お金のこと。子供のこと。将来のこと。健康のこと……。
つねになんらかの心配を抱えて過ごしていませんか?
この記事では、斎藤茂太著『心配ぐせをなおせばすべてが思いどおりになる』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
なお、著者は精神科医です。
『心配ぐせをなおせばすべてが思いどおりになる』の感想
タイトルのとおり本書には、心配ぐせを直して前向きに生きる方法について書かれています。
が、意外だったのは心配性も悪くないと著者が述べていたこと。
成功した人の大半が「自分は心配性だ」と自認しているというのです。
成功者は心配性?
心配性の成功者として、本書では松下幸之助や孫正義が紹介されていました。
エピソードを読む限り、たしかにとんでもない心配性です。
私も心配性だと思っていたのですが、松下幸之助の心配性っぷりは尋常ではありません。
先のことを考え、心配になり、リスクを回避するように動くからこそ成功できるとも言えるのでしょう。
つまり、一概に心配性が悪いわけではないのです。
心配性は品質管理に向いている
それから著者は、心配性は品質管理に向いていると述べています。
あらゆるリスクを想定し、検証する。
「あんなことが起こったらどうしよう」と考えるのは、心配性にとって得意分野ですよね。
なぜ心配性を直すための本なのに、心配性を肯定するような内容が書かれているのか。
著者は述べていませんが、私は「この本を読んでも心配性が直らなかったらどうしよう」という心配を拭うためだと思いました。
いかんせん本書の読者は心配性なので。
「心配性のままでも大丈夫だよ」と肯定してもらえることで、安心して読み進めることができます。
さすがは精神科医。心配性の気持ちをよくわかってくれています。
心配性を直す
具体的な方法については本書に書かれているので、ザックリとした内容だけをご紹介します。
心配性になる9つの原因、無駄なドキドキを克服するための8つの習慣、不安の解消法、マイナス思考と上手に付き合う方法などが書かれていました。
どれも具体的で、すぐに実践しやすいものばかりです。
人と会うときの心配
なかでも個人的に気に入ったのは、人と会うときの心の持ち用についてでした。
たとえば初デート。
相手に嫌われたらどうしよう、あまり喋ってくれなかったらどうしようなど、デート前にはいろいろと不安になります。
が、著者はそんな不安を「自分の気持ちを外に追いやっている」と指摘します。
自分がどうしたいのかを考えていない、と。
だから上記のような心配をするわかりに「あの人と仲良くなりたい。どうすればその気持ちを表現できるか」と考えたほうがいいと説きます。
これには納得です。
私もついつい「嫌われたらどうしよう」などと悩んでしまうのですが、そんなことを悩んでいても、解決策はでません。
だったら相手ではなく自分に意識を向けて、どうすれば好意を相手に伝えられるかを考える。
こうしたほうが建設的ですし、なにより前向きな気持ちになれますね。
とてもいいことを知りました。
このように「そうやって考えればいいのか」と感じられる方法が多く紹介されています。
心配性を自認している方は、ぜひ読んでみてください。
まとめ
もう少し早く本書を読みたかった、というのが正直な感想です。
「不良がいる高校にいってイジメに遭ったら怖い」という理由だけで猛勉強をして進学校に入ったり。
「アルコール依存症になったら怖い」という理由でお酒をいっさい飲まなかったり。
私もかなり心配だらけの人生を歩んできたので。
本書に書かれていた方法をもとに、心配ぐせを直していきたいものです。
以上、斎藤茂太著『心配ぐせをなおせばすべてが思いどおりになる』を読んだ感想でした。