本書には、素晴らしいプレゼンテーションを行うためのノウハウが詰まっています。
このノウハウが優れているのは、ブロガーやYouTuberなど、「誰かに情報を伝えている人」にとっても参考になる点です。
なぜなら、人がどのように考え、学び、聞き、見て、反応し、決断するのか、心理学的な学びを得られるからです。
ゆえに本書の対象読者はプレゼンターだけではないといえます。
この記事では、スーザン・ワインチェンク著『心理学的に正しいプレゼン 聴衆を納得させる99のアプローチ』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『心理学的に正しいプレゼン 聴衆を納得させる99のアプローチ』の要約と感想
まずは本書の要約から。
素晴らしいプレゼンテーションを行うには、人について多くを知らなければならない。
人間という生き物にたいする理解を深めれば深めるほど、あなたは聴衆にふさわしい情報を与え、意欲を高めるプレゼンを構成できるようになるからだ。
どうすれば人々の注意を引きつけ、前のめりにさせ、信頼し安心させ、行動を起こさせることができるのかを解説する。
以上がおもな内容です。
まず、企画の提案や新商品の説明など、誰かにたいしてプレゼンテーションを行うことがある人は、間違いなく本書を読むべきです。
プレゼンの質や効果をグッと飛躍させられるからです。
プレゼンテーションを行う機会がなくても、あなたがブロガーやYouTuberとして活動しているのであれば、本書を読んで損はありません。
画面のむこう側にいる読者や視聴者への正しいアプローチ方法を学べます。
プレゼンテーションのコツが網羅されている
本書には、プレゼンテーションを行う上で押さえておくべき99のポイントがまとめられていました。
端的にいって、かなり役に立ちます。
プレゼンに関してこれほど有益は本はないでしょう。
たとえば、人に情報を覚えてもらいたけば、少しずつ情報を与えるのが良いといいます。
なぜなら人間の脳は、一度にわずかな情報しか意識して処理できないからです。
一度にたくさんの情報を与えてしまうのは、まるで、バケツを使って空のペットボトルに水を注ぐようなものだといえます。
ほとんどの情報は聴衆の脳に入ることなく、流れていってしまうでしょう。
プレゼンで大事なのは、情報を小出しにすること、だそうです。
聴衆の注目を集めるには、顔の写真や絵を使うと良い、と著者は述べていました。
なぜなら、私たちの脳は人間の顔に反応しやすいからです。
雑誌の表紙に人の顔が印刷されているのもそのため。
ほかにも、立ち振る舞い、表情、会場の温度設定、スライドの作成方法など、プレゼンテーションのコツが網羅されていました。
プレゼンをするなら本書を読んでおくべきです。
本書のアドバイスにしたがってプレゼンを実践すれば、間違いありません。
むしろあなたは「プレゼンが上手な人」として、社内で一目置かれる存在になるでしょう。
小さな工夫やさりげない気配りが、プレゼンの良し悪しを大きく左右します。
ブロガーやYouTuberも学べる
「人々の注目を集めて話を聞いてもらう技術」が学べるため、本書は、ブロガーやYouTuberにとっても参考になります。
たとえば人は、言葉よりも、写真やイラストなどの視覚的情報のほうがはるかに覚えやすといいます。
ブログや動画で何かを説明するなら、ダラダラと言葉だけで伝えようとせず、図や画像を用いたほうが良いでしょう。
それから人間の脳は、だいたい7〜10分程度しか集中していられないといいます。
もしYouTubeで20分程度の動画を作成するなら、10分目あたりでなんらかの変化を起こし、視聴者の脳に刺激を与えたほうが良さそうです。
そうすれば、途切れかけていた視聴者の集中力を、ふたたび呼び覚ますことができます。
ところであなたは、色覚異常についてご存知でしょうか。
色覚異常とは、色を正しく判別できない症状をいいます。
なかでも多いのが、赤、黄、緑を見分けるのが困難な「赤緑色覚異常」なのだそうです。
世の中にこうした色覚異常を抱えた人たちがいることを考慮するなら、赤、黄、緑の3色は使用を避けておくのが無難なのかもしれません。
それから、色にはそれぞれ連想や意味が伴います。
大切なのは、色が心理に与える効果を知り、カラーを賢く使うことです。
まとめ
プレゼンに役立つ知識が詰まった本でした。
人間心理について理解を深めれば、プレゼンに限らず、ブログ記事やYouTubeへ投稿する動画などでも一工夫できるようになります。
この一工夫をできるかどうかが、アクセス数や再生回数の大きな差につながっていくのかもしれません。
私たちが気づいていないだけで、
- プレゼンが上手い人、
- 記事を書くのが上手い人
- 動画で話すのが上手い人
このような人たちは、本書に載っているテクニックをさりげなく取り入れている可能性があります。
人の注意を引きつける方法、人に信頼してもらう方法、人に行動を起こさせる方法を学びたい方に本書はおすすめです。
自分の頭で考えるよりは、本書から99のコツを学んだほうが効率的かつ賢明だといえます。
以上、スーザン・ワインチェンク著『心理学的に正しいプレゼン 聴衆を納得させる99のアプローチ』の要約と感想でした。
結論。ブロガー、YouTuber、プレゼンをする機会がある人におすすめ。人の注目を集め、話を聞いてもらい、納得させ、行動につなげる方法を学べる。プレゼン前に人について学ぶのは、旅行前に観光地を調べるようなもの。知識は大事。
アイディア発想に関して、当サイトではこんな本を紹介しています。
プレゼンやコンテンツづくりで大切なのは、アイディアです。
ぜひ優れた考えを、優れた方法で人々に伝えましょう。