ダイエットや体型維持のために「自宅では座らない」をマイルールとして生活している人が、世の中にはいます。
どんな人かというと、たとえば、
- 女優
- モデル
- ヨガインストラクター
といった「太ったら仕事が減りかねない人たち」です。
SNSや雑誌を通じて彼女たちのライフスタイルを知り、さっそくマネして座るのを禁止にしたところで、続けられなければダイエット効果は得られません。
ただし、座らない生活を1週間、2週間と継続できたなら、たいていの人が痩せられます。
大切なのは、歯磨きや入浴のように、「立つ生活」を当たり前の習慣にすることです。
毎日30分間だけ直立するのではなく、家ではつねに立った状態で過ごすことです。
もし、すぐ疲れてしまう、10分で座りたくなってしまうとしたら、「骨盤の角度」に意識を向けてみてください。
骨盤が後傾して猫背になっていませんか?
この記事では、
- 座らない生活を送るコツ
- 理想的な骨盤のつかい方
- 座らないだけで痩せられるのか
など、「座らない生活でダイエットするススメ」をわかりやすくご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
座らない生活でダイエット
座らない生活とは、具体的にどんなものなのでしょうか。
まず大前提として、
- 畳
- ソファ
- 座椅子
- フローリング
自宅内のどこであっても「座ること」を原則禁止とします。
ただし、
- 風呂
- トイレ
- 食事の際
など、例外的に「座ってもOK」なシチュエーションはあります。
いくらダイエットのためとはいえ、立って食事をしていたら「お行儀が悪い」と家族に注意を受けるかもしれません。
もし、ひとり暮らしをしているなら(咎める人は誰もいないので)、立ち食いも「可」です。
こうした例外を除き、
- 読書をする
- 日記を書く
- スマホを見る
- PC作業をする
- ドライヤーで髪を乾かす
といった動作は、すべて立ったまま行います。
それが、座らない生活です。
「立って過ごす」と「痩せる」理由
ほとんどの時間を座って過ごす代わりに、立って過ごしたほうが痩せます。
なぜなら、座るより立っている状態のほうが、より多くのエネルギー(カロリー)を体が消費するからです。
イメージとしては、散歩よりもジョギングのほうがたくさんのエネルギーを消費するのとおなじです。
代謝の量を表す「メッツ」という単位があります。
座っている状態を1メッツとしたとき、ウォーキングは3メッツ、ジョギングは6メッツです。
早い話が、座っているより歩いているほうが3倍のカロリーを消費する、ということです。
では、立っている状態は何メッツなのでしょうか。
- 立った状態での会話:1.8メッツ
- 立ち仕事:2.3メッツ
このように、座って安静にしている状態(1メッツ)にくらべ、それぞれ1.8倍、2.3倍多くカロリーを消費することがわかっています。
しゃべるにしても、働くにしても、座った状態より立った状態のほうがダイエット効果を得られることは明らかです。
筋肉のトレーニングにもなる
消費カロリーの差だけではありません。
立って過ごしていれば、意識しなくとも脚や腰の筋肉を鍛えられます。
立って過ごすと筋肉量が増え、代謝がアップし、結果として痩せやすい体になるのです。
しかも人間の筋肉のおよそ70%は「下半身」についているため、筋肉の大部分をいっきに鍛えられる「座らない生活」は、ダイエットにうってつけだといえます。
立って過ごしていれば、
- ゴミを捨てる
- カーテンを開ける
- ハサミを取りに行く
といった動作への抵抗感が薄れます。
どうしてかというと、座っている状態だと「立ち上がる」動きが面倒に感じられますが、立って生活していれば、「立ち上がる」必要がないからです。
こうして日常のチョコチョコとした動きが増えると、消費カロリーが増えます。
消費カロリーの増加は、そのままダイエットにつながります。
こんな素晴らしい「座らない生活」に問題があるとすれば、疲れること、かもしれません。
意識するべきは骨盤
座らない生活は、疲れます。
何をするにも立ちっぱなしなので、当然といえば当然です。
もちろん疲労には、「日ごろの運動不足からくる筋力の低下」も関係していますが、それだけではありません。
立っていて疲れるのは、たいていの場合、姿勢が悪いからです。
たとえば、背中が丸まって猫背になっていると、首や肩によけいな負担がかかり、疲れや痛み、凝りの原因になります。
姿勢を良くしようとして、「背筋(背骨)」に意識を向けても意味がありません。
たとえるなら、傾いた家の柱を、ムキになって直しているようなものです。
家全体が傾いているなら、柱ではなく、まずは土台(基礎部分)や地盤の弱さに対処する必要があります。
そうしなければ、根本的な解決にならないからです。
姿勢もおなじです。
正しい姿勢で立つためには、背中ではなく、もっと下の「骨盤」に意識を向けなければなりません。
というのも、いくら背筋を伸ばしたりアゴを引いたりしたところで、骨盤が後傾していたら、無駄な努力に終わってしまうからです。
事実、日本人の多くは、理想的なポジションよりも骨盤が後傾しています。
骨盤を立てて過ごす
骨盤が後ろに傾いている人の特徴を挙げます。
- お尻が垂れている
- お尻の位置が低い
- 猫背
いずれかに該当していませんか?
骨盤が後傾していると、お尻がダラッとして見えます。
傾いた骨盤のバランスを取ろうとして、上半身は猫背になります。
猫背だと頭を前に突き出すような格好になるので、首や肩の筋肉が凝ってしまい、疲れにつながります。
なぜなら、不自然な姿勢だからです。
では、どうして骨盤が後傾してしまうのでしょう。
原因のひとつに「腹筋の弱さ」が挙げられます。
美しい姿勢をキープするためには、それなりの筋力が欠かせません。
姿勢がキレイな人は、腹筋や背筋運動など、日常的になんらかのトレーニングをしていることがほとんどです。
理想的な姿勢で立ち、スムーズに体を動かして痩せるためにも、ぜひ腹筋を鍛えてみてください。
焼く前の鶏肉にフォークを刺して穴をあけるようなもので、腹筋の強化は、正しい姿勢で立って過ごすためのいわば"下ごしらえ"です。
立っているときには、骨盤を立てる・起こすイメージが重要です。
ただし、やり過ぎると今度は前傾(反り腰)になってしまうのでご注意ください。
それから、片足に重心をかけて(ステッキのようにして)立つのもNGです。
どうしてかというと、ぽっこりお腹になってしまうからです。
バランスを取ろうとして下半身がつき出て、あわせて下腹もポコッと出てしまうのです。
私たちが目指すべき「理想的な骨盤の角度」に関しては、のちほど、参考になるイラスト付の書籍をご紹介します。
ぜひチェックしてみてください。
まとめ
「座らない生活ダイエット」についてお伝えしてきました。
立って過ごすと痩せやすいのは、
- 下半身の筋肉が鍛えられるから
- 動きが増えて消費カロリーがUPするから
こうした理由からです。
ウォーキングやヨガを「する」のではなく、座らない、つまり特定の動作を「しない」ことで痩せる点がユニークだといえます。
美しく正しい姿勢でビシッと立つためのカギは、われわれの骨盤が握っています。
骨盤の角度に意識を向け、後傾・前傾するのを避けましょう。
ちなみに、座っている状態(座位)よりも、立っている状態(立位)のほうが、腰にかかる負担を抑えられます。
もし腰痛に悩んでいるのであれば、立っていたほうが腰に優しいことを覚えておいてください。
それから、衰えやすいのが、足腰の筋肉です。
使わなければどんどん筋力が低下し、足腰が弱まり、私たちは「老人」と化していきます。
20分立っていただけで脚が痛くなるとしたら、まさしく下半身の筋力が低下している証拠だといえるでしょう。
70歳、80歳になったとき自分の足で元気に歩くためにも、座らない生活は効果的です。
筋力の衰えを阻止してくれるからです。
座らない生活は、「原則として立つ」のであって、座ったら死刑というほど厳しいものではありません。
例えば、食事や入浴、仕事、クルマの運転など、座らざるをえないシチュエーションは日常生活のなかに多々あります。
座るときにも、骨盤を意識して、正しい姿勢を崩さないようにしましょう。
- 脚を組まない
- 背中を丸めない
- 横座りしない
- ぺたんこ座りしない
これら「4つのダメな座り方」に気をつけてみてください。
ちなみに骨盤は、石のように硬いカチコチの骨なので、それ自体が歪むことはありません。
ただし、(後傾など)間違った使い方をしていると、骨盤まわりについている筋肉のバランスが崩れることはあります。
骨盤を起こしてポジションをリセットし、
- 体脂肪の減少
- 美しい姿勢
これら両方を実現しましょう。
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「骨盤の角度なんてよくわからない。イメージが湧かない」
そんな悩み、モヤモヤを解決してくれます。
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骨盤について学ぶには、こちらの書籍がおすすめです。
3DCGのイラスト付きで、普段は見れない骨盤がどうなっているか、周辺の筋肉がどうなっているかを詳しく教えてくれます。
後半にはモデルの写真とともに「骨盤調整エクササイズ」が載っています。
理論と実践どちらにも応えてくれる、骨盤だけに特化した一冊(フルカラー)です。
以上、座らない生活ダイエットについてでした。
結論。立てば消費カロリーが増えてダイエットにつながる。立てば血流が良くなる。立てば腰への負担を軽減できる。立てばチョコチョコと動きやすくなる。立てば足腰の筋力低下を避けられる。だから立とう。骨盤を正しく使って、美しく立とう。
【参考文献】
竹内京子『見るみるわかる 骨盤ナビ』ラウンドフラット、2012年
『Tarzan特別編集 女性のための 肩甲骨&骨盤エクササイズ』マガジンハウス、2018年
『ニュートン別冊 体の正しい使い方と、健康に生きる方法』ニュートンプレス、2020年
『ニュートンライト2.0 この一冊で、健康な体が手に入る! やせる科学』2020年
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この2つです。
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