穏やかなメンタルで過ごせていますか?
心を落ち着かせる方法として、著者は「マインドフルネス」を推奨しています。
この記事では、萩野淳也著『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』の要約と感想
まずは本書の要約から。
マインドフルネスとは、「今ここ」に注意を向けた状態をいう。
マインドフルネスを行うメリットは、自分の心の状態に気付けるようになることだ。
「自分を客観視できる」と言い換えても良い。
マインドフルネスはいつでも、誰でもできるのが大きな特徴。
体、暮らし、習慣、休息、人間関係などにおいてどのようにマインドフルネスを実践したら良いかを解説する。
以上がおもな内容です。
穏やかな心で過ごしたいと願う方にとって、本書は参考になるかもしれません。
マインドフルネスの説明
マインドフルネス初心者に向けて本書は書かれています。
したがって、冒頭ではまず「マインドフルネスとは何なのか」について紹介されていました。
マインドフルネスにたいして、
- 胡散臭い
- オカルト的な怪しいもの
- スピリチュアル系のなにか
などといったネガティブな印象を抱いている方もいるのではないでしょうか。
そういった読者の疑問や不安を、著者は解消してくれています。
マインドフルネスは仏教の禅の教えをベースとしていること、プロアスリートや一流企業なども取り入れており、けっして怪しいものではないことなど、マインドフルネスに関する事実が書かれていました。
胡散くさい横文字を怪しんでいる方であっても、本書を読めばいくらか警戒が解けるのではないでしょうか。
マインドフルネスには、
- ポジティブな感情が高まる
- うつ感情が抑えられる
- ストレスが緩和される
- 寂しさを減らす
- 感情制御力が高まる
といった効果があるのだそうです。
なぜなら、マインドフルネスを実践することで自分の心の状態に気づき、自分で反応を選べるようになるからです。
実践パートにて失速
マインドフルネスの説明が終わると、いよいよ本題である「日常生活におけるマインドフルネスの実践方法」へとテーマが移ります。
残念ながら、ここで本書は失速します。
具体的な実践例はいずれも、効果があるのか怪しかったり、ハードルが高かったりするものばかりでした。
つまり、参考にならなかった、ということです。
たとえば、「満員電車でイライラすることを選ばないようにしよう」と著者はアドバイスしています。
これなど「言うは易く行うは難し」の典型例ではないでしょうか。
マインドフルネスは自分の感情を自分で選べるようになることを目指すものですが、だからといっていきなり「イライラするな」というのは無理があります。
満員電車でイライラせずに済むのなら、最初からそうしています。
「イライラを選択しなければいい」って、アドバイスになっていません。
パンがなければケーキを食べればいいじゃない、みたいな発言です。
あるいは、相手にたいして褒め言葉を50個考えよう、という助言もありました。
褒めるポイントを50個も持っている聖人君子がこの世に存在するのでしょうか。
利き手と逆の手で歯を磨こう、とも著者は述べていました。
磨き残しができて虫歯になったとしても、マインドフルネスのパワーで「痛くない」を選べばオールオッケーってなもんです。
まとめ
「今ここ」に意識を集中させるためのコツやポイントが列挙してある本です。
なかにはマインドフルネスや休息とは結びつかないものもチラホラ載っていました。
お金と時間を費やして読むだけの価値が本書にあるかといえば、 答えはノーです。
海岸を裸足で歩いてマインドフルネス、ホテルのラウンジでお茶を飲んでマインドフルネス、誰にも見られていないときにゴミを拾ってマインドフルネス、本書は終始こんな調子です。
読んでいるうちにだんだん「マインドフルネスって結局なんなの?」と、わからなくなり、マインドフルネスの本質を見失っていくことでしょう。
マインドフルネスそのものに価値がないのではありません。
本書で紹介されている「すき間時間でできるマインドフルネスの実践例」にさしたる価値がないだけです。
以上、萩野淳也著『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』の要約と感想でした。
結論。読んでいるうちに心がざわざわし、イライラする本。つまり、落語のオチみたいな本。
マインドフルネス関連書のなかでは、こちらの本がおすすめです。