- ミニマリストなんてクソ食らえだ!
- 散らかった部屋が好きなんだ!
そんな方にぴったりの本です。
この記事では、森博嗣著『アンチ整理術』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『アンチ整理術』の感想
整理術にアンチがついています。
アンチは「反対」という意味なので、アンチ整理術は「整理整頓なんてクソ食らえだ」と訳すことができます。
ミニマリズムなどの「持たない暮らし」がもてはやされているなかで、あえて『アンチ整理術』なんて本を出してしまうあたり、いかにも天邪鬼な森博嗣っぽいですね。
読んだ感想は「あぁそうですか」のひとこと。
私はホテルのように片付いた部屋が好きなので、著者の感覚はイマイチ理解できませんでした。
ミニマリストに違和感を覚える方であれば、森氏に共感できるのかもしれません。
創造的な仕事をしているほど片付かない
著者は「創造的な仕事をしている場合ほど片付けられない」と述べています。
これは、どこか挑発的な発言と捉えることもできそうです。
創造性の有無で仕事の優劣が決まるわけではありませんが、文章のニュアンスから、創造的でない仕事を見下しているように(読者によっては)感じるでしょう。
「片付けられるのは、創造的な仕事をしていないから」 とも述べていますし。
片付いているのが、なんだか悪いことのように思えてきます。
とはいえ、タイトルが『アンチ整理術』なので、これくらいの反論というか、主張はあって当然なのかもしれません。
整理するのが好きな人が読むと「なんだとコノヤロー」と思うでしょう。
が、そもそも"整理するのが好きな人"が読むべき本ではありません。
ややこしくなったので端的にまとめると、これは私が読むべき本ではない、ということです。
著者の部屋が散らかっている理由
森氏は工作が好きらしく、部屋は鉄道模型やラジコン、工具だらけです。
写真には部屋の写真が載っていました。
著者の部屋の散らかり方は、一般的な散らかり方とはちがいます。
雑誌が散乱しているとか、空のペットボトルが転がっているとか、床がホコリだらけとか、いわゆるゴミ屋敷状態ではありません。
健全な散らかり方です。
ふだんから工作をしているなら、むしろこれくらい物が出ていたほうが作業は捗るだろうと思いました。
収納なんてしない?
面白かったのは、「収納はしない」という著者の考え方です。
なんでも、自分のお金で買ったものは全部飾っておきたいのだとか。
見えるところに出しておきたいといいます。
だから箱に入れたままにしておくこともなければ、押し入れにしまっておくこともない。
売る気もないため、箱はすべて捨ててしまう。
そうして自分のために、目につく場所に置いておく。
なるほど。
この考え方から、著者の「モノへの愛」が感じられます。
ところであなたは、ブランドの財布が入っていた箱をいまだに保管していませんか?
いつか売るつもりですか?
売ってしまうんですか?
本当に気に入って買ったものであれば、箱を捨てることになんら抵抗などないはず……。
みたいなことを、考えさせてくれる本です。
まとめ
本書を楽しめる読者は以下のとおりです。
- 森博嗣の読者
- 整理が嫌いな人
つまりもっとも楽しめるのは「整理が嫌いな森博嗣の読者」ですね。
私自身は「整理が好きな森博嗣の読者」なので、そこそこ楽しめました。
本書を読めば、ミニマリストとは正反対の考え方に触れることができます。
ふだんから「整理術」などの本を読んでいる方は、両極端の意見を知ることで、自分にとっての最適解を見つけることができるかもしれません。
ちなみに本書はモノの整理だけでなく、人間関係や思考の整理についても書かれています。
もし興味があれば、ぜひ。
以上、森博嗣著『アンチ整理術』を読んだ感想でした。