「筋トレはハゲの原因になる」というウワサは、オカルト的な迷信や都市伝説みたいなものです。
モンブランを食べ過ぎたら間違いなく太りますが、スクワットやデッドリフト、チンニングやをりすぎても、薄毛になったりはしません。
心配は無用です。
薄毛の仕組みを正しく知って、「ハゲの恐怖」を克服しましょう。
筋トレをすると、体内でテストステロン(男性ホルモン)の分泌量が増えます。
これは事実です。
がしかし、男性ホルモンが増えたら"ハゲまっしぐら"ではありません。
この記事では、
- 薄毛のメカニズム
- ジヒドロテストステロンに注意
- ボディビルダーは全員ハゲているか
など、「筋トレのやりすぎはハゲの原因になるのか」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
筋トレのやりすぎはハゲの原因になる?
筋力トレーニングに励んだからといって、髪が薄くなったりはしません。
ただ、鍛えた箇所に筋肉がつくだけです。
その証拠に、ボディビルダーの姿を思い浮かべてみてください。
彼らのゴツい肉体はどう見ても「筋トレのしすぎ」ですが、じゃあボディビルダーが全員ハゲているかといえば、そんなことはありません。
髪の毛がフサフサで、薄毛とは無縁のボディビルダーも大勢います。
ハゲの恐怖を拭い去り、われわれも安心してダンベルカールに励みましょう。
薄毛になるかどうかは体質次第
「たくましい筋肉を得る代わりに、髪の毛を差し出さなければならない」
こんな切なくて理不尽な生贄制度は筋トレ界に存在していません。
喫煙者がもれなく肺がんで死んだりしないのと同様に、マッチョが例外なくハゲるわけでもないのです。
ポイントは、体質です。
一般的なハゲはAGA(男性型脱毛症)といい、薄毛に悩む男性のほとんどが、このAGAに該当しています。
では、AGAはなぜ起こるのでしょう。
AGAのメカニズム
AGAのおもな原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンです。
DHTは、男性ホルモンであるテストステロンから、5α-リダクターゼという還元酵素によって作られる悪玉のホルモンです。
筋トレによって筋肉に刺激を与えると、テストステロンの分泌量は増えます。
ただし、テストステロンがそのまま「薄毛」につながるわけではありません。
5α-リダクターゼによって変換された「ジヒドロテストステロン」が、われわれの頭皮に作用したとき、ハゲ(AGA)が進行します。
そして、ジヒドロテストステロンにたいする、
- 毛乳頭細胞
- 毛母細胞
これらの感受性には、個人差があります。
つまり、DHTに敏感に反応する人もいれば、そうでない人もいる、ということです。
ジヒドロテストステロンに敏感な毛乳頭、毛母細胞の持ち主であれば、少量のDHTにも反応し、AGAが進んでしまいます。
端的にいうなら、ハゲます。
この「敏感かそうでないか」は遺伝や体質によって決まるので、筋トレを含む生活習慣とは、ほとんど関係がありません。
だからこそ、ボディビル大会の会場は「マッチョな薄毛選手」であふれかえっていないのです。
ボディビルダーは筋トレに人生を捧げていますが、髪の毛までは、捧げていません。
ハゲる人は筋トレに関係なくハゲる
AGAになるかどうかは、ジヒドロテストステロン(DHT)にたいする毛乳頭および毛母細胞の感受性しだいです。
敏感ならアウト、鈍感ならセーフで、生まれたときすでに決まっています。
たとえるなら、くすぐり(コチョコチョ)が効く人と、ぜんぜん効かない人がいるようなものです。
すべては体質の問題です。
したがって、「筋トレしたらハゲるかも」という不安に怯え、たくましいマッスルボディを諦めることはありません。
いっぽうで、もしも近い将来ハゲたとしても、筋トレを犯人にすべきではありません。
薄毛になった理由は、DHTに反応しやすい体質だった、というだけの話だからです。
筋トレとの因果関係は、ナッシングです。
事実、世の中には、(どう見ても)筋トレをしていない(どこから見ても)薄毛の人が大勢います。
スクワットや腕立て伏せをしなくても、ハゲる人はハゲる、という厳しくて容赦ない現実が見てとれます。
【朗報】AGAは治療できる
薄毛に怯えながら中途半端なトレーニングをするのはやめましょう。
120%の全力を出し切ってこそ、筋肥大や筋力アップに期待できます。
そもそも髪の行く末は体質しだいなので、ハゲないかどうか心配しても意味がありません。
不毛です。
それから、もし運悪くAGA(男性型脱毛症)を発症しても、医療機関で治療が受けられます。
薄毛の原因は、ジヒドロテストステロンだとお伝えしました。
この悪玉ホルモンをつくっている還元酵素「5α-リダクターゼ」の働きを抑え、テストステロンが恐怖のDHTへと変わるのを防ぐ、そんなステキな内服薬や塗り薬を、病院へ行けば医師から処方してもらえます。
ようは、髪が抜ける原因を取り除くわけです。
もしも頭髪がピンチになったら、
- 皮膚科
- AGA専門クリニック
といった診察科、あるいは病院へ足を運びましょう。
火災において初期消火が重要であるのとおなじで、AGAもまた、早期治療が「その後」のカギを握っています。
鏡を見て「あれ?」と思ったら、すぐ専門医を訪ねてみてください。
筋トレが終わってからプロテインを飲むまでの間とおなじくらい「すぐ」が理想的です。
もし頭頂部が薄くなって地肌が見えてきたり、額が後退しはじめてきたら、病院やクリニックへゴーです。
筋トレとハゲはなんら関係がないので、マッチョを目指すなら、スポーツジムへゴーです。
以上、筋トレのやりすぎはハゲの原因になるのか、でした。
【結論】ならない。筋トレでテストステロン(男性ホルモン)が増えるのは事実。だけど、還元酵素によって作りかえられたDHT(薄毛の犯人)に反応しやすいかどうかは、体質しだい。敏感なら禿げるし、鈍感なら禿げない。運を天にまかせ、よけいな心配をせず筋トレに励もう。
マッチョな体にムダ毛は似合いません。
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【参考文献】
伊藤和弘『男こそアンチエイジング』日経BP、2015年
小林一広『病はケから 老けない体と心の作り方』幻冬舎、2014年
樺沢紫苑『ブレインメンタル強化大全』サンクチュアリ出版、2020年
『Newton別冊 健康の科学知識』ニュートンプレス、2020年
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