あなたには「やりたいこと」がありますか?
この記事では、香山リカ著『本当にやりたいこと!を見つける33の方法』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『本当にやりたいこと!を見つける33の方法』の感想
正直な話、本書を読んだだけで「やりたいこと」を見つけるのは難しそうです。
その理由はシンプルで、本書には「やりたいこと」を見つけるための具体的な方法が書かれていないから。
ほとんど著者のエッセイのような感じでした。
テーマが矛盾している
そもそも、本書には大きな矛盾点があります。
『本当にやりたいこと!を見つける33の方法』というタイトルにもかかわらず、著者は「本当にやりたいことを見つける必要はない」と述べているんですよね。
それもいきなり冒頭で。
これを読んでみなさん「どういうこと?」と感じているでしょう。
「どういうこと?」って私も思いました。
やりたいことは見つけるのはマズい?
著者の主張はこうです。
まず、誰もがほんとうの欲求に気づいてしまったら、仕事や家庭などの社会生活ができなくなる危険性がある(みんなが好き勝手なことをしていたら困る)。
だから、人間の心には安全装置が備わっていて、ほんとうにやりたいことが簡単には見つからないようになっている。
安全装置を外してまで「ほんとうにやりたいこと」を見つける必要はない。
……このように、冒頭からいきなり出鼻をくじかれます。
たとえば私の本当にやりたいことが「三輪車で日本一周」だったとしますよね。
で、あなたのやりたいことが「ツチノコ探し」だったとします。
みんなが好き放題やっていたら、家庭は崩壊しますし、日本経済は破綻します。
だいぶ迷惑なわけです。
だから心に「安全装置」なるものがついていて、私たちが好きなことを見つけるのを阻止している。
安全装置を解除してまでやりたいことを見つける必要はない、と。
冒頭でいきなり終了
このように、本書のテーマと著者の主張が矛盾しているんですよね。
『長生きしたければ三輪車で移動しなさい!』という本があったとします(実在しません)。
ところが冒頭で「長生きする必要なんてないんだ」と著者が述べている。
これとほとんどいっしょです。
「はぁ?」ってな気分です。
まとめ
著者がなにをいいたいのか、最後までさっぱりわかりませんでした。
本書はただのエッセイです。
本当にやりたいことを見つけるノウハウなど、どこにも書かれていません。
代わりに「痩せたい願望は心の病の始まり」などという、トンデモナイ主張なら書かれています。
なお、「やりたいこと」に関してかろうじて拾えた情報があるので、最後にそちらを紹介しますね。
「おおらかに自分を信じること」
これです。
これでいいのだそうです。
やりたいことを探すのではなく、おおらかに自分を信じる。
誰かにアドバイスを求める必要はない、と。
なんというか、とことん矛盾した本です。
やりたいことも著者の真意も見つけられませんでした。
かわりに見つけたのは、1冊の駄本。
……お後がよろしくありません。
以上、香山リカ著『本当にやりたいこと!を見つける33の方法』を読んだ感想でした。
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