本書には「がんにならない方法」が載っています。
ただしその方法は、予防だけではありません。
「がんにならない方法」には、
- がんを忘れる
- がんを無視する
- がんを治療しない
- 検査を受けずがんを見つけない
などを含みます。
この記事では、近藤誠著『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』の要約と感想
まずは本書の要約から。
がんには2種類ある。
本物のがんと、偽物のがんである。
本物のがんは、早期発見をしても、何をしても治せない。
むしろ治療が患者の寿命を縮める恐れがある。
いっぽうでがんに似ている"がんもどき"は、がんではないので、治療する必要はない。
がんにならないために守るべきルールや、医療がビジネスである現実などを、医師である著者が解説する。
以上がおもな内容です。
医療といえど、ビジネスです。
なかでもがん医療は、医療ビジネスの大黒柱だといいます。
気をつけていなければ私たちは、検査そして治療というベルトコンベアに乗せられてしまうかもしれません。
無害ながんもどきを見つけられ、意味もなく体を傷つけられて損などしなくないはずです。
日本人の死因トップががんである今、本書はすべての方におすすめの一冊です。
がんの早期発見･早期治療に否定的
著者はがんの早期発見･早期治療に否定的な立場をとっています。
なぜなら、がんを早く見つけるほど、苦しんで早死にしやすいからです。
したがって著者は、がん検査を受けないことを勧めています。
検査を受けなければ、がんの早期発見などありえません。
ゆえに、余計な治療で苦しむことはないといいます。
手術や投薬、放射線治療などの代わりに、著者はがんの緩和ケアを推奨していました。
これは、痛みや呼吸苦が出てきた際に、これらの症状を和らげるケアを指します。
緩和ケアこそ患者がもっとも苦しまず、お金もかからず、延命につながるのだそうです。
がんを治すのではなく、症状をとるというのが、著者である近藤医師の考え方です。
がんは早期発見･早期治療すべきだという常識を疑ったことはありますか？
がんの早期発見･早期治療でほんとうに得をしているのは、患者なのか、それとも病院なのか。
がんは治せない
がんの治療を勧めない根拠として、著者は「本物のがんは治せない」ことを挙げていました。
遺伝子の突然変異によって生じる遺伝子の病気が、がんです。
DNAを構成する分子が変異してしまったら、どんなことをしても元に戻せないのだといいます。
どんな成分を摂取しても、体を温めても、免疫細胞を増やしても、がん細胞を消すことは不可能だそうです。
割れてしまったグラスを元に戻せないようなもの。
つまるところ、怪しい民間療法や抗がんサプリに騙されてお金を搾取されないように気をつけるべきだということです。
手術や投薬、放射線治療にも意味がないのだとしたら、ただ苦しい思いをして、お金を失い、寿命を縮めてしまうだけかもしれません。
ピロリ菌の除去について
胃がんの原因になるとされているピロリ菌の早期発見･早期除去についても、著者は否定的です。
なぜなら、ピロリ菌を除去して減らせるのは「がんもどき」だけで、本物の胃がんは減らせないからです。
むしろピロリ菌の除去はしないほうがいいと、近藤氏は述べていました。
ピロリ菌の除去には大量の抗生物質を使います。
抗生物質により腸内細菌のバランスが崩れ、ピロリ菌に代わって他の菌が暴れ出すことがあります。
これを「菌交代現象」といいます。
この菌交代現象には、重い腸炎を引き起こすリスクがあるのだそうです。
ピロリ菌簡易検査キットなど、ピロリ菌の早期発見･早期除去ビジネスに群がっている人々を著者は批判していました。
ドル箱である、と。
まとめ
本書には、私たちの多くが信じている「がんの常識」とは真逆の内容が書かれています。
ゆえに、なにを信じたら良いのかわからなくなってしまうかもしれません。
がん検査は受けたほうがいいのか、受けないほうがいいのか。
検査被曝は気にしなくていいのか、CTは避けたほうがいいのか。
がんについてあらゆる情報を知り、最終的な判断を下すのは、ご自身です。
なぜなら、自分の身体は自分のものだからです。
検査を受けない選択もできますし、腫瘍が見つかったとして治療しない道も選べます。
あなたはがんにんついて、どれだけの知識を持っていますか？
ただなんとなく恐れているだけだとしたら、ぜひ本書を読んでみてください。
「がん細胞」かどうかを病院サイドがどうやって見極めているのかを知ったあなたは、その実態に驚くかもしれません。
以上、近藤誠著『近藤誠がやっているがんにならない30の習慣』の要約と感想でした。
結論。読めば困惑するが、読まなければ損をする。がんについて考えるきっかけになる日本人必読の一冊。発がん物質や紫外線など、日常生活での注意事項についても解説あり。
