2020年、スバルがレヴォーグのフルモデルチェンジを行い、新型(2代目)として販売を開始しました。
車両価格310〜409万円の新型レヴォーグにたいして、
- 価格が高い
- さすがに高すぎるのでは?
といった不満を抱いている人も少なくありません。
新車で買うには、ややハードルが高い金額だといえます。
ところでなぜ、新型レヴォーグはこうも価格が高いのでしょうか。
新型レヴォーグのいったいどこにコストがかかっているのでしょう。
この記事では、
- 水平対向エンジンの生産コスト
- 四駆の生産コスト
など、「スバル新型レヴォーグの価格が高い3つの理由」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
スバル新型レヴォーグの価格が高い3つの理由
2020年に登場した新型レヴォーグ(2代目)は、もっとも廉価なグレードで310万円、最上級グレードのSTI Sport EXは409万円という価格設定になっています。
新型レヴォーグはけっして「お手ごろな価格の自動車」であるとはいえません。
事実、400万円ほどの予算があれば、外車を買うこともできます。
たとえば400万円で、メルセデス・ベンツCクラスの中古(2020年式)が買えたりもします。
走行距離は0.5万キロ程度です。
クルマの性能はともかく、ステータスをくらべれば、メルセデス・ベンツCクラスの圧勝でしょう。
新型レヴォーグの価格が高い理由は3つあります。
- 水平対向エンジンだから
- 四輪駆動だから
- 運転支援機能が標準装備だから
ぞれぞれ詳しくご紹介します。
1. 水平対向エンジンだから
新型レヴォーグに搭載されているエンジンは、直列でもV型でもなく、水平対向エンジンです。
水平対向エンジンは、世界中の自動車メーカーでポルシェとスバルの2社しか採用していない珍しいタイプのエンジンです。
直列やV型エンジンにくらべて、
- 低重心
- 振動が少ない
- 吹け上がりが良い
といった特徴が水平対向エンジンにはあります。
いっぽうで、
- 部品点数が多い
- 排気系の取り回しが複雑
などの要因により、生産コストがかかるのが水平対向エンジンのデメリットだといえます。
たとえるなら、ラーメンに味玉やメンマなど、さまざまな具材をトッピングするほど値段が高くなるようなものです。
部品点数が多い水平対向エンジンは生産コストがかかるため、そのコストが車両販売価格に反映されるのは仕方がありません。
水平対向エンジンの搭載が、新型レヴォーグの価格を押し上げている要因の1つです。
ちなみに、「水平対向エンジンではない新型レヴォーグ」は存在しません。
どのタイプ、どのグレードのレヴォーグを選んでも水平対向エンジンです。
ちょうど、麺が入っていないラーメンが世の中に存在しないのとおなじです。
2. 四輪駆動しか選べないから
スバル車は基本的にすべて四駆です。
これは「四駆こそもっとも安全だ」とするスバルの哲学によるものです。
イメージとしては、「うちは豚骨ラーメンしかやってねぇ」という頑固な店主に近いのかもしれません。
四駆はシャフト(金属の軸)などの部品が必要になるため、二駆にくらべて生産コストがかかります。
たとえばマツダ3の車両価格は、2WDよりも4WDのほうが23万円ほど高額です。
トヨタのカローラも同様に、4WDが2WDの価格を20万円ほど上回っています。
つまり、四駆は高い、ということです。
ポルシェ911に関しては、カレラ(RR)よりもカレラ4(4WD)のほうが106万円ほど高額です。
残念ながら新型レヴォーグには、二駆のモデルが存在しません。
新型レヴォーグは、生産コストのかかる四駆オンリーです。
たとえるなら、チャーシューメンしか選べないラーメン屋のようなものです。
ふつうだったら、
- 醤油ラーメン
- チャーシューメン
といった具合で、客が好みに応じて選べます。
メニューにチャーシューメンしかない頑固なラーメン屋のように、四駆のレヴォーグしか作らないのが、スバルという自動車メーカーです。
生産コストのかかる四駆しか選べないことも、新型レヴォーグの価格を押し上げている要因の1つです。
3. アイサイトが標準装備だから
新型レヴォーグには、運転支援機能「アイサイト」が標準装備となっています。
私たちがアイサイトを必要としているかどうかは関係ありません。
どのグレードの新型レヴォーグにも、アイサイトが搭載されています。
ふたたびラーメンでたとえるなら、すべてのラーメンに味玉が入っており、そのぶん料金が高くなっているようなものです。
なかには「味玉は要らない」と感じるお客もいるでしょうが、標準で入っているので、味玉抜きにはできません。
端的にいって、不親切です。
新型レヴォーグもおなじです。
スバルの考える「安全なクルマ作り」のポリシーに基づき、運転支援機能が、全グレードのレヴォーグに与えられています。
参考までに、メルセデス・ベンツの運転支援機能である「レーダーセーフティパッケージ」は、オプション価格20〜25万円です。
これくらい費用のかかるものが、新型レヴォーグには標準装備されているわけなので、価格が高くなるのも無理はないでしょう。
ちなみにメルセデスは現在、全車種においてレーダーセーフティパッケージを標準装備としています。
ゆえに、上の20〜25万円という金額は、まだオプション扱いだった頃の料金です。
まとめ
スバル新型レヴォーグの価格が高い3つの理由をお伝えしてきました。
- 水平対向エンジン
- 四輪駆動
- アイサイト標準装備
これら3つの要素が、新型レヴォーグの車両価格をグッと押し上げています。
結果として、ライバル車にくらべて「高い」と感じてしまうわけです。
新型レヴォーグは、たとえるなら、味玉とメンマをトッピングしたチャーシューメンです。
すなわち、値段が上がるものが標準でゴテゴテ載っている、ということです。
スバルがもつ、
- 水平対向エンジン
- 四輪駆動
- アイサイト
これらの技術に魅力を感じるユーザーは良いでしょう。
上のようなスバルの技術に興味がない人にとって、新型レヴォーグは、無駄に高い自動車でしかありません。
以上、スバル新型レヴォーグの価格が高い3つの理由でした。
結論。新型レヴォーグは、味玉とメンマをトッピングしたチャーシューメン。ふつうの醤油ラーメンが食べたい人にとっては割高。
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