モノだけでなく、音も、刺激もミニマルに。
この記事では、沼畑直樹著『最小限主義。』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『最小限主義。』の要約と感想
まずは本書の要約から。
ミニマリストの著者が、最小限主義の魅力を説く。
ミニマリズムとは、あらゆることを最小限から試し、適量を見極める主義である。
モノをはじめ、音、刺激、食事、家の広さなどを自分の価値観に沿って決めていく。
目指すのは、真の幸福である。
以上がおもな内容です。
これまで私はミニマリストにたいして否定的な考えを持っていました。
「モノが少ない自慢をしている人たち」という認識しかなかったからです。
本書を読んでその哲学に触れたことで、考えを改めました。
最小限から試して適量を見つける主義
この社会は、
- 大きい
- 多い
に価値を置いています。
大きな家。大きな車。たくさんのお金、など。
ただ、社会の価値観に惑わされることなく、自分で自分の適量を探っていこう。
最小限から試してみよう、というのがミニマリズムだそうです。
たとえば車なら、ほんとうに大きくてスペースの広い車が良いのか。
バイクと同程度の荷物しか載せられないホンダS660ではダメなのか?
いったん最小限から試してみて、自分が心地よいと思うポイントを見つけること。
それがミニマリズムの意義だといいます。
自分がほんとうに心地よい広さ、大きさ、量を見つけることは、幸福に生きるための必須条件です。
モノが捨てられないのは「不安」のせい
モノを捨てられないのは心に不安があるから。
- 無いと困るかもしれない
- いつか使うかもしれない
- これは私のアイデンティティだから
などなど。
これらはすべて「自分への不安」だといいます。
自分に自信が持てないから、モノで自分の価値を確認している。
モノが与えてくれる安心感で自分を安心させている、というわけですね。
必要以上に大きな車を買うのも、「なめられたくない」といった不安な気持ちが根底にあるのかもしれません。
軽自動車よりもデカいSUVのほうが威圧的で、お金がありそうに見えますよね。
モノに向き合うことは、自分に向き合うことでもあります。
もし心の奥底に不安を抱えているのだとしたら、豪邸に住んでモノを増やしたところで、不安は解消されないでしょう。
音も刺激もミニマリズム
静かな空間は心を落ち着かせ、気持ちを豊かにする。
著者はそう指摘しています。
テレビのつけっぱなしをやめる。
筋トレをしながら音楽をかけるのをやめる。
お風呂に浸かりながら動画を見るのをやめる。
ときには静寂を感じてみるのも良いのかもしれません。
それから、刺激のミニマリズム。
刺激をなくすと平穏が訪れるのだとか。
www.shortshortshort.jpネットニュースでジャンクな刺激を浴びていませんか?
見るのをやめてみると、案外心地よく感じるかもしれません。
まとめ
最小限から試すことで、自分の適量を見つける。
その先には真の幸福がある。
面白い考え方だと思います。
ただ、著者の文体は好きになれませんでした。
一言でいえばキザ。
終始ポエムを読んでいる気分です。
タイトルが『最小限主義。』なんですよね。
名詞に句点をつけているんです。ここで怪しさに気づくべきでした。
名詞に句点をつけちゃうセンスを疑うべきでした。
内容は良かっただけに、もう少し普通に書いてくれれば……。
映画のストーリーは素晴らしいのに、俳優の演技が大根、みたいな。
そんな惜しさがあります。
著者はナルシズムをミニマリズムすべきかもしれません。
以上、沼畑直樹著『最小限主義。』の要約と感想でした。