと品質が低く満足に見えない場合があるので注意(安物買いの銭失いになりかねない)。