「孤独」と呼ばれる状態をネガティブに捉えていませんか?
あなたがモヤモヤとした感情を抱えて生きているのだとしたら、足りていないのは「孤独」なのかもしれません。
この記事では、田中慎弥著『孤独論 逃げよ、生きよ』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『孤独論 逃げよ、生きよ』の要約と感想
まずは本書の要約から。
生きるのが辛いとしたら、それは奴隷になっているからだ。
奴隷というのは、追い詰められ、自分を見失っている人をいう。
思考停止に陥っており、物事を考えるのが億劫になっているのであれば、それは奴隷である。
大学受験失敗がきっかけで15年間におよぶ引きこもり生活を経験し、33歳で作家デビューした著者が、奴隷状態から逃れて生きる術、すなわち孤独の必要性を述べる。
以上がおもな内容です。
自分の頭で考えて生きたい方に本書はおすすめです。
孤独は思考を強化するための時間
孤独になることを著者が推奨しているのは、孤独な時間が思考を強化してくれるからです。
自分の頭で考えずに生きれば、仕事、学業、人間関係、因習などの奴隷になってしまうといいます。
ここでいう「奴隷」とは、有形無形の外圧によって思考停止に立たされた人を指します。
つねに急きたてられて生きるのが奴隷です。
したがって、「あなたの人生のようであって、あなたの人生ではない」と著者はいいます。
著者の言葉に説得力があるのは、田中氏自身が15年間にわたって引きこもりという「孤独」を経験し、自分と向き合ってきたからでしょう。
自分の人生を取り戻すためには、孤独を選び、奴隷を脱する必要があるのかもしれません。
逃げるススメ
奴隷状態を脱する方法として、「逃げること」を著者は勧めています。
逃げるといっても精神的に逃げるわけではありません。
そうでなく、あなたが会社員であれば退職する、引っ越すなど、実際に逃げることを意味しています。
当然ながら、いきなり会社を辞めたら「無責任」だと、あなたは上司から責め立てられるでしょう。
ですが、著者がいうには「意地やプライドは余計な荷物」だそうです。
無様な姿を晒すのと引き換えに逃げられるのだから、むしろ安いものだと著者は述べていました。
奴隷状態から逃れたら、やるべきは、自分にとって価値ある「なにか」を見つけることだといいます。
著者にとってそれは「執筆と読書」でした。
逃げた後について詳しく知りたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。
ここで大事なのは、「逃げるのは恥ずかしいことでもなんでもなく、生きるための立派な術だ」というメッセージです。
心が軽くなるのではないでしょうか?
「逃げてはダメ」という思い込みを手放せて、選択肢が増える。
まとめ
奴隷状態から逃れ、孤独になり、自分の頭で考え、最終的に行き着くのは「やりたいことをやって生きる人生」です。
好きなことをやって生きるべきだと著者はいいます。
「やりたいことなんてない」という方もいるでしょう。
が、心配いりません。
あなたにとって価値ある「なにか」を見つけるためのアドバイスが本書には書かれています。
最後に、著者は「世間や仕事の奴隷にならないためには、本を読み続けなければならない」と述べていました。
生きる手応えをつかむために、本を読みませんか?
以上、田中慎弥著『孤独論 逃げよ、生きよ』の要約と感想でした。
結論。SNSやYouTubeで寂しさを紛らわすのはやめよう。それはあなたの人生じゃない。自分の人生を取り戻すには、孤独が必要。