さまざまな"うつ"について解説しているのが本書です。
たとえばうつ病、産後うつ、冬季うつ、それからパニック障害や双極性障害についても取り上げてあります。
この記事では、牧野真理子監修『うつにもいろいろあるんです。』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『うつにもいろいろあるんです。』の感想
本書は、精神疾患について広く知るのに適していると感じました。
疾患の症状や治療法などが、イラストを交えつつ説明されています。
たとえば、新型うつ病はどんな症状で、どんな特徴があって、どんな人物が発症しやすいのか。
そしてどんな治療を行っていくのか。
こうした知識が得られます。
うつ病にさまざまな種類がある?
本書は、産後うつや新型うつも「うつ病」にカテゴライズしていました。
ただし、この分類については「"新型うつ病"という病名はない。そもそもうつ病ですらない」と主張する専門家もいます。
本書を読むと、新型うつ病や産後うつ、双極性障害がすべて「うつ病の一種」だと感じられてしまうため、注意が必要かもしれません。
厳密な分類について知りたい方は、こちらの本をご参照ください。
たいへんわかりやすく解説されていて、参考になります。
ややこしくなりましたが、『うつにもいろいろあるんです。』は症状について理解するのに適しています。
ただし、「うつ病」の定義については異なる意見がある、ということです。
「新型うつや双極性障害について知れればいい」という方は、本書だけ読めば問題ないかと思います。
うつと併発しやすい心の病気
本書ではさらに、「うつと併発しやすい心の病気」も紹介されていました。
- パニック障害
- 適応障害
- 摂食障害
- 社会不安障害
- 強迫性障害
- 境界性人格障害
以上の6種類です。
あなたはすべて知っていますか?
私は社会不安障害、境界性人格障害をいずれも本書で初めて知りました。
知ったからといって今すぐどうかなるわけでもありませんが、自分が心の病にかかったとき、家族が心の病にかかったときに、知識として持っていれば何か役に立つかもしれません。
たとえば「もしかして、あなたのそれは強迫性障害では?」と気付いてあげられたり。
まとめ
うつ病は誰もがなりうる病気です。
ほかにも産後うつ、冬季うつ、新型うつなども含めれば、誰もが、いずれかにかかるリスクがあります。
つまり100%他人事ではないと思うんですよね。
知識を持っていれば防げるほど単純なものではありませんが、それでも「冬季うつは朝日を浴びるといい」だとか「産後うつは周囲のサポートを受けにくい状況にあると発症リスクが高まる」だとかを知っておいて損はありません。
このインプットによって配偶者の誕生日を忘れたとしても、です。
本書はイラストが豊富なので、とっかかりに最適だと感じました。
以上、牧野真理子監修『うつにもいろいろあるんです。』を読んだ感想でした。