誰でもYouTubeにゲーム実況動画を投稿することはできますが、誰でも稼げるわけではありません。
つまり、ゲーム実況を始めるハードルとお金を稼ぐハードルは、高さがまったく違う、ということです。
たとえるなら、風呂場やカラオケで歌うのは簡単でも、歌手として収入を得るのは難しいようなものです。
「でも、ゲーム実況で大金を稼いでいるYouTuberや配信者が現に存在するじゃないか」
と思う方がいるかもしれません。
たしかに世の中には、副業のゲーム実況動画で月に150万円を稼ぎ出す会社員が存在します。
では、彼/彼女らのような「人気ゲーム実況者」になるためには、どんなスキルや心構えが必要なのでしょうか。
この記事では、
- 競争相手は女優やお笑い芸人
- ゲームが好きでも続けられない理由
- 大半は稼ぐステージに立つ前に挫折する
など、「YouTubeのゲーム実況動画で稼げない理由」をわかりやすく解説します。
高額な機材を買いそろえてから「無理だ……やめとけばよかった……」と後悔しないよう、ぜひ参考にしてみてください。
YouTubeのゲーム実況動画で稼げない理由3選
大好きなゲームをプレイして暮らせたら最高だ……そう思うかもしれませんが、ゲーム実況動画を投稿して収益を得るのは、簡単ではありません。
むしろ"無理ゲー"だといって良いでしょう。
理由は以下のとおりです。
- レッドオーシャンだから
- 編集作業が大変だから
- 稼ぐ前に心が折れるから
ゲーム実況で稼いで生活する(ないしお小遣いの足しにする)のは、夢のような話で、現実はそう甘くないのです。
では、YouTubeのゲーム実況動画で稼げない理由を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. レッドオーシャンだから
ゲームで遊んで儲けられたら嬉しい……そう考えるのはあなただけではありません。
みんなゲームが大好きで、大勢が似たような考えを持っているからこそ、ゲーム実況市場には多くのライバルが存在しています。
たくさんの競合がひしめいている……いわゆる「レッドオーシャン」というやつです。
たとえば、あなたがラーメン屋を始めるとしましょう。
出店したいエリアに10店舗以上の人気ラーメン店がそろっていたら、いまから参入しても勝ち目はありません。
だったら、近くにラーメン屋がないエリアを探すか、(さっきのエリアに)焼肉店をオープンしたほうが良いでしょう。
ゲーム実況もおなじで、すでに多くの人気者が存在しており、ファンをがっちりつかんでいます。
ゆえに、私たちがいまからゲーム実況を始めて、ほかの人気実況者からファンを「奪う」ことなど不可能です(各タイトルごと、たとえばスプラトゥーンにはスプラトゥーンの人気者がいて、牙城を崩すのは難しい)。
「でも、面白い実況動画をアップすれば見てもらえるはず」
そう思う方がいるかもしれません。
が、私たちのライバルはただの素人ではなく、
- 女優(顔を見ているだけで癒される)
- アイドル(ひたすら可愛い/イケメン)
- お笑い芸人(話術のプロ)
- 声優(声を聞けれるだけで嬉しい)
- グラビアアイドル(そそられる)
- セクシー女優(色っぽい)
- 人気YouTuber(ファンが多い)
など、何らかの分野で成功している「プロ」が相手です。
本田翼や狩野英孝、あべみかこと再生数を競って勝てるのか、という話です。
ただの学生、ただの社会人、つまり一般人の私たちが「芸能人」に勝負を挑んだところで、結果は目に見えているでしょう。
その証拠にあなた自身だって、どこの誰だか知らないヤツのゲーム実況を見るくらいなら、好きな芸能人のゲーム実況を見たいと思うはずです。
ライバルが多すぎるし強力すぎる、これがYouTubeのゲーム実況動画で稼げない1つ目の(そして最大の)理由です。
2. 編集作業が大変だから
YouTubeにゲーム実況動画をアップするには、二段階の作業を行う必要があります。
- ゲームをプレイする
- 動画を編集する
「ゲームが大好きだからゲーム実況に向いているはずだ」と考えるのはよくある勘違いで、動画を投稿するためには、地道な編集作業をこなさなければなりません。
実際のところ、ゲームのプレイ時間を編集時間が上回ることはザラです。
「どこまでこだわって編集するか」にもよりますが、目安として、10分の動画を作成するのに2〜10時間ほどかかるとお考えください。
つまり、(ほんとうにやりたい)ゲームよりも、(地味で面倒な)編集作業のほうが長いのが現実だ、ということです。
やりたくもない編集作業に時間を割くくらいなら、稼げなくても良いから、大好きなゲームで遊んでいたほうが良い……そう考えが変わるかもしれません。
なぜなら、動画編集のせいで、大好きなゲームのプレイ時間が削られるからです。
アイドルでたとえるなら、華やかに見えるステージでのパフォーマンスの裏に、地道で過酷なレッスンの日々があるようなものです。
レッスンに耐えなければステージに立てないように、動画編集をこなさなければ、YouTubeに完成品をアップできません。
ちなみに、芸能人はたいてい複数人のチームを組んで(本人ではなくプロ集団が)動画を作成しています。
素人の私たちが、芸能人のゲーム実況動画のクオリティを目指すとしたら、途轍もない時間と労力がかかることでしょう。
まるでプロのイラストを素人が真似るようなもので、実力の差を思い知って意気消沈するかもしれません。
クオリティを追求するどころか、
- 編集の仕方がわからない
- 編集ソフトをうまく扱えない
- 声を録音できない
- 動画が低画質になってしまう
- 音声が小さくなってしまう
- 音声が低くなってしまう
など、初歩的なトラブルにつまづき、1本も動画を投稿できないまま挫折する恐れがあります。
動画編集が地味で大変でイヤになりやすいから(だったら普通にゲームで遊んでいたほうが数倍楽しいから)、これがゲーム実況動画で稼げない2つ目の理由です。
なお、編集の必要がないライブ配信は「芸能人や人気YouTuber」だから許されるのであって、素人のゲーム実況生配信を見てくれる"暇人"はいません。
むしろ、ダラダラと間伸びした配信は登録者を減らす恐れがあるためご注意ください(登録解除の原因になりかねない、ということ)。
3. 稼ぐ前に心が折れるから
地道な編集作業を乗り越えて、ゲーム実況動画をYouTubeに投稿したとしましょう。
がしかし、努力したにもかかわらずほとんど再生されません。
その後もネバーギブアップの精神で動画投稿をつづけますが、3年継続した時点で、チャンネル登録者数は目標を大きく下回るたったの300人です。
……これが「一般人のゲーム実況動画の現実」だとお考えください。
もちろん、あなたが芸能人であったり、プロ級の腕前を持っていたりするなら話は別ですが、そうでないただの素人なら、収益化の条件クリアすら難しいでしょう(動画を投稿してすぐに広告収入が得られるわけではない)。
【YouTubeチャンネルの収益化条件(一部)】
- チャンネル登録者数が1,000人以上
- 動画の総再生時間が直近12ヶ月で4,000時間以上
これらの条件をクリアできず、動画投稿で1円も稼げないまま辞めていく人がほとんどです。
パソコンやマイクなど機材にそれなりのお金をかけたにもかかわらず、です。
条件を満たすまでの「収入ゼロ期間」を乗り越えるためには、
- 編集作業にワクワクする
- 少ない再生回数でも満足できる
- 課題を見つけて解決するのが好き
など、まるで趣味のように「ゲーム実況動画の投稿」をまるごと楽しめる必要があります。
そうでなければ、いつまで続くのかわからない"タダ働き"に嫌気が差して動画投稿を辞めたくなることでしょう。
表現を変えるなら、収益にならなくても(趣味として)ゲームは楽しめるが、動画編集を楽しめるかどうかは人による、ということです。
- 自分のプレイ動画を見てほしい
- 他人からのコメントがほしい
- 編集スキルを身につけて転職したい
こうした動機ならともかく、「カネのため」の投稿だとしたら、無報酬の編集作業などやっていられないかもしれません。
だったら、ほかの副業を始めたほうがよほど効率的かつ確実に稼げることでしょう。
というのも、ゲーム実況動画でお金を稼ごうとするのは、"働けど働けど給料が振り込まれないアルバイト"を行うようなものだからです。
チャンネル収益化の条件をクリアするまでの「無報酬期間」にうんざりして投げ出したくなるから、これがYouTubeのゲーム実況動画で稼げない3つ目の理由です。
気づいたら、編集作業を辞めてただのゲーマーに戻っているかもしれません。
まとめ
YouTubeのゲーム実況動画で稼げない理由はつぎのとおりです。
- レッドオーシャンだから
- 編集作業が大変だから
- 稼ぐ前に心が折れるから
あなたがイケメン俳優や人気グラビアアイドルであれば、ファンビジネスとしてゲーム実況に手を出すのも良いでしょう。
なぜなら、一定数の再生が見込めるからです。
ゲーム配信をすればいわゆる"投げ銭"に期待できるかもしれません。
ただし、名が知られた芸能人であれば、です。
おなじゲーム実況を私たち「一般人」がしたところで、たいした再生数は見込めません。
エッセイ本でたとえるなら、
- 芸能人のエッセイ:ファンが買う
- 一般人のエッセイ:誰も買わない
ご覧のとおりで、これはそのまま「ゲーム実況動画」にも当てはまります。
- 芸能人のゲーム実況:ファンが見る
- 一般人のゲーム実況:誰が見る?
これが現実です。
もちろん、あなたのゲーム実況チャンネルが「面白すぎる」と話題を呼び、いずれトンデモナイ収益をもたらすかもしれません。
が、それは"東大を受ければ受かるかもしれない"とおなじくらい可能性の低い話です。
多くのユーザーは「見ず知らずの人間がゲームしてはしゃぐ動画」に興味などありません。
最後まで見たら10円が振り込まれるとしても、誰も見ないでしょう。
お金を稼ぎたい気持ちは否定しませんが、ゲームに結びつけるのはおすすめしません。
なぜなら、ここまで見てきたとおりゲーム実況動画で稼ぐのは"無理ゲー"だからです(YouTube以外の配信プラットフォームでも事情はおなじ。時間とコストと労力を無駄にするだけ)。
結局のところ、芸能人や人気YouTuberが投稿したゲーム実況動画を見るくらいがちょうど良いといえるでしょう。
自らが投稿者側に回るのではなく、です(だったら普通にゲームで遊んだほうが楽しい)。
以上、YouTubeのゲーム実況動画で稼げない理由でした。
【結論】誰でも始められるが、誰でも稼げるわけではない。誰でも東大を目指せるが、誰でも入学できるわけでないのとおなじ。競争相手が多い(しかも芸能人も含まれる)こと、動画編集作業がキツいこと、収益化までの道のりが険しいことが「稼げない」要因。もちろん、本当に稼げないかどうかは試してみるまでわからないが。
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