映画館の売店で売っているポップコーンやドリンクは、割高です。
「もっと安ければ買うのに……」
と思っている人もいることでしょう。
たとえば映画館において、ポップコーンは400〜500円、飲み物は300〜400円ほどで販売されていますが、スーパーだったらそれぞれ100円程度で買えます。
つまり、スーパーの販売価格より3〜5倍ほど高い、ということです。
もちろん、高級な原材料を使っているから高いわけではありません(こだわった有機栽培のトウモロコシからポップコーンを作っている、とかではない)。
映画館のフードやドリンクが高い理由はシンプルで、儲けるため、です。
映画館にとって、売店の売上は「重要な収入源」のひとつなのです。
この記事では、
- 作品の上映だけでは儲からない?
- 売店は映画館の副業みたいなもの
- 自宅から飲み物を持ち込むのはNG?
など、「映画館で売っている飲み物やポップコーンの値段が高い理由」をわかりやすく解説します。
高い価格の裏側にある"映画館が儲ける仕組み"を知るため、ぜひ参考にしてみてください。
映画館で売っている飲み物やポップコーンの値段が高い理由
売店(コンセッション)にならぶジュースやポップコーン、ホットドッグが高いのは、映画館が儲けたいから、です。
高級食材をじっくりこだわって調理しているから、ではありません。
たとえば、会社員が収入を増やしたいとき、まず考えるのが副業です。
副業として、
- 動画配信
- ブログアフィリエイト
- 土日にアルバイト
などを行うことで、本業とは別の収入源を確保します。
映画館もおなじです。
作品の上映という本業にプラスして、さらに稼ぐために「飲食物の販売」という副業をしている、そんなイメージです。
つまり、映画館が飲み物やポップコーンを販売するのは利益を増やすためであって、奉仕やボランティアのためではありません。
だから、儲かるように価格が高く設定されています。
売店は映画館にとっての副業
「でも、お客が払う鑑賞料金で映画館は稼いでいるのでは?」
そう感じる方がいるかもしれません。
たしかに、大人1人あたり1,800円ほどのチケット代を支払って作品を観ますが、これがすべて映画館の利益になるわけではありません。
作品の興行収入は、映画の制作に携わった人たちに分配されます。
具体的には、
- 監督
- 脚本家
- 撮影スタッフ
- 俳優
- 声優
- 配給会社
など、多くの関係者で利益を分け合います。
映画館もこのうちのひとつに過ぎず、「鑑賞料金1,800円をせんぶ独占してボロ儲け」ではないのです。
そこで、映画館が売上を増やすために行なっているサイドビジネスが売店(コンセッション)です。
みんなで山分けする興行収入と違い、飲食物の売上は、原価を除くすべてが映画館の利益になります。
映画館の利益を増やすことが目的なので、ポップコーンやドリンク、その他のフードが高いのは仕方ないといえます。
ちょうど、ホテルのルームサービスが高いのと似ています。
コンビニなら1つ200〜300円で買えるサンドイッチが、ルームサービスで頼むと1,000〜2,000円ほどの料金を取られたりします。
それもこれも、利益を増やすためです。
カラオケBOXで注文するフードやドリンクが高いのもおなじ理由です(利用料金を安く抑えてお客を呼び込み、利益率の高い飲食物で儲ける)。
利益アップが売店運営の目的だからこそ、「お客による館外からの飲食物の持ち込み」を映画館は嫌います。
「館外から持ち込まないでください」とアナウンスしています。
というのも、鑑賞客に売店を利用してもらわないと映画館の売上が減るからです。
やや乱暴ないい方をするなら、「俺たちの儲けが減るからジュースやお菓子は持ち込み禁止。売店で買ってお金を落としてネ」といったところです。
地元の映画館を応援したい気持ちがあるなら、ポップコーンやコーラを買って売上アップに貢献すれば良いでしょう。
とはいえ、「映画館の利益よりも自分のカネのほうが大事だ」という方が大多数のはずです。
では、ドリンク代を節約するために、館内にペットボトル飲料を持ち込んでも良いのでしょうか?
ドリンクやお菓子を館内に持ち込むのはNG?
多くの映画館では、館外からの飲食物の持ち込みをNGとしています。
もちろん法律ではないので、無視しても逮捕されたりはしません。
厳密にいえば、禁止しているわけではなく、「持ち込みはご遠慮ください」とやんわり断っているケースがほとんどです。
なぜかというと、持ち込んで欲しくない理由が独善的だから(自分らが儲けるためだから)です。
- 売店で買った飲食物:持ち込みOK
- 持参した飲食物:持ち込みNG
こんなジャイアンみたいな理論では、鑑賞客を納得させるのは難しいでしょう。
美術館のように「館内での飲食禁止」ならともかく、映画館は飲食OKです。
だったら本来、どこで買った飲食物か、は関係ないはずです。
「持ち込むと利益が減る。売店で買ってお金を落としてネ」は暴論に近く、だから、納得していない鑑賞客も少なくありません。
事実、ペットボトル飲料を館内に持ち込んでこっそり飲んでいる人はチラホラいます。
鑑賞客のなかには、
- 水しか飲みたくない
- ジャスミン茶が飲みたい
- カフェインと砂糖を避けたい
なんてこだわりのある人もいるはずです。
がしかし、映画館の売店には売っていません。
売っていないなら、自分で用意して持ち込むしかないでしょう。
もちろん、飲食物の持ち込みを推奨するわけではありませんが、ジャイアン風の身勝手なルールには付き合いきれませんし、上のような"やむを得ないケース"があるのも事実です。
したがって、
- 高い金額に納得できない
- 飲み物にはこだわりがある
といった方は、自分で用意したドリンクを持ち込む選択肢もあります。
ただし、ペットボトル飲料を堂々と出しているとほかの真面目なお客に注意される恐れがあるため、館内が暗くなるまではバッグのなかにしまっておきましょう。
劇場スタッフが鑑賞客の持ち込みをチェックして回ることはありません。
気をつけるべきは、隣や後ろの席に座っているお客です。
「ペットボトルで飲む動作が目立って気になる……」
という方は、自宅からストローも持参しましょう。
ストローをさして飲めば、ペットボトルを高々と持ち上げて飲む必要がなく、ほかの鑑賞客から白い目で見られずに済みます。
まとめ
映画館で売っているポップコーンや飲み物の値段が高いのは、映画館が儲けるため、です。
映画館が「飲食物の館内への持ち込み」を嫌がるのは、儲けが減ってしまうから、です。
お客が払う鑑賞料金は映画館にとって収入の柱ですが、それだけで満足な利益が得られるわけではありません。
興行収入がすべて映画館の懐に入るわけではなく、多くの制作関係者で山分けするからです。
だから、地方などお客の少ない映画館にとって、売店の売上は"経営の生命線"だったりします。
副業に精を出すビジネスパーソンのように、映画館もフードやドリンクを売って稼ぎを増やしている、そうお考えください。
こうした映画館の裏側や利益構造を知って共感できたなら、応援するつもりでポップコーンを買うのも良いでしょう。
誰ひとりとして売店を利用しなくなったら、近所の映画館が潰れてしまうかもしれません。
「いや、やっぱり納得できない。値段は高過ぎるし、持ち込みNGのルールは理不尽だし。コーラなんかスーパーで100円以下で買えるのに」
と憤慨している方は、ドリンクをこっそり持ち込んだほうが満足できるはずです。
ただし、厄介事やトラブルを避けるために、
- バッグに入れて持ち込む
- 館内が暗くなるまで出さない
- ほかの客に見られないよう注意する
- ストローを使い飲む動作を最小限にする
といった工夫が必要です。
「周囲に気を遣ってコソコソするなんて、それはそれで面倒くさい。後ろめたさを感じるのも嫌だし」
という方は、コンセッションで買ったドリンクを堂々と飲むのが良いのかもしれません。
以上、映画館の売店で売っている飲み物やポップコーンの値段が高い理由でした。
【結論】映画館が儲けたいから。安過ぎると儲からないし、高過ぎると売れない。そこそこ売れてしっかり儲かる価格設定がアレ。気にせず買う人もいるが、高くて躊躇する人は多い。持ち込み禁止は"暴論"なので、無理に従う必要はない。水筒やペットボトルをこっそり持参し、こっそり飲もう。チケット代で映画館の売上には貢献しているから大丈夫。
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