書籍についている帯は、買ったらすぐ捨ててしまって構いません。
帯をとっておく必要はない、ということです。
どうしてかというと、本を読むときに帯がズレたり曲がったり外れたりして、しばしば集中の妨げになるからです。
たとえるなら、新車のシートに被せてある「透明で薄いビニールカバー」みたいなものだといえます。
つけておいても邪魔なので、さっさと外して捨てるに限ります。
そもそも帯というのは、書籍を売る宣伝文(コピー)を発信するために巻かれています。
消費者の気を引くためのいわば"お飾り"です。
ですので、購入したらもう帯は必要ありません。
洋服の値札とおなじで、用なしです。
この記事では、
- 帯にはデメリットがある
- 本を売るときは帯があったほうが良い?
など、「本の帯は捨てるべきなのかとっておくべきなのか」をわかりやすく解説します。
明快な判断基準を持つため、ぜひ参考にしてみてください。
本の帯はゴミとして捨てるのが正解
帯はゴミです。
本が書店にならんでいる段階では「宣伝広告(プロモーション)」の役割を担っていますが、私たちが買った瞬間に役目を終えて、帯はゴミになります。
ゴミは捨てるに限ります。
買った本に帯を巻いておいても、ロクなことがありません。
帯は読書の妨げになる
もし本から帯を外さなかったら、どうなるでしょうか。
まず、帯のせいで本が読みにくくなります。
というのも帯は、定位置からズレたり、外れたりしやすいからです。
不安定な帯に気を取られていては、読書に集中できません。
そもそもSNSやニュースアプリのプッシュ通知など、ただでさえ「集中力」を奪われやすい世の中に私たちは生きています。
貴重な集中力を、わざわざ「帯ごとき」で脅かすことはないといえます。
フニャフニャ動く帯というのは、ちょうど映画館で頭をグラグラ揺らす前の客みたいなもので、厄介でしかありません。
だから、帯はさっさと捨てるのが賢明です。
「せっかくついてきた帯」を捨ててしまうのがもったいないのではありません。
そうではなく、不安定な帯のせいで70%の集中力で本を読む(というより目で文字を追う)ほうが、よほどもったいないといえます。
本の内容が頭に入ってこないからです。
したがって、読書の集中を妨げるリスクがあるものは、すべて排除しましょう。
たとえばスマホのプッシュ通知、やかましい掃除ロボット、それから帯です。
そうすれば、精神を落ち着かせて、本の内容だけに意識を集中できます。
帯は丈夫ではない
カバーと違い、帯は丈夫にできていません。
なぜなら、ポロモーションのために巻かれている帯(誰かが買ったら役目を終える)に、耐久性は必要ないからです。
ですので、手汗が染みると、帯はすぐヨレてシワになります。
ただでさえ不要なものが、ダメージを受けてますますみっともなくなり、いっそうゴミに近づくということです。
それにたいして、「書籍を保護するため」についているカバーは、丈夫にできています。
ちょうど、戦士でいうところの甲冑みたいなものです。
カバーは必要だからとっておく、帯は不要だし、破れたりヨレたりしやすい「ちゃちな販促ツール」なので捨てる、こんな認識で問題ありません。
帯のせいで本棚がうるさくなる
かつて、漫画家・楳図かずおが自宅を改装した際、白と赤のボーダーで外壁を塗ったせいで、「景観を損ねる」として近隣住人から差し止め申請を出されました。
本の帯もおなじです。
帯をつけっぱなしにしていると本棚の景観が損なわれます。
なぜなら、本棚に色が増えてゴチャゴチャするからです。
帯はたいてい、目立つように「カバーとは異なる色」で印刷されています。
たとえばカバーが白で帯は赤、カバーは黒で帯はオレンジといった具合に、帯によって本が上下2色にわかれます。
これを本棚に並べると、カラフルな背表紙のせいで統一感がなくなり、賢さどころかバカっぽさが漂います。
まるで車にぬいぐるみをいくつも並べているかのようなごちゃつき感、不規則さ、猥雑さが、本棚から出てしまう、ということです。
カラフルな本棚は美しくありません。
グミのパッケージではないので、本棚にポップさや賑やかさは不要です。
色を増やす帯はさっさと外し、小さく丸めてゴミ箱へ捨てましょう。
本棚への侵入を許すべきではありません。
なぜなら、景観が乱れるからです。
本を高く売るには帯が必須なのか?
外箱がついていたほうが、高級ブランドの財布はリサイクルショップで高く買い取ってもらえます。
ただしこれはブランド品の話で、本の帯は、査定に影響を与えません。
つまり、古本チェーンに本を持ち込んで売るとき、帯がついているかどうかで「10円から100円」に査定額が上がったりはしない、ということです。
なぜかというと、帯は「商品の一部」とはみなされないからです。
- 本体
- カバー
これが揃っていればじゅうぶんで、帯はオマケに過ぎません。
ページに挟まっているハガキやしおりとおなじ扱いです。
いっぽうで、もし帯ではなくカバーがついていなかったら、これはフロントガラスが吹っ飛んだ自動車みたいなもので、売り物にはならないといえます。
だから、カバーがついていない本は、論外です。
カバーを捨ててしまった本は、古本屋に持ち込むのではなく(恥をかくだけなので)、ゴミとして捨てるのが良いでしょう。
ただし帯に関していえば、新車のシートを覆っているビニールも同然なので、捨ててしまって問題ありません。
帯がないからといって買取額は安くなりませんし(傷や日焼けといったダメージが左右する)、ブックオフの店員から「あれ、帯はどうしたんです?」と聞かれたりもしない、ということです。
心配せず、躊躇なく、帯を外して捨てましょう。
例外はメルカリへの出品
本を売ってお金に変えたいとき、ブックオフ以外にも選択肢はあります。
たとえば、フリマアプリ・メルカリです。
個人のユーザー同士がモノを売り買いするための場を、メルカリは提供しています。
メルカリに本を出品するのであれば、帯付きのほうが良いでしょう。
というのも、帯がついていたほうが見栄えが良く、ユーザーに好印象を抱いてもらいやすいからです。
ただのお飾りに過ぎなかった帯が、「その本を欲しがっている人」の目を引いてくれる、ということです。
出品した本についている帯は、
- 丁寧な人
- 几帳面な人
こうしたプラスのイメージ、すなわち信用を生み出してくれます。
もしメルカリにおなじ書籍を出しているライバルがいたとしても、帯がついていなければ、打ち負かすことができるでしょう。
ですので、読み終えてメルカリに出品する考えならば、帯は捨てずにとっておくのが無難です。
そのほうが高く本が売れる、あるいは売れやすくなるからです。
読むときだけ帯を外しておいて(邪魔になるので)、読み終えたら帯をつけ、写真を撮ってメルカリに出品するのが良いかもしれません。
まとめ
本についている帯は捨てるのが基本です。
「読み終えたらメルカリで売る」ケースだけが例外で、そのつもりがなければ、帯は外して捨てましょう。
- 動くから集中を妨げる
- 耐久性が低く劣化しやすい
- 本棚がゴチャついて景観を損なう
これらのデメリットを背負ってまで、「プロモーション用の紙っぺら」を大事にすることはありません。
読んだ本を、
- 自宅で保管する
- ブックオフで売る
といった場合には、帯は不要です。
「あってもなくても変わらない」のではなく、ないほうが良いので、帯は丸めるなり破るなりしてゴミ箱へ入れましょう。
「でも、この帯にだって10円くらい払ってるわけだから捨てるのは惜しい」
こんなことを考えていたら、もっと大事なもの、たとえば集中力や本棚の知的さが失われてしまいかねません。
以上、本の帯は捨てるべきなのかとっておくべきなのか、でした。
【結論】捨てるべき。ただしメルカリに出品する予定なら、帯はとっておいたほうが良い。ちょっとだけ高く売れたり、すぐ売れやすくなったりするので。
読み終えた本はどうしていますか?
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「なにを読むか」はもちろん、「どう読むか」も読書好きなら押さえておきたいポイントです。
年間200冊の本を読んでも、内容が頭に残っていなければ何の意味もありません。