一言でアイスといっても、成分によって3種類に分けられます。
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
この3つです。
アイスのパッケージに表記されていますので、ふだん食べているアイスが3つのうちどれに該当しているのかチェックしてみてください。
少しでも健康的なアイスを食べたい場合、選ぶべきは「アイスクリーム」です。
理由は以下でお伝えします。
この記事では、
- 何が違うのか
- どれを食べるのが良いのか
- トランス脂肪酸の危険性
など、「アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスの違い」についてわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスの違い
中学生が、1年生、2年生、3年生と3つに分けられるように、市販のアイスもまた、
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
の3つに分類できます。
では、なにを基準にしてアイスを分類しているのでしょう。
答えは、成分によって、です。
具体的には、アイスに含まれている、
- 乳固形分
- 乳脂肪分
これら2つの割合によって区別しています。
成分で3種類に分けている
アイスクリームを名乗るためには、乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上が必要です。
いずれか片方でも基準に満たない場合、それは「アイスクリーム」ではありません。
アイスミルク、もしくはラクトアイスです。
- アイスクリーム:乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上
- アイスミルク:乳固形分10%以上、乳脂肪分3%以上
- ラクトアイス:乳固形分3%以上
このような基準でそれぞれ分類されています。
つまり、もっとも乳成分が多く含まれているのがアイスクリームで、もっとも少ないのがラクトアイスだ、ということです。
たとえるなら、軟水と硬水のようなものだといえます。
含まれているカルシウムやマグネシウムの量(硬度)が、100mg/L以下であれば軟水、これを超えていれば硬水です。
成分によって水は、
- 軟水
- 硬水
この2種類に分けられています。
ちなみに、私たちが住む日本の水道水は、たいてい軟水です。
話をアイスに戻します。
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
これら3種類のアイスのなかで結局どれを食べるのが良いのかといえば、乳成分がもっとも多い"アイスクリーム"です。
なぜアイスクリームを選ぶべきなのか
世の中には、「乳脂肪分が少ないほうが健康的だ」と考え、乳脂肪分がほとんど含まれていないラクトアイスを買う人がいます。
- アイスクリーム:乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上
- アイスミルク:乳固形分10%以上、乳脂肪分3%以上
- ラクトアイス:乳固形分3%以上
3つはこのような基準で分けられていました(おさらい)。
がしかし、ラクトアイスはけっして「健康的」ではありません。
なぜなら、ラクトアイス、アイスミルクともにアイスクリームよりも乳成分が少ないため、アイスクリームに近い味を出すために"植物油脂"を足していることが多いからです。
試しに、ラクトアイスのパッケージに記されている成分表示を見てみてください。
植物油脂という表記があるはずです。
植物油脂が好ましくないのは、そのなかにトランス脂肪酸という体に悪い物質が含まれているからです。
ラクトアイスやアイスミルクにくらべ、乳成分が多いアイスクリームは値段がやや高めです。
それでも健康のことを考えるなら(そして、どうせアイスを食べるなら)、多少高くてもアイスクリームを買うべきだといえるでしょう。
トランス脂肪酸が体に悪い理由
乳成分が少ないアイスミルクやラクトアイスはたいてい、アイスクリームに近い味を出すために植物油脂が加えられています。
植物油脂にはトランス脂肪酸という悪い物質が含まれており、進んで摂取すべきものではありません。
たとえば世の中には、トランス脂肪酸のことを、
- 狂った脂肪
- 食べるプラスチック
などと呼ぶ専門家がいます。
トランス脂肪酸は「食べ物」として見られていないのです。
トランス脂肪酸は自然界に微量しか存在せず、工業的につくられた物質です。
私たちが体内にもつ消化酵素では、トランス脂肪酸をほとんど分解できません。
トランス脂肪酸は、細胞膜を弱くし、われわれの細胞の機能を阻害することで、
- 認知症
- 動脈硬化
- アレルギー性疾患
- 脳や心臓の血管系疾患
などのリスクを高めるとされています。
ちなみにトランス脂肪酸は、
- マーガリン
- ショートニング
にも含まれていますのでご注意ください。
マーガリンについて少し補足します。
スーパーの棚を見ればわかるように、マーガリンにくらべ、バターは高価です。
なぜなら、バターの原料となる動物のミルクが高価だからです。
そこで、人工的に作られた化学的合成品がマーガリンです。
マーガリンは化学的合成品であって、厳密には「食品」ではありません。
ただし、人工的にジャンジャン作れてコストが抑えられることから、マーガリンはさまざまな食品(ケーキや菓子パンなど)に使われています。
そして、マーガリンを作る際にできてしまうのが(人体に悪い)トランス脂肪酸です。
値段が安いラクトアイスやアイスミルクには、
- 狂った脂肪
- 食べるプラスチック
でおなじみのトランス脂肪酸が含まれています。
つまり、安さの裏にはこんな事情がある、ということです。
食べるなら、商品説明に「アイスクリーム」と表記されているものを選ぶのが良いでしょう。
まとめ
アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスの違いについてお伝えしてきました。
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
下へ行くほど価格が安くなり、どうじに不健康になっていきます。
その理由は植物油脂(トランス脂肪酸入り)にあります。
たとえば、おやつとしてバケツをボリボリかじっている人がいたらどうでしょうか。
端的にいって、ヤバい奴です。
プラスチックでできているバケツは、水を入れるための容器であって、食べ物ではありません。
「食べるプラスチック」と呼ばれるトランス脂肪酸を摂取するということは、ほとんど、バケツをかじっているも同然です。
つまり、知らず知らずのうちに"ヤバい奴になっている”ということです。
どうせアイスを食べるなら、乳成分が多いアイスクリームを選びましょう。
わざわざラクトアイスやアイスミルクを食べ(植物油脂が添加)、心臓に負担をかけることはありません。
心臓が止まってから後悔しても、手遅れです。
以上、アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイスの違いでした。
結論。食べるなら、アイスクリームを。私たちは脂質で太るのではなく、糖質の過剰摂取で太る。だから乳脂肪を避ける必要はない。乳脂肪を避け、植物油脂(トランス脂肪酸入り)を口にするほうが、よほど体に悪い。ドロボーが家に入らないほうが良いのとおなじで、トランス脂肪酸もまた、体内に入らないほうが良い。
【参考文献】
牧田善二『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』ダイヤモンド社、2017年
満尾正『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』アチーブメント出版、2019年
南清貴『じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険』ワニブックス、2014年
金沢和樹『まちがいだらけのサプリ選び』双葉社、2011年
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