私は思った。
ちょっと高めのマウスを買えば定時退社できるにちがいない、と。
会社支給のチープなマウス
それまで会社で使っていたマウスはというと、それはそれは低劣なものでした。
人間工学なんて完全に無視したシロモノで、2年使っても手に馴染まないし、しょっちゅう反応しなくなる。クリック音は世界一やかましく、白いプラスチックのボディは黄ばんでいる。
それだけではありません。1回しかクリックしていないのに、なぜか「こいつダブルクリックしましたよ」の信号をパソコンに送りやがるんです。
おかげでファイルをドラッグしたいだけなのにすぐ開いちゃう、という惨事に見舞われます。
そんなわけですので、ヘボいマウスを使っている私が残業をすることは、炭酸飲料を飲んだらゲップが出るのとおなじくらい自然なことでした。
自腹でマウス購入
そこで私は、ちょっぴり高めのマウスを買うことにしました。
多くは望みません。1回クリックしたら「こいつ1回クリックしましたよ」と信号を送ってくれればそれでいい。欲をいえば、人間工学とやらに基づいた設計であれば完璧です。
で、ちょうど希望を満たす商品がありましたので、1500円で購入。
これで定時退社できるなら安いもんじゃないか、と思いました。
職場に持っていって、「わたし!新しいマウスよ!」といって古いマウスにぶつけると、古いマウスは衝撃でどこかへ飛んでいきました。
効率100倍サラリーマン!の誕生です。
操作性向上で気分上昇
新しいマウスは鋭い反応を見せてくれました。1回のクリックをダブルクリックと誤審することもありません。じつに快適です。
けっして1時間も2時間も短縮できるわけではありませんが、気分は良くなりました。
手元のボタンで戻れる
画面左上までカーソルを移動しなくても、マウスのボタンを押すだけで戻れる。そんなステキな機能がついていました。
「進む」も「戻る」も手元のボタンで自由自在。なんて快適なんでしょう。
せいぜい2秒程度の効率化にしかなりませんが、気分は上々です。
洗練されたデザイン
それまでの黄ばんだマウスとは別格です。光沢があって、造形も美しい。くらべものにならないくらいお洒落です。
カッコよさは業務効率になんの関係もありませんが、おかげでものすごく気分が良くなりました。
長時間使っても疲れない
新しいマウスにしてから手が疲れなくなりました。デザイナーはたぶん人間工学に精通しています。
肉体的な疲労から解放されて気分が良いです。
抑えられたクリック音
クリック音が静かであることが、こんなにも私の気分を良くしてくれるとは!
検証結果
高いマウスは気分を良くしてくれる。
以上。
エピローグ
残念ながら、あいかわらず私は残業をしています。
「そりゃそうだろう。マウスを買い換えたくらいで定時退社なんてできっこない。原因はもっと別のところにあるんだよ」
と言いたい気持ちはわかります。
しかし、私は考えました。
「そもそもどうして定時に帰りたいのだろうか?」と。それはプライベートの時間を充実させるためです。
じゃあ、どうしてプライベートな時間を充実させたいのか。それは、趣味や娯楽に時間を使いたいから。気分良く過ごしたいから。
気分良く過ごしたい……?
なんだ、もう叶ってました。
もっと時間が欲しい人にオススメの記事です。