薬よりも効く体験談?『10年こじらせ脱うつ日記』を読んだ感想

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うつ病の体験談を描いたコミックエッセイ『10年こじらせ脱うつ日記』を読んだ感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『10年こじらせ脱うつ日記』の感想

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著者の逢川里羅氏はもともと漫画家で、デビュー後にうつ病を発症したといいます。

 

そのままうつ病とつきあい、10年経ってようやくうつから抜け出すことができた。

そうした著者の実体験が描かれています。

 

読みやすい

コミックエッセイでコマや文字が大きいため、とても読みやすく感じました。

 

うつ病になると集中力が落ち、文章を読むのが困難になるといいます。

文章を読むのは難しいとしても、コミック形式の本書なら、読むことができそうです。

 

登場するのは人間ではなく猫のようなキャラクター。見ていて癒されます。

 

内容について

本書の流れをかんたんに説明します。

 

まず、著者がどうしてうつ病になってしまったのか、その経緯が描かれています。

 

それから、うつ病になるとどんな気分になるのか。周囲の反応をどのように感じていたのか。なぜ漫画家の仕事を休めなかったのか。

そして、どうやってうつ病から脱するに至ったのか

 

著者が苦しみ、もがき、光を取り戻すまでの10年間がギュッと詰まっています。

 

 

自己肯定感の低さ

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あなたは自己肯定感が強いほうですか?

 

どうやら著者は、自分に自信が持てなかったようです。

うつ病になる前から自己肯定感が低く、「自分はダメな人間なんだ」と考えがち。

そのため、仕事で結果を出さないと存在価値がないと感じていたそうです。

(本人は家庭環境に原因があると思っている)

 

著者にとって「仕事を休むこと」は「社会的な存在価値がなくなること」だったんですね。 

だからなかなか仕事を休めず、うつをこじらせてしまった。

 

うつ病の治療においてはとにかく休むことが最優先であり、ムリして働きつづけるのはご法度です。

 

自分のご機嫌をとるためのコツ

著者はうつ病を患った経験のなかで、「自分のご機嫌は自分でとるもの」だと悟ったそう。 

 

本書には、著者なりの「ご機嫌のとりかた」が紹介されていました。

具体的な方法は割愛しますが、どれもすぐに実践できて気分がよくなるものばかりです。

 

精神科医のアドバイス

本書のところどころに精神科医・ゆうきゆう氏による解説、アドバイスが書かれていました。

 

うつ病で文字を読むのがツラい状態だと、こうしたページを読むのはしんどいかもしれません(ここはコミック形式ではないので)。

そこまで重症でなければ、アドバイスを参考にすることができます。

 

まとめ

本書は著者の個人的な体験談です。

うつ病治療の専門書ではありません。

(うつ病の治療としては「日中に歩くこと」も重要ですが、そのあたりは触れられていない)

 

著者とおなじような境遇にある方や、なんとなく気分が沈んでいるような方にとって、共感できる部分は多々あるかと思います。

 

ただし、けっして本書に「うつ病が寛解する方法」が描かれているわけではないので、過度な期待は禁物です。

あくまでも「コミックエッセイ形式のうつ病体験談 」です。

 

ちなみに本書は基本的に白黒で描かれており、巻頭、巻末の数ページだけがカラーでした。

 

うつ病は重たいテーマなので、本書のようにイラストが豊富で、文字も読みやすいのはとても良いと思います。

かわいい猫のキャラクターにも癒されますし。

 

にゃんともしんどい! 10年こじらせ脱うつ日記

にゃんともしんどい! 10年こじらせ脱うつ日記

 

以上、 逢川里羅著『10年こじらせ脱うつ日記』を読んだ感想でした。

 

ひとりの人間がどうしてうつ病になり、なにを考え、どのように克服したのか。

そうしたストーリーを知りたい方はぜひ読んでみてください。励まされ、心が軽くなるかもしれません。