読むつもりで買った本を、一度も開くことなく自宅で眠らせていませんか?
手に入れた途端「読むモチベーション」が急落してしまうのは、珍しいことではありません。
いってみれば、読書家あるあるです。
では、どうして私たちは読もしない本にお金を払ってしまうのでしょう。
どんな対策をすれば、書籍のほったらかしを防げるのでしょうか。
この記事では、
- 書店に行かない
- Amazonにアクセスしない
- ひとまず積読を解消する
など、「読まないのに本を買ってしまう理由と対処法」をわかりやすく解説します。
ムダな支出を減らすため、ぜひ参考にしてみてください。
読まないのに本を買う理由2つ
買ったまま読んでいない本は、たとえるなら、買って飲んでいないサプリメントも同然です。
なんの価値もありません。
サプリメントは消化器官で、書籍は目と脳で吸収して、はじめてその効果が得られます。
ですので、読まない本なら「買わないほうがマシ」だといえるでしょう。
お金をドブへ捨てずに済むからです。
ところで、机の上がいわゆる"積読"の状態になっていませんか?
積読とは、買ったまま開いていない本が、どんどん横きで積み重なっていくことをいいます。
未読の本を見るたびに負い目を感じたり、自責の念に駆られたりするので、積読は財布だけでなくわれわれのメンタルにも良くありません。
そんな積読は2つの原因によって生じています。
- 買って満足している
- 読むペースが追いついていない
それぞれに対処して、読まない本をつい買ってしまう「クセ」を断ちましょう。
1. 買って満足している
読みもしない本を買ってしまうのは、書籍といっしょに「知識」まで得ているような気がするからです。
もちろんこれは誤解で、ページを開いて文章を読まない限り、そこに記されているノウハウや情報はインプットできません。
たとえば、『一流の頭脳』という本を書店で見つけたとします。
「これを読めばもっと賢くなれる」と胸が高鳴って、書籍をレジへ持っていきます。
ところが、購入しただけで読むこともなく満足してしまうのは、
- 自宅に『一流の頭脳』がある
- 脳内に『一流の頭脳』の内容が入っている
この両者を等しく扱ってしまうからです。
雲泥の差があるにも関わらず、です。
本を買った瞬間、「知識は手元にある。あとは読みさえすればもっと賢くなれる」といった安心感が、われわれの心に芽生えます。
そして「本はどこにも行かない。腐ったり溶けたりもしない。だから好きなタイミングで読もう」と怠け、つい書籍を放置してしまいます。
そのうちに今度は『読書について』なんて本を新しく買ってきて、『一流の頭脳』の優先順位が下がります。
これではいつまで経っても読めません。
頭脳は二流のままです。
対処法:買った日に読む
ダンベルを買って部屋に飾っておいても、ムキムキにはなれません。
持ち上げてはじめて、ダンベルから筋肥大効果が得られます。
本もおなじです。
本は読んでこそ意義があります。
そこで「鉄は熱いうちに打て」を合言葉にし、買ったその日のうちに読み始めることをマイルールとしてみてください。
たとえ2〜3ページでも読めばつづきが気になるはずなので、ほったらかしを避けられます。
本は絵画ではないので、ただ所有しているだけではなんの意味もありません。
本は消臭剤でもないので、いくら増やしても部屋の空気がキレイになったりはしません。
一にも二にも、読むことです。
買う前にパラパラとページをめくって「内容が難しそう」だと感じた場合には、直感にしがたったほうが良いかもしれません。
背伸びはせず本棚へ戻して、代わりにとっつきやすい入門書を買うのがおすすめです。
もし海外の古典文学にチャレンジするなら、訳が古くて堅苦しい岩波文庫ではなく、他の出版社のものを買ったほうがスラスラ読めます。
なるべくハードルは下げておきましょう。
明日の自分を過信しないようにしましょう。
今日読んで理解できないものは、明日も理解できません。
見栄を張ってハイレベルな書籍に手を出してみたところで、読めなければその本は、ただの「インクで汚れた紙の束」です。
そんなものに1,000円も2,000円も払う必要はありません。
2. 読むペースが追いついていない
買った本のなかから「読まないもの」が出てしまう原因は、読むペースを、買うペースが上回っているからかもしれません。
たとえばAさんは、週に1冊のペースで本を読むとします。
もしAさんが毎週末にきまって2冊の本を買っていたら、「読んでいない本」が自宅に増えていくのは明らかです。
これはまるで、食べるより多くの食材をスーパーで買ってきて、余らせているようなものです。
余った食材はそのうち腐って捨てるハメになりますが、読めずに余った本は、腐りません。
だから1年経っても5年経っても部屋に居座りつづけます。
知識欲や向上心が強いのは人として立派なことですが、書店やAmazonでの本探しにばかり時間を割いていては意味がありません。
大事なのは、書籍をリサーチする時間ではなく、「本を読む時間」を確保することです。
対処法:すべて読み切るまで買わない
新しい本を買うのは一時中断して、読書に専念しましょう。
これまで放置してあった本をすべて読み、抱えていた"遊休資産"を片づけます。
量しだいでは、積読してあった本を読み切るまで1〜2ヶ月かかるかもしれません。
それでも購入スイッチをオフにして読破スイッチをオンにしない限り、「読まないのに買う問題」は解決できません。
だからこそ、どんなに気になる新刊が出ていても、いま自宅にある本を読み終えるまで買うのはガマンです。
- 手帳にメモ
- スマホにメモ
- Amazonのほしい物リストに追加
このような方法で「読みたい本」を記録しておきましょう。
現状をビュッフェでたとえるなら、まだ目の前の料理を食べ切っていないにも関わらず、ほかの料理をどんどん取っているようなものです。
まずはテーブルの上にある料理を平らげることに集中するべきです。
書籍もおなじで、購入はストップし、まずは自宅に溜まった未読本を読み切ることに集中しましょう。
「1冊の本を読むのには時間がかかる」ことを痛感したら、これまでのようにホイホイと本を買わなくなるはずです。
気になった本を「自己投資」と称して手当たりしだい買うのではなく、読む価値のある本だけを厳選するようになる、ということです。
まとめ
ちょっと惹かれた本を「読まないのに買う」習慣は、やめられます。
未読の本が増えていく原因は、
- 買っただけで満足するから
- 読むペースが追いついていないから
このいずれかです。
そこで対処法として、
- 買った当日に読みはじめる
- 読み切ってから次の本を買う
こうした方法を試してみてください。
読書スタイルが一変し、ほんとうに読みたい本だけを厳選して買えるようになるはずです。
積読をやめれば、「また読まない本を買っちゃった」と自己嫌悪に陥ることもありません。
本を買う人が偉いのではなく、本を「読む」人が偉い、そう肝に銘じておけば、本末転倒な状況を招かずに済みます。
以上、読まないのに本を買ってしまう理由と対処法でした。
【結論】本は誰でも買える。だけど、誰でも読めるわけじゃない。集中力や理解力、意欲が足りなかったりして、読めない人がほとんど。だから購入して満足せず、読破して満足するステージに生きよう。小難しい本ばかり買っている"知的な自分"に酔いしれていても仕方ない。
読書について、Amazonではこんな本が売れています。
早くたくさんの本を読むのではなく、少ない本を深くゆっくり読む「スロー・リーディング」の実践法が書かれています。
買ったのに読めていない現状と、新刊をどんどん読んだほうが良いという固定観念を、根底からひっくり返してくれるかもしれません。
著者は作家の平野啓一郎です。
読みかけの本を増やさない工夫に関して、当サイトにはこんな記事があります。
本についている帯の扱いについて、当サイトにはこんな記事もあります。
プチトマトのヘタは捨てるのが正解、車検証はとっておくのが正解、では、買った書籍についていた帯はいつもどうしていますか?
「買ったのに読んでいない本」を読む気になれない(もう興味が失せた)なら、メルカリで売り捌いてはいかがでしょう。
Amazonで安心して本を買う工夫について、当サイトにはこんな記事があります。
本の要約サイトを眺める意味について、当サイトにはこんな記事があります。
積読(本を買って読まない状態)について、Amazonではこちらの書籍が評価されています。
読むペースを購入ペースが上回っている現状を肯定できるかもしれません。
まだ読んでいない本はインテリアとして部屋に飾りましょう。
"積読タワー"はこちらです。