タイトルのインパクトから思わず手にとってしまいました。
この記事では、羽田圭介著『ポルシェ太郎』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
なお、ネタバレはいっさいありません。
羽田圭介著『ポルシェ太郎』の感想
経営者である主人公・太郎はポルシェを購入するも、得体の知れない出来事に巻きこまれてしまい……というのがザックリとしたあらすじです。
『5時過ぎランチ』に収録されている短編『グリーンゾーン』という話を長編にしたような、そんな雰囲気の物語でした。
いかにも羽田圭介らしいというか。
物語にポルシェはどれくらい出てくる?
なかには「ポルシェ」というワードに惹かれて本書に興味を持った人もいるでしょう。
羽田圭介という人はよく知らないけど、ポルシェに関する話なら読んでみたい、と。
であれば、あまり期待しすぎないほうがいいかも知れません。
もちろん作中にポルシェはしばしば登場しますが、あくまでも主人公の身の回りで起こる事件のようなものがストーリーのメインです。
ポルシェのメンテナンスをしたり、オーナーズクラブに参加したりなど、ポルシェにめちゃくちゃ焦点を当てているわけではないのです。
ただ、ポルシェの乗り心地やポルシェを所有することによる心境の変化などは細かく描写されています。相当取材をしたのでしょう。
「ポルシェに関することならどんな些細な情報でも知りたい!」という熱烈なファンなら、一読の価値はあるのでは。
試乗をしていて思いついた小説?
羽田圭介は『羽田圭介、クルマを買う』という本を出しています。
羽田圭介があらゆる車に試乗して、自身初となる愛車を購入するまでの過程を綴ったエッセイです。
このエッセイのなかでは、ポルシェのディーラーに行って試乗したことも明かされていました。
ケイマンとボクスターに乗ったそうで(初ポルシェ)、ひょっとしたらこのときに『ポルシェ太郎』の着想を得たのかもしれません。
あくまでも想像ですが。
『羽田圭介、クルマを買う』は別の記事で詳しく紹介しています。
もし興味があればあわせて読んでみてください。
本書はこんな人におすすめ
『ポルシェ太郎』では、ポルシェを手にした太郎の内面に起こる変化が緻密に描かれています。
ポルシェの所有に憧れている人や、ステータスとして良い車を買おうとしている人などは、とくに楽しめるでしょう。
私はちょうど外車の購入を検討している時期に本書を読み、「車にお金をかけるのはなんだかちがう気がする」と思い、買うのをやめました。
さらに、所有していた車を売りました。現在は車を持っていません。
『ポルシェ太郎』を読むことで、あなたにとっても何らかの気づきがあるかもしれません。
たとえばそう、高級車への興味を失ってしまうだとか。
まとめ
個人的には最初から最後まで楽しく読めました。
ポルシェ好きの妻にもすすめたところ、すぐに読み、「面白かった」とのこと。
夫婦揃ってポルシェが好きなので、評価が甘いかもしれませんが。
もちろん、ポルシェに詳しくなくても楽しめます。
先述の『グリーンゾーン』ほど車に関する細かい描写もありませんので、ポルシェや自動車に関する専門的な知識がなくてもすんなり理解できるかと。
以上、『ポルシェ太郎』を読んだ感想でした。