うつ病は誰もがなりうる病です。
うつに関する知識を持っておいて損はありません。
この記事では『うつが治る食べ方、考え方、すごし方』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
(著者は完全復職率9割の実績をもつ医師です)
『うつが治る食べ方、考え方、すごし方』の感想
廣瀬久益著『うつが治る食べ方、考え方、すごし方』を読みました。
本書には「この本を読まずにうつ病からの回復を諦めるな」という著者の強い思いが込められています。
そのためか、内容は専門的かつ具体的で、人によっては難しいと感じるかもしれません。
SSRIやSNRIといった単語がポンポン出てくるので、読んで理解するためには、うつ病に関してある程度の知識を有している必要がありそうです。
そこで本記事では、私がとくに重要だと思った内容をわかりやすく簡潔にお伝えします。
食べ方:栄養の欠乏に注意
栄養の欠乏によってうつ病になる例も多いと著者はいいます。
うつの原因が栄養の欠乏であれば、どんなに抗うつ薬を飲んだところで効果は期待できません。
よって、うつ病の治療にはじゅうぶんな栄養の補給が欠かせないわけです。
具体的には鉄、たんぱく質、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸などの欠乏で、脳の機能障害が起きてうつになるリスクがあるとのこと。
とくに女性の場合は鉄とたんぱく質が不足しているケースが多いため、注意が必要なのだそう。
必要に応じてサプリメントなどで補給する必要があるといえます。
考え方:自分を大切に
他人の評価や感情に敏感になっていると、自分を見失い、自分はなにをしたいのかがわからなくなってしまいます。
よって著者は、自分を感じ、自分で考え、自分で行動することが大事だと説きます。
自分の感情を押し殺して周囲にあわせていては、いつか必ず疲れてしまいますからね。
多少周囲に迷惑をかけてでも、もっとわがままに、もっと自分い素直に生きようとする姿勢が大事なのかもしれません。
そうしたマインドを持つためには、名著『嫌われる勇気』がおすすめです。
全員に好かれるなんて無理。嫌われたっていいんです。
すごし方:活力を上げよう
うつ病患者にとって「休養」は治療の柱です。
職場や学校を離れ、心と体をゆっくり休めてエネルギーをチャージする必要があります。
しかし著者は、家のなかでじっとしている安静のような過ごし方だけが休養ではないといいます。
もちろん動くことが困難であれば無理をする必要はまったくありませんが、徐々に活動できるようになってきたら、買い物に出かけたり、旅行で気分転換をしてもいいとのこと。
うつ病患者には元来まじめな人が多く、「休んでいるのだから好きなことをして楽しむのは悪い」と考えてしまうのかもしれません。
がしかし、動くことはうつ病のリハビリになるので、罪悪感など持たず、できることややりたいと感じたことをどんどん行うのがいいでしょう。
まとめ
本のなかからとくに重要だと感じたトピックをまとめてご紹介しました。
なかでも大切なのは「鉄」です。
栄養素としての鉄については、うつ病に関するほかの書籍でもたびたび言及されています。
それは、うつ病で減少してしまう神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)の生成過程で鉄を必要とするからです。
したがって鉄が不足するとこれら神経伝達物質をじゅうぶんに生成できず、うつ状態を引き起こす原因になってしまうのです。
鉄は老化防止にもなるので、ぜひ積極的に摂りたいですね(ただし過剰摂取には注意)。
本書ではほかにも、抗うつ薬が効きやすいタイプの特徴や症状についても言及されていました。
- ルールや決まりを厳守するタイプの人
- 希死念慮の強いうつ病
などだそうです。
うつ病に限らず、どんな知識も「知っていて損」をすることなどありません。
むしろ知識は武器になります。ぜひ本書にうつ病から回復する手がかりあるいは予防法を探してみてはいかがでしょう。
完全復職率9割の医師が教える うつが治る食べ方、考え方、すごし方
- 作者: 廣瀬久益
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以上、『うつが治る食べ方、考え方、すごし方』を読んだ感想でした。