青汁はいつ飲んでも構いません。
これといった推奨のタイミングはない、ということです。
その証拠に、某青汁の商品パッケージには「いつでも飲んで良い」とだけ記されており、具体的な摂取タイミングは書かれていません。
そもそも青汁は野菜不足を解消するための飲み物ですので、いつ飲んでも問題ないのです。
朝飲んでも昼に飲んでも夜に飲んでも、青汁は、われわれの野菜不足解消に役立ってくれます。
ただ、青汁に「野菜不足解消」以上の効果を求めるのであれば、青汁は朝か食事前に飲むのが良いでしょう。
理由は後述します。
この記事では、
- 青汁の睡眠改善効果
- プラスひと手間で肥満防止
など、「青汁を飲むタイミング」についてわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
青汁を飲むべきタイミング
たとえば日記は、朝ではなく夜に書くのが一般的です。
なぜなら、まだ1日が始まったばかりの朝では、日記に書く内容がないからです。
ゆえに、日記をつけるなら当日の夜がベストだといえます。
いっぽうで青汁には、日記と違い、このような「良いタイミング」が存在しません。
野菜不足を解消する目的なら、いつどんなタイミングで飲んでもおなじです。
ただし青汁に「睡眠の改善」を期待する場合、青汁を飲むべきは朝だといえます。
1. 朝の青汁は睡眠改善効果
青汁にはトリプトファンという必須アミノ酸が含まれており、この成分が最終的にはメラトニンという睡眠ホルモンの分泌に関係します。
ですので、もし「寝つきを良くしたい」と考えるなら、青汁を飲むべきは朝です。
というのも、摂ったトリプトファンが体内ですぐ睡眠ホルモンのメラトニンになるわけではないからです。
摂取したトリプトファンはまず、セロトニンというホルモンの原料となります。
セロトニンは「幸せホルモン」の異名を持ち、不足すると抑うつ気分を引き起こします。
青汁のトリプトファンから作られたセロトニンは、夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンに変換されます。
- トリプトファン
- セロトニン
- メラトニン
この順で変化していくわけです。
ゆえに、原料であるトリプトファンが不足してしまうと、セロトニンが不足し、メラトニンも不足するという負の連鎖が起こってしまうのです。
たとえるなら、お金がないと日ごろから食べる物が質素になり、食べ物が質素だと栄養が不足する負の連鎖が起こるようなものです。
ゆえに、大本となるトリプトファン、お金がそれぞれ重要です。
トリプトファンの含有量
トリプトファンの含有量は、
- ケール粉末3g:10mg
- 大麦若葉粉末3g:14mg
それぞれこのようになっています。
ケールと大麦若葉は、いずれも一般的な青汁の原料となる野菜です。
3gという数字は、1回に飲む青汁の粉末量から来ています。
トリプトファンというとよく「バナナ」が挙げられますが、バナナのトリプトファン含有量は100gあたりおよそ10mg程度と、けっして多くありません。
- ケール粉末3g:10mg
- 大麦若葉粉末3g:14mg
これが青汁のトリプトファン含有量ですので、寝付きを良くするためにバナナをモグモグ食べるよりは、青汁をグビッと飲んだほうが効率的だといえるでしょう。
バナナは傷みやすく、長期保存にむかないのも不便です。
必須アミノ酸であるトリプトファンは、プロテインに多く含まれています。
アミノ酸はタンパク質が分解されたもの。プロテインはタンパク質そのもの。
ホエイプロテインに含まれるトリプトファンは、1回の摂取量20gあたり、およそ450mg程度です。
青汁やバナナの比ではありません。ゼロの数が一つ違います。
青汁からは逸れますが、寝付きを良くしたいのであれば、青汁に期待するよりもプロテインに期待したほうが賢明です。
もちろん、摂取タイミングは朝がベストです。
Amazonではこんなホエイプロテインが売っています。
ホエイプロテインは牛乳を、ソイプロテインは大豆をそれぞれ原料として作られています。
青汁とプロテインは相性が悪いので、混ぜることなく別々に飲んでください。
たとえるなら、キムチとショートケーキを混ぜないほうが良いようなものです。
2. 食前の青汁で肥満防止
ダイエットをしている方は、青汁を食前に飲むと良いでしょう。
ただし、シャイカーに青汁の粉末を入れ、さらに「難消化性デキストリン」という粉末状の食物繊維を入れてください。
難消化性デキストリンは水溶性食物繊維であり、食前に摂取すると、食後血糖値の上昇を抑えてくれます。
結果として、
- 肥満
- 糖尿病
- 認知症
- がん
- うつ
などの予防や改善に役立ちます。
なんら手間ではありません。
シャイカーに粉末の青汁を入れたら、ついでに粉末の難消化性デキストリンを(スプーン1杯分)入れ、シャカシャカと振るだけでOKです。
難消化性デキストリンは無味無臭ですので、青汁の味や風味には影響しません。
青汁そのものにも食物繊維は含まれていますが、こちらは不溶性食物繊維であり、おもに便秘解消に効果を発揮します。
血糖値の上昇を穏やかにし、上のような病気や症状を防ぐ効果があるのは、水溶性(水に溶ける)食物繊維です。
Amazonではこんな難消化性デキストリンが売っています。
水溶性食物繊維を溶かさずに青汁だけを食前に飲んでも、
- 肥満
- 糖尿病
- 認知症
- がん
- うつ
これらの予防や改善には期待できません。
"素の青汁"に期待できるのは、不溶性食物繊維による便秘解消効果です。
ご注意ください。
まとめ
青汁を飲むベストなタイミングについてお伝えしてきました。
- 寝つきを良くしたい:朝
- 健康でありたい:食前
これらが目的別の、青汁を飲むべきタイミングです。
ただし後者の場合には、難消化性デキストリンを溶かす、というひと手間が加わります。
なぜなら青汁は、けっして万能のドリンクではないからです。
目玉焼きを美味しく食べるために、醤油やマヨネーズ、塩コショウなど好きな調味料をかけているのではないでしょうか。
水溶性食物繊維をパッとかけてシェイクするのもおなじようなもので、たいした手間ではないはずです。
もちろん「野菜不足が解消できれば良い」という方は、青汁をいつ飲んでも構いません。
どんなタイミングで飲んでも、青汁は野菜不足を改善してくれます。
以上、青汁を飲むタイミングについてでした。
結論。寝つきを良くしたいなら朝。ダイエットや病気を防ぎたいなら(難消化性デキストリンとともに)食事前。野菜不足の解消なら、いつでも。
【参考文献】
工藤孝文『人生が変わるホルモンコントロール術 はたらくホルモン 朝1杯の牛乳が夜の睡眠を変える』講談社、2020年
NHKスペシャル取材班『糖尿病、認知症、がんを引き起こす血糖値スパイクから身を守れ!』宝島社、2017年
溝口徹『「血糖値スパイク」が心の不調を引き起こす』青春出版社、2017年
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私たちが飲みやすいよう3gずつ個包装になっているのが特徴です。