軽自動車は「走る棺桶」などと揶揄されることがあります。
衝突安全性が低く、時速100kmで走る軽自動車で事故を起こしたら死んでしまう、ということを意味しています。
実際のところ、軽自動車はそれほど脆いクルマなのでしょうか？
軽自動車で高速道路を走るのは(スピードを出すのは)危険なのでしょうか？
この記事では、
- 軽自動車の衝突試験結果
- バンタイプの危険性
など、「軽自動車で高速道路を走るのは危険なのか」について書きました。
ぜひ参考にしてみてください。
軽自動車で高速道路を走るのは危険なのか
軽自動車で高速道路を走るのが危険かどうかは、一概にはいえません。
なぜなら、ひとことで「軽自動車」といっても、軽トラックからハイト系、SUV、スポーツタイプまで、さまざまな種類があるからです。
ボディ形状や、各メーカーが設定している安全装備によって、危険度は違ってきます。
ですので、「軽自動車」という一括りですべてを語るのは、チャーハンや麻婆豆腐、エビチリなどをひっくるめて「中華料理は美味しいか」を語るようなもので、やや乱暴だといえます。
軽自動車は衝撃に弱い？
軽自動車にたいしては「ボディの強度が低いから衝撃に弱い」と考えている人が多いのではないでしょうか。
ですが、それは固定観念です。
事実を知るために役立つのが、NASVAが公開している「衝突試験映像」です。
NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)のウェブサイトにアクセスすると、さまざまなメーカーが販売しているクルマの衝突試験映像が確認できます。
人形を乗せた自動車を時速50km程度で走らせ、壁に衝突させたり、オフセット事故を再現したり、側面から衝撃を加えたりしています。
これらの映像と試験レポートから分かるのは、「軽自動車だからといって事故に弱いとは限らない」ということです。
普通車であっても、軽自動車より低い点数をつけられている自動車は存在します。
したがって、「軽自動車と普通車」という大雑把な括りでくらべるのではなく、個々のクルマについて衝突安全性を調べるのがおすすめです。
衝撃に弱いのはバンタイプ
軽自動車のなかで事故の衝撃に弱いのが、バンタイプです。
ティッシュ箱のような形のクルマ。
バン特有のボンネットの短さ、車内空間の広さが仇となっています。
とはいえ、バンは商用車として多く使われているため、一般の方が軽自動車のバンで高速道路を走ることはほとんどないでしょう。
バンで高速道路を走る機会があるとすれば、速度を控えめにしておくことをおすすめします。
万が一事故を起こしたとしても、衝撃を抑えることができるからです。
重要なのは「サイドエアバッグ」の有無
軽自動車か普通車かに関係なく、もっとも重視すべきはサイドエアバッグの有無です。
安全性を考えた際、サイドエアバッグがあるかどうかは大きな違いです。
クルマ側面に衝撃を受けたとして、サイドエアバッグが装備されていなければ、ダメージがそのまま乗員に加わります。
試験映像を見た限り、サイドエアバッグがついていない自動車の乗員は「即死」といった感じでした。
交通事故の衝撃で人形の首が折れ曲がっていた。
サイドエアバッグがついていない普通車よりも、サイドエアバッグがついている軽自動車のほうが安全性に優れているといえるでしょう。
サイドエアバックの確認方法
メーカーのウェブサイトにアクセスし、自動車の「主要諸元表」をチェックすれば、サイドエアバッグ装備の有無を確認できます。
なかにはサイドエアバッグがメーカーオプション(ダイハツは税抜6万円)となっているケースもあります。
安全面を考えるなら、たとえ有料オプションでもサイドエアバッグをつけておくことをおすすめします。
その軽自動車で高速道路を走る機会があるなら、なおさらです。
サイドエアバッグがない軽自動車で高速道路を爆走していては、それこそ「走る棺桶」になりかねません。
まとめ
軽自動車の安全性についてお伝えしてきました。
多くの車種が存在しているため、「軽自動車」の一言で括るのには無理があります。
安全性について気になる車種があれば、ぜひ衝突試験映像などを参照し、個別に確認してみてはいかがでしょうか。
少なくとも、「軽自動車は普通車より衝撃に弱くて危険」というほど単純な話ではありません。
あるいは「ボンネットが長いほど安心」というわけでもありません。
思い込みを捨て、安全性についてはデータで確認することをおすすめします。
以上、 軽自動車で高速道路を走るのは危険なのか、でした。
結論。一概にはいえない。ただし、「普通車は衝撃に強いから平気」だと考えて高速道路を爆走するのは危険。短絡的発想が、危険。
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スピードの出し過ぎにご注意ください。
