車を運転するなら、30分おきの休憩をおすすめします。
疲れていないからといって、1時間も2時間もぶっ通しで運転するべきではありません。
休憩とは、ただ車を止めるのではなく、車外に出ることをいいます。
というのも、座りすぎは私たちの寿命を縮めるからです。
休憩を挟まずに運転すればするほど、われわれは墓場に近づく(目的地ではなく)、ということです。
正しい知識を身につけて、賢くこまめに休憩しましょう。
この記事では、
- なぜ座りっぱなしは不健康なのか
- もっとも避けたい状況
など、「車の運転で休憩をとる目安」についてわかりやすく解説します。
快適なドライブのため、ぜひ参考にしてみてください。
車の運転で休憩をとる目安
立って車を運転する人はいません。
軽自動車もトラックもメルセデス・ベンツも、例外なくドライバーが座って運転するように設計されています。
そして、ここに問題があります。
なぜかというと、私たちの健康にとって「座位」は好ましくないからです。
たとえばデスクワーカーなど、座って過ごす時間が長い人ほど、総死亡リスクが高まります。
命を落としやすくなります。
ですので、サンドイッチの具材のように、運転時にはどんどん休憩を挟んでいきましょう。
30分に1回が目安です。
座り過ぎが健康を害する
まず、クルマの運転に関するショッキングな研究結果をお知らせします。
アメリカで行われた研究によると、移動手段で車に座っている時間が週平均10時間以上の男性は、週平均4時間未満の男性にくらべ、心血管疾患死亡リスク(脳卒中や心臓病)が50%高かったといいます。
つまり、1日あたり1時間30分以上クルマを運転する人は、(より運転しない人にくらべて)心血管疾患で死ぬ危険性が高まる、ということです。
自動車を運転している最中は、立ち上がったり、歩き回ったり、肩を回したりできません。
シートに座ったまま、ずっとおなじ姿勢をとり続けます。
お尻から太ももの裏側にかけて圧迫される座位では、立位にくらべて血流量が落ちます。
座っているとカラダの血行が悪くなる、ということです。
血の巡りが悪くなった結果、血液が凝固しやすくなったり(エコノミークラス症候群の原因)、心血管疾患のリスクが高まったりします。
さらに不健康な事実
それだけではありません。
座っている時間が長くなるほど、下肢の筋力が低下します。
なぜなら、座っていると足腰の筋肉を使わないからです。
運転に伴うブレーキやアクセル操作といった足の動きは、「運動」とは呼べません。
商品を5%オフにしたくらいで「大バーゲン」とは呼べないようなものです。
筋活動が減少すると、代謝疾患(メタボリックシンドローム)のリスクが高まります。
早い話が、休まずにずっと運転していてもロクなことがない、ということです。
はやる気持ちを抑えて、30分を目安に休憩をとりましょう。
私たちは24時間耐久レースに参加しているレーサーではありません。
1分1秒を競って誰かとバトルしているわけではないため、そう焦る必要はないのです。
なぜ30分に1回の休憩なのか
座位はカラダに良くないとお伝えしました。
とりわけ有害なのが、長時間におよぶ座りっぱなしです。
たとえば60分間イスに座るとしても、
- 立ち上がらずに座り続ける
- 休憩を挟んで30分と30分に分ける
この2パターンでは雲泥の差が生じます。
健康リスクを下げてくれるのは、後者です。
ですので、「連続で座っている時間」をなるべく短くしましょう。
運転時には、30分に1回を目安に休むようにしましょう。
もちろん5分ごとに休憩しても問題ありませんが、遅々としてクルマが進まないため、たぶん同乗者は不機嫌になります。
休憩時には、かならず車から降りて立ち上がってください。
車の近くをブラブラと歩けば、滞っていた血流が改善され、体のすみずみまで酸素と栄養が供給されます。
これで心血管疾患による死亡リスクを抑えられるだけでなく、運転がもたらす疲労も軽減できるはずです。
「30分以上つづけて運転しない」をマイルールに追加して、脳卒中や心臓病でこの世を去るリスクをグッと下げましょう。
まとめ
運転中に限らず、座っていて良いことはありません。
デスクワーク、大学の講義、運転、ソファに座ってスマホ操作、すべて不健康です。
だからこそ世の中には「不健康だから家ではいっさい座らない」という主義の人もいるくらいです。
こうした人物は、立って読書をし、立ってコーヒーを飲み、立ってネット検索をします。
ちなみに、肩こりや腰痛を防ぐには「立って過ごすこと」が有効です。
どうしてかというと、立位よりも、座位のほうが腰や首に負担がかかるからです。
もし慢性的な肩こりや腰痛に悩まされているとすれば、 なおのこと、運転時に「休憩」を挟んでいくべきだといえるでしょう。
休むことなく「5分でも早く目的地に着きたい」と息巻いて運転していると、思ったよりも早く、あの世に到着しかねません。
30分ごとの休憩は、一見すると「休んでばかりで時間を損している」ように思えますが、実際には「損して得とれ」的な行動です。
長期的な視点に立ち、目先の数分にとらわれることなく、人生の時間を大切にしましょう。
心血管系のトラブルで死なないよう注意しよう、ということです。
以上、車の運転で休憩をとる目安についてでした。
【結論】30分ごとにクルマを止めて、歩こう。休まずに運転していると、すぐ人生のゴールに到着してしまう。そこには行きたくないはず。
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普段、何に気をつけて右折していますか?
【参考文献】
岡浩一朗『「座りすぎ」が寿命を縮める』大修館書店、2017年