自分の言葉でアウトプットする力がなければ、社会人としての存在価値を失いかねない時代に私たちは生きているといいます。
アウトプット初心者に向けた書籍です。
この記事では、齋藤孝著『アウトプットする力「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『アウトプットする力「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
アウトプットする力とは発信力のことだ。
今ほどアウトプットが武器になる時代はなく、アウトプットが苦手な人は、それだけで大きな損をしているといえる。
アウトプットが重要な理由、アウトプットの方法、コツなど、現代人に欠かせない発信力について解説する。
以上がおもな内容です。
本書は、情報発信をしたことがない初心者に向けて書かれています。
ブログやYouTube、SNSなどでアウトプットした経験のある人にとって、本書の内容は物足りなく感じられるかもしれません。
想定読者はアウトプット未経験者
ブログやSNS、YouTubeなどを使い、情報発信をしたことがない人のための本だといえます。
- アウトプットで大事なのは勇気
- 共有したい熱い思いが原動力になる
- インプットだけではダメな理由
など、「なぜ情報発信をすべきか」という初歩的な段階から、著者は説明していました。
すでにアウトプットをしている人にとっては不要な情報だといえるでしょう。
- 話す
- 書く
- 発信する
が劇的に成長する85の方法、とタイトルにはありますが、内容はタイトルとズレています。
たとえるなら、『筋肉がみるみる成長するトレーニング』という本があったとして、内容がほとんど「なぜ筋トレをすべきか」に割かれているようなものです。
具体的なノウハウやテクニックを学びたい方にとっ本書は、期待はずれに終わる可能性があります。
アウトプット未経験者が本書を読んだとしましょう。
本書には、もっとも肝心な「なぜアウトプットすべきなのか。アウトプットするとどんなメリットがあるのか」が示されていません。
アウトプット初心者にとっても、経験者にとっても、本書は中途半端な本だといえます。
齋藤孝のアウトプット術は企業秘密?
齋藤孝氏は、驚異的なペースで本を出版しています。
本職は大学教授でありながら、著者はテレビ出演もこなし、執筆業までこなしているわけです。
専業作家ではないにもかかわらず、齋藤孝氏による著書は、毎月のように出版されています。
限られた時間でこれだけ本を書ている著者は、アウトプットに関して相当なノウハウやコツを有しているに違いありません。
『アウトプットする力「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法』というタイトルの本書に、著者がバリバリと本を書ける秘訣を探してみましたが、どこにも書かれていませんでした。
先述のとおり、本書には初心者に向けたアドバイスが書かれているだけだからです。
結局のところ、なぜ齋藤孝氏がこれほどのハイペースで書籍を出版しつづけられるのかは、謎です。
著者は紛れもないアウトプットのプロです。
だからこそ、本書はもっと上級者向けの内容であっても良いように感じました。
やはりそこは、"企業秘密"というヤツなのでしょうか。
「知の回転」というコツは紹介されていた。ただし申し訳程度。
まとめ
タイトルと内容のギャップを感じる本でした。
タイトルからは、アウトプット力を伸ばす方法が書かれているのだと推測できます。
ところが本書を読んでみると、
- アウトプットに必要なもの
- アウトプットが苦手な人は損する
- 誰かと共有したい気持ちが大事
など、まだ情報発信をしたことがない人に向けたアドバイスが散見されました。
誰にたいして何を伝えたいのかがイマイチわからない本です。
アウトプットをするメリットが不明確ですので、初心者が本書を読んでも、情報発信する気にはなれないでしょう。
齋藤孝氏の著書にしては珍しく、本書は「ハズレ」でした。
名選手が名監督になれるとは限らないのとおなじように、アウトプットのプロもまた、アウトプットのコーチになれるとは限らないのでしょうか。
以上、齋藤孝著『アウトプットする力「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法』の要約と感想でした。
結論。読んでも読まなくてもたいして変わらない本。教授職を得るために論文を書きまくっていた時期が著者にはある。結局のところアウトプット力は、習うより慣れろ、なのかも。
ブログやSNSなどを使って文章でアウトプットしたい方にはこちらの本がおすすめです。