なぜ私たちはネガティブなニュースにばかり気を取られ、悲観的になってしまうのでしょうか?
煽り運転のニュースが増えているからといって、煽り運転が増加していると思い込んでいませんか?
この記事では、ハンス・ロスリング他著『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の感想
本書では、「思い込みにとらわれず、データに基づいて正しく考える」ことが提唱されていました。
私たちはつい思い込みをし、誤ったフィルターを通して世界を見てしまう習性があります。
たとえば貧乏人とお金持ちなど。
ついこうして物事を2つに分けて考えてしまいがちです(分断本能)。
しかし実際には貧乏でもお金持ちでもない、中間層が存在しています。
そうした思い込みを指摘し、「どうやって注意するべきか」を教えてくれるのが本書です。
情報に接するうえで、本書の知識はとても有意義であると感じました。
(熱心な読書家として知られるビル・ゲイツ氏も本書をおすすめしています)
10種類の思い込み
本書では、私たちが陥りがちな10種類の思い込みが紹介されています。
- 分断本能
- ネガティブ本能
- 直線本能
- 恐怖本能
- 過大視本能
- パターン化本能
- 宿命本能
- 単純化本能
- 犯人捜し本能
- 焦り本能
名称を見ただけで、おおよそどんな思い込みか想像できるかと思います。
人は誰しもこうした本能を持っているんですね。
もちろん10種類すべての思い込みにとらわれている人もいれば、意識的にいくつかを避け、2〜3種類の思い込みで済んでいる人もいます。
(上記のどれにも該当せずに正しくデータを読めている人は、本書を手に取る必要はありません)
正しく世界を見るためには、これらすべての本能から解放され、思い込みを捨てなければなりません。
その手助けをしてくれるのが本書です。
わかりやすい構成
本書はとてもわかりやすい構成をとっています。
まず、上記の本能について、どういった思い込みを招くのかが説明されます。
さらには具体例を紹介し、「こんなふうにデータを読み間違う」と読者に教えてくれます(ここで「なるほど!」と思う)。
それからグラフやデータなどを用いて、正しく読み取るとこうなる、と提示します(ここで「うわ、本当だ!」と思う)。
最後に、思い込みを避けるために気をつけるべきことが端的に書かれています(ここで「覚えておきます!」と決意する)。
こんな流れですね。
上記の構成で、10種類の本能(思い込み)を順番に解説してくれます。
とてもわかりやすく感じました。
お金持ち系の自己啓発書
たとえば「パターン化本能」はお金持ち系の自己啓発書によく見られます(私の意見です)。
「シリコンバレーのお金持ちに接して分かったこと」を、さも「すべてのお金持ちに共通する事項」であるかのように紹介していたり。
これは書き手も読み手も「パターン化本能」にとらわれているといえます。
ですから、こうした「お金持ちの習慣」的な本を読む際には、「どんな分類がなされているのか」をしっかり確認しなければなりません。
なぜなら、一つの例がすべてにあてはまるわけではないので。
お金持ちといっても、医者、経営者、資産家など多種多様ですよね。
そのため、その本が「どんなお金持ちを調査し、お金持ちの共通事項としてパターン化しているのか」をチェックしておくべきだといえます。
まとめ
本書を読むと、「自分がどんな思い込みを抱えているのか」を知れます。
意識すれば回避できるため、まずは自身の思い込みを把握するのが大切ですね。
悪いニュースが増えたことを、件数が増加していると勘違いしていないか。
グラフは真っ直ぐになると思っていないか、など。
本書を読んで、1つでも思い込みに気づけたら儲けものだと思います。
ぜひ本能を抑えるための対処法を学んで、世界を正しく見ませんか?
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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以上、ハンス・ロスリング他著『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を読んだ感想でした。