スバルWRX S4(2代目・2021年11月〜)は、先代モデルよりも「スペックダウン」したことが話題になりました。
排気量が先代の2.0Lから2.4Lへと拡大された一方で、
- 先代 S4:300ps、400Nm
- 新型 S4:275ps、375Nm
ご覧のとおり、最高出力および最大トルクは先代よりも引き下げられました。
スペックダウンの理由は、燃費性能向上のため(CAFEの基準をクリアするため)です。
数字だけ見ると「フルモデルチェンジして先代より遅くなったのか?」と心配になるかもしれません。
がしかし、低中回転域でのトルク応答性が高められたことで、実用域における走りの気持ち良さは向上しています。
先代よりスペックは低下したものの、パフォーマンスは向上したといって良いでしょう。
速いか遅いかでいえば、新型WRX S4は「速い」といえます。
この記事では、
- 先代から進化したポイント
- 他のスポーツカーとのスペック比較
など、「スバル新型WRX S4は速い車なのか」をわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
スバル新型WRX S4は速い車なのか
2021年11月に登場したスバルの新型WRX S4は、一般道ではパフォーマンスを発揮しきれない速さを持っています。
ちょっとアクセルを踏んだらすぐ制限速度に達するため、「もっと飛ばしたいのに……」とじれったい思いをするかもしれません。
軽自動車だったらアクセルをベタ踏みするシーンが日常に多々ありますが、WRX S4のアクセルを目一杯踏むことはないでしょう。
たとえ高速道路に合流する場面であっても、です。
「軽自動車やコンパクトカーよりも速いのは当然として、先代よりスペックダウンしているのが気になる。先代のほうが速いのでは?」
とフルモデルチェンジ前のWRXが気になっている方がいるかもしれません。
では、先代に比べて何がどう変わったのかを見ていきましょう。
排気量アップ/スペックダウンした新型
新型WRX S4の排気量は2.0Lから2.4Lに拡大されました。
排気量のアップに伴い馬力やトルクもアップさせるのが一般的ですが、新型S4のスペックは引き下げられました(先述のとおり燃費性能を向上させてCAFEをクリアするため)。
具体的な数値は以下のとおりです。
- 先代 S4:300ps、400Nm
- 新型 S4:275ps、375Nm
最高出力は25馬力、最大トルクは25Nmそれぞれ低下した計算になります。
ただし、新型WRX S4が遅くなったわけではなく、むしろ先代よりも加速は俊敏になっています。
先代のWRX S4は、
- アクセル応答にラグがあること
- 過給に段付きがあること
こうした「初期反応の遅さ」が欠点として指摘されていました。
つまり先代のWRX S4は、アクセルを踏んでから加速するまでに僅かなタイムラグが生じたり、ターボの過給に遅れが生じたりしていた、ということです。
先代のターボエンジンはいわゆる「ドッカンターボ」です(少しもたついてからドッと加速する。お世辞にも快適とはいえない)。
新型WRX S4は、先代のネガティブな点を改善し、よりリニアな加速を実現しました。
アクセル応答が遅れることはありませんし、ターボに過給ラグが生じることもありません。
したがって、スペックこそ先代よりも下がった新型ですが、パフォーマンスは上がったように感じられることでしょう(排気量アップやCVTの改良が貢献している)。
ただし、人によっては先代の「ドッカンターボ」のほうが速いと感じるかもしれません。
「どの回転域でも滑らかな加速」をする新型と「回転数が上がるほど加速力が高まる」先代の違いです。
このあたりは、どっちが速いといった話ではなく、一人ひとりの好みの問題でしょう。
エンジン性能に限らず、新型WRX S4はプラットフォームが刷新され、ホイールベースも25mm延長されたことで、ボディの剛性や安定性が増しています。
カーブが連続する峠道を走らせたとき、コーナリングが「速い」と感じるのは新型です。
他のスポーツカーと速さを比較
では、先代ではなく他のスポーツカーとスペックを比較してみましょう。
たとえば、スバルBRZの動力性能はつぎのとおりです。
※括弧内の数字はWRX S4との差を表しています。
- 2.4L水平対向NAエンジン
- 最高出力:235ps(-40ps)
- 最大トルク:250Nm(-125Nm)
馬力、トルクともにWRX S4が大幅に上回っていることがわかります。
ただし車両価格もWRX S4のほうが90万円ほど高いため、当然といえば当然の性能差です。
スポーツカーではありませんが、WRX S4と顔がソックリなレヴォーグと比較したらどうでしょうか。
- 1.8L水平対向ターボエンジン
- 最高出力:177ps(-98ps)
- 最大トルク:300Nm(-75Nm)
やはりWRX S4のほうが動力性能で上回っています。
ちなみにレヴォーグにはSTI Sport Rという上位グレードがあり、このモデルは2.4Lのターボエンジンを搭載し、WRX S4とまったくおなじスペックを誇っています。
とはいえ、レヴォーグはステーションワゴン、WRX S4はセダンです。
室内空間の広さではなく、ハンドリングの楽しさを優先するなら、WRX S4で決まりでしょう(ステーションワゴンはスポーツ走行に適さない)。
最後は、日産・新型フェアレディZとの比較です。
- 3.0L V6ツインターボエンジン
- 最高出力:405ps(+130ps)
- 最大トルク:475Nm(+100Nm)
ご覧のとおり、フェアレディZは馬力・トルクともにWRX S4を大きく上回っています。
ただしフェアレディZの車両価格は500万円オーバーですので、性能が高いのはやはり"当然"だといえそうです。
たとえるなら、安い牛肉より高い牛肉のほうがウマいのとおなじです。
ほかにもスープラやポルシェ911、日産GT-R、BMW Wシリーズなど高額かつ高性能のスポーツカーはいくらでもあり、上を見たらキリがありませんが、一般道や高速道路を走るぶんにはWRX S4の速さで不足はないでしょう。
むしろ充分すぎるくらいです。
あなたがフェラーリやランボルギーニからWRX S4へ乗り換えるのでない限り、「遅い」と感じることはないはずです。
まとめ
スバル新型WRX S4は先代からスペックダウンしましたが、依然として速いことには変わりません。
先代よりも低中回転域のトルクが太くなったぶん、街乗りで「アクセルを踏み増した」際などに加速がよりリニアに感じられるはずです。
スペックだけを見ればWRX S4は、スバルBRZ/トヨタGR86、MAZDAロードスター/RF、スズキスイフトスポーツといった国産スポーツカーを凌いでいます。
もちろん、輸入ホットハッチであるアバルト595にも負けていません。
つまり「そのへんのスポーツカーより速い」わけで、WRX S4に乗っていて動力性能に不満を感じることはないでしょう。
もしWXRを「遅い」と批判する人がいたら、それは映画館で「音が小さい」と文句を垂れるも同然で、ただのイチャモンです。
WRX S4が気になっているなら、ぜひスバルのディーラーで試乗してみてください。
とはいえ、スバルのディーラー全店に「WRX S4の試乗車」が配備されているわけではありません。
近所のディーラーにWRX S4の試乗車があるかどうか、スバルのWebサイトから「試乗車検索」にてご確認ください。
もし試乗車があれば、そのまま試乗予約をしておきましょう。
歯医者や美容院とおなじで、予約を入れておくと当日スムーズに対応してもらえます(予約すれば店舗で待たされたり、試乗車を誰かに貸し出されていたりしない)。
百聞は一見に如かず、です。
WRX S4がどれくらい速いのか知りたいなら、ネット記事を読むのではなく、実際にステアリングを握ってアクセルを踏んでみましょう。
いえ、むしろ運転しなければわかりません。
クルマの下取り・売却で損をしないためのポイント
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- グレードを上げる
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以上、スバルWRX S4は速いのか、でした。
【結論】燃費向上のために先代よりも馬力とトルクはダウンしたが、実用域でのパフォーマンスはアップした。だから体感的には「速い」と感じられるはず。人によっては先代のドッカンターボのほうが速さを感じるかもしれず、このあたりは好み次第だといえる。WRX S4はたいていの国産車よりも速い。ぜひスバルのディーラーでWRX S4を体感してみては?
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SUBARUアイサイトXの機能と必要性に関して、当サイトにはこんな記事があります。