もしあなたがスマートフォンを持っているなら、本書はあなたにも関係しています。
この記事では、藤原智美著『スマホ断食 ネット時代に異議があります』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『スマホ断食 ネット時代に異議があります』の感想
著者は「スマホの利用を控える」ことを推奨しています。
世の中に似たような書籍がいくつかあるなかで、本書のメッセージはとくに深いものだと感じました。
スマホの利用時間を減らすのは、「あなたがあなただけでいられる時間」を確保するためだといいます。
あなたがあなただけでいられる時間
ネット社会とは「あなたがあなただけでいられる時間」を剥奪する社会だといいます。
つまり、ネット社会が私たちから一人で考える時間や思考力を奪っているということです。
自立的な思考ができなくなってしまう。他者の価値観に振り回されてしまう。
ネット社会にはそんな弊害があります。
最近はトイレやお風呂のなかにまでスマホを持ち込む人が増えましたね。
かつてはそうした時間で、ひとりボーッと物思いに耽ることがあったはずです。
ところが現代人はスマホを持ち、いつでもネットに接続しているために、ゆっくり思考をする時間が持てません。
それが問題だというわけです。
具体的にどう問題なのか?
著者は「なにが問題なのか」について、具体例を挙げていました。
たとえば、食べることではなくSNSにアップする目的で飲食店を訪れることなど。
これって、「他者に見せびらかしたい」という願望を叶えるための行動ですよね。
自分が本当に食べたいわけではなく、見栄えが良いから写真を撮って、SNSにアップしたい。そしてみんなに評価してほしい。
そこに自分はありません。他者に振り回されてしまっています。
なお、芥川賞作家でもある著者の藤原氏は「物思いに耽るというのはもっとも高度な生き物であることの証」だと述べています。
つまり、ひとりで静かに考えることは人間であることの誇りなのだと。
「自分はどうしたいのか」を考えるにあたって、スマホは必要ありません。むしろ邪魔です。
著者が推奨するようにまずは3日間だけネット断食をしてみるだけでも、生き方が変わってくるのかもしれません。
感動はネットにアップした瞬間に消える
本書には、感動はネットにアップした瞬間に消えるといった内容が書かれていました。
これは私もおなじ考えです。
私は「花火の写真をとる人」が好きではありません。
目に焼き付けたほうがいいのに、そのほうが感動するのに、なぜか写真に残そうとする人がいます。
スマホの画面で見る花火はショボくて、感動なんてありません。
もしスマホがなくて誰ともシェアできなかったら、自分のなかに滞った感動はいつまでも反芻される。そして記憶に残る。
著者の考えに同意です。
ネットにアップしたらそれで「完了」ですからね。
現代人は「自分がどう感じるか」よりも「みんながどう感じるか」を意識しすぎているのかもしれません。
あなたは大丈夫ですか?
スマホでパシャパシャと花火やイルミネーションを撮影していませんか?
まとめ
良書だと感じました。
スマホが知らないうちに私たちを蝕んでいる可能性について、あなたはこれまでに考えたことがありますか?
スマホの利用を控えるかどうかはともかく、どんな弊害があるのかを知っておいても損はないかと思います。
スマホが「幸福」を遠ざけているといっても過言ではありません。
ぜひあなたも、「自分が自分だけでいられる時間」を奪還しませんか?
以上、藤原智美著『スマホ断食 ネット時代に異議があります』を読んだ感想でした。
本書はスマホだけではなく、もっと大きな「ネット社会」の暗部に気づかせてくれます。
※たとえスマホ断食をしても、当ブログへは(できれば頻繁に)訪問してください。あなたの再訪をお待ちしています。